コラム2022年10月14日

ELC②一般化・適応

以前の記事でも紹介しました、組織行動学者のD.コルブが提唱する「経験学習モデル」によれば、
人が経験を通して学習するプロセスには、次の4つの要素があります。

1具体的経験(日々の仕事に取り組む中での具体的な経験を重ねること)
2省察(自分の経験を多様な観点から振り返って気づきを引き出すこと)
3概念化(自分なりの『自論』を形成すること)
4試行(自論を新しい状況のもとで実践してみること)

今回の記事では、3概念化(一般化)と4試行(適応)にフォーカスを当ててみたいと思います。

 

・抽象的概念化(一般化)

具体的経験を省察をして得られた材料から一般化、
抽象化して他の状況でも応用可能な知識つまり教訓や持論をつくります。
例えば、「料理で品数を増やすためには、先にお湯を沸かしておくことが大切だ。」
から、料理一般に応用できる知識に広げると「料理では手順を考え行動することが大切だ。」になります。

チームビルディング・アクティビティでの抽象概念化では、
「アクティビティのやり方」のフェーズで抽象概念化をして完成ではありません。
パイプラインでのパイプの持ち方やヘリウムフープでのフラフープの下げ方を、
学習しても業務で役に立たないので、業務に役立つフェーズに徐々に上げていきます。

第1フェーズ:同じアクティビティで成果を上げるための方法

第2フェーズ:違うアクティビティに活用できること

第3フェーズ:業務で役に立つこと

第1フェーズから第2フェーズに上がる際には視点の切り替えが必要で、
第2フェーズから第3フェーズに上がるには第2フェーズで出てきた、
多種多様な応用可能な知識から業務に合わせて選択をすることが求められます。

 

・試行(適応)

抽象的概念化(一般化)で得た教訓を次の体験で活用します。
体験学習では試行(適応)は次の具体的体験につながり新たな気づきが得られるため、
一般化された知識を活用することに意味を見出しています。

チームビルディング研修や組織づくりプログラムでは、
プログラム序盤から中盤は第2フェーズを中心に抽象的概念化を行います。
それは次のアクティビティ(体験)があり非日常のプログラムで、
能動的実験から具体的体験へと循環することで、多様な教訓が得られ、また得た教訓の精度が上がるためです。

 

【体験学習サイクルは日常に活かす】

体験学習サイクルは実務家を意識し普及させる目的で提唱されたモデルのため分かりやすく、
体験学習の研修で、よく使われる理論モデルです。

日本ではPDCAサイクルが浸透していますが、
PDCAサイクルは工場製品の品質向上から生まれた概念で、
サイクルを回し次に活かす点では同じですが、背景となる考え方が異なります。
デューイやコルブの学習観を理解したうえで、
「他の状態でも応用可能な知識」つまり教訓や持論を得て、
教訓や持論を次の体験で活用することが肝要です。

そして体験学習サイクルはプログラム中に教訓や持論を得て終わりでなく、
日常業務を一つの体験としてふり返り日々サイクルを回し続けることが一番のポイントです。

 

【ELC体験を進めるために】

 
学校及び企業において、リーダーとなる人材の育成は不可欠です。
実際に体験学習を行うに当たって、必ず必要なのがファシリテーター(司会・進行役)の存在です。
組織の課題点を見出し、具体的にどの体験を用いてどのように解決していくのか、しっかりと見極める必要があります。
無作為に体験学習を行なっても効果的ではありません。
むしろ逆効果になり組織が崩れる可能性もあります。

弊社NEQLIASでは、数多くの学校様や企業様に対し研修を行なっております。

優秀なファシリテーターを在籍させておりますので、
課題点や解決策を模索されている方がいらっしゃいましたら、お気軽にお問合せくださいませ。

 

コラム2022年10月11日

ELC①体験と振り返り

以前の記事でも紹介しました、組織行動学者のD.コルブが提唱する「経験学習モデル」によれば、
人が経験を通して学習するプロセスには、次の4つの要素があります。

1具体的経験(日々の仕事に取り組む中での具体的な経験を重ねること)
2省察(自分の経験を多様な観点から振り返って気づきを引き出すこと)
3概念化(自分なりの『自論』を形成すること)
4試行(自論を新しい状況のもとで実践してみること)

今回の記事では、特に「1.具体的経験」と「2.省察(振り返り)」にフォーカスを当ててみたいと思います。

 

・具体的経験

最初の経験とは、会議で新規プロジェクトのプレゼンをした、
社外研修を受講したなどの具体的な体験を指します。

 ここでの経験は、仕事の場面に限ったことではありません。
学生時代のクラブ活動やバイト体験などが、のちの振り返りの材料となることもあります。

 これは人から見聞きしたことではなく、
自分自身が主体的に考えて行動した経験であることがポイント。
自分ごととしての経験が、後の振り返り・概念化にも活きてきます。

 

・省察(振り返り)
何かしらの経験・体験をしたら、次は「振り返り」が重要です。
 気づきや学びのきっかけとなる経験の後は、
必ず「自分はこの経験から何を学んだか?」という振り返りを心がけましょう。
気づきや学びを深めるには、「具体的にはどういうことか?」と深める問いや、
「他に気づいたことはないか?」と広げる問いを立てるのが有効です。

 

【重要な「省察」】

この四つの要素の中でも注目したいのが、「省察」です。
日々の出来事や経験を振り返り、自分にとってのレッスンを引き出すことは、
人の持続的な成長に欠かせないことです。
そのためにも、自分と向き合い自己対話する時間を設けることが必要になりますし、
また他者からの問いかけやフィードバックがあれば、
多様な観点からの振り返りができ、視野の拡大につながることでしょう。

 

・「省察」(振り返り)がリーダーに特に必要な理由

省察(振り返り)は、組織を率いるリーダーにとっては、とりわけ重要です。
昨今の上司は、部下に対して高い要求をすることもないし、
言うべきことがあってもソフトな言い方で取り繕うなど、
優しいリーダーシップを発揮する方が多いようです。

なぜ、部下に対して厳しく毅然とした態度を取れないのでしょうか。
それは、リーダーとしての持論が充分に練られていないことが原因と思われます。

リーダーに求められる持論とは、
「我々の組織の使命は何か」
「事業を通じて誰にどのような価値を提供しているのか」
「なぜ、事業を発展させなければいけないのか」といった仕事観から、
「人はどうすれば成長するのか」
「どのような生き方をすることが幸せなのか」という人生観に至るまで、広範囲に及びます。

リーダーがこのような持論をもてば、
「何が正しいか」「何をするべきか」という判断の基軸が明らかになりますし、
行動することへの勇気も出てきて、厳しいリーダーシップを発揮できるようになるでしょう。

 

【ELC体験を進めるために】

学校及び企業において、リーダーとなる人材の育成は不可欠です。
実際に体験学習を行うに当たって、必ず必要なのがファシリテーター(司会・進行役)の存在です。
組織の課題点を見出し、具体的にどの体験を用いてどのように解決していくのか、しっかりと見極める必要があります。
無作為に体験学習を行なっても効果的ではありません。
むしろ逆効果になり組織が崩れる可能性もあります。

弊社NEQLIASでは、数多くの学校様や企業様に対し研修を行なっております。

優秀なファシリテーターを在籍させておりますので、
課題点や解決策を模索されている方がいらっしゃいましたら、お気軽にお問合せくださいませ。



コラム2022年10月7日

PDCAの成り立ち

略語が1人歩きし「改善は継続が大事。がんばろう」で終わっていることが多い「PDCAサイクル」ですが、
デミング博士によって1950年に日本に輸入され、サンプリングと分布という統計的なアプローチと、
品質管理の概念は日本の産業に大きく影響を与えたものです。
今一度、PDCAとは何か、一緒に見ていきましょう。

この記事の監修者
株式会社NEQLIAS
コラム編集部

 

【PDCAサイクルの歴史】

PDCAは、「Plan-Do-Check-Actの反復のこと」と、
略語を知っているだけで分かったつもりになりがちです。
このPDCAとは一体何なのでしょうか?
きめ細かさやコツコツと積み重ねる姿勢、優秀な現場、
飽くなき改善魂を持つ日本人にとっては、「PDCAなんて当たり前」かもしれませんが、
日本のQCサークルはUSで発達した統計的な品質管理の考え方に影響を受けているという歴史的経緯は、
あまり知られていません。
PDCAサイクルは、USの統計学者ウィリアム・エドワーズ・デミング博士(1990~1993)によって提唱され、
普及しました(そのためにPDCAサイクルはデミング・サイクルとも呼ばれています)。

デミング博士が参考にしたのは、1925~1926年にともに働いたウォルター・シューハート博士(1891~1967)による統計的品質管理です。
当時の製造業における品質管理は、製造された製品の品質をすべて検査し、
基準を満たさない製品を排除するという破壊的なプロセスが一般的でした。

一方、シューハート博士は品質のバラツキに影響を与える要因を管理できない「特殊要因」と、
管理できる「一般要因」に分け、「一般要因」を好ましい状態に制御することで、
品質の統計的な分布を一定の許容範囲内に収めるという考え方を提唱しました。
これによって、不良品の発生を防止しつつ、品質の維持が可能になります。
トヨタ流にいうと、「工程において品質を作り込む」という考え方です。

このシューハートの考え方に影響を受けたデミング博士は戦後の1947年に、
国勢調査の準備のためにGHQによって日本に派遣されました。
それがきっかけとなり、1950年に再来日。経営者や管理者向けの「品質の統計的管理8日間コース」を皮切りに
2カ月間で数々の講義を開催しました。この講義シリーズには主要な製造業のトップが参加し、
その後の日本におけるQCサークル活動の源流となりました。
日本の製造業が高い品質を武器に大きく成長していったのは広く知られている通りです。
博士はこの時の講演料や速記録の印税の受け取りを辞退したため、それを原資としてデミング賞が創設されました。

【PDCAの概要】

まずPDCAは以下4つの単語の頭文字をつなげたものとなります。

PLAN  (計画)   目標の設定と目標達成のための計画の立案

DO  (実行)     計画に対するタスクの洗い出しとタスク遂行

CHECK (評価)    実行後の結果検証。結果によって軌道修正プランの構築

ACT  (改善)      軌道修正後のプラン実行

PDCAサイクルは、これら4つのステップを順番に行っていくことにより、
自身や組織としての成果を効率的に上げるようにするための、フレームワークとなります。
PDCAを繰り返し行うことで、個人、組織としての生産性の向上を目的としているのです。

・PLAN (計画)

まずは、PLAN・計画です。
しかしいきなり計画を立てることはできず、その前に「目標」を立てる必要があります。
まずは達成するべき目標をまず定めましょう。
「今はどうなっているのか」現状を確認し、目標と現状のギャップを埋める方法が「計画」となります。

例えば英語のテスト勉強の計画を立てることを考えます。
目標とするべき点数に対して、自分の今の点数(前のテストの点数でも良いです)を考え、
その乖離に対して何を勉強するべきなのか「計画」を立てることになります。
英単語なのか、文法なのか、長文読解なのか、どの項目を重点的に勉強していくのか定めるのが計画です。

そしてここで重要なのが、計画がうまくいっているのか確認できる指標、
KPI (Key Performance Indicator )を設定することです。
計画が立てたが、進捗を確認できず時間ばかり経ってしまうということが起きてしまいます。
そしていつまでにKPIをどうするのか期日も定めることも大切です。

・DO (実行)

2番目にDo・実行です。
ここでは「Plan(計画)」で設計・立案した目標やプランをもとに、
実際の行動を遂行していく段階になります。
具体的には、目標を達成するために必要なタスクを洗い出し、
誰が・いつ実行するのか詳細なスケジュールを立てその通り実行しましょう。
組織で実行する際には、誰が責任を持つのか合意を取りながら進めていくことが重要です。

・CHECK (評価)

3番目にCheck・評価です。
Check(評価)では、設計した目標や計画に対して、
どの程度実行できているかを評価するステップになります。

DO(実行)した結果、PLANで策定したKPI指標がどうなっているか評価します。
評価し、順調であればより良く進めていけないか確認し、
評価が悪ければ何が悪かったのか問題を特定をする必要があります。

他の勉強を優先してしまったことや学習方法がわからなかったことなど、
さらに深い要因が出てきます。これに対して対策するべき点・しない点を考えることで、
次回の実行につながっていくのです。

・ACT (改善)

最後に、ACT・改善です。
ここではCHECKで要因分析した結果、「どう対策を打つべきか」を改善案考えます。
最初の計画に対して、良いところは継続し、直すべき点は修正し、やめるべき点は中止させることを検討します。

その際には、改善すべき優先順位を確定し、
時間やお金などの制約も考慮し改善案を決めていくことが重要となります。
そしてその改善案を踏まえ計画を遂行していくことになります。

 

【まとめ】

普段から使われているPD CAサイクルでも、その背景や歴史から知ることで、
より効果的に実践へと繋げていくことができるのではないでしょうか。
言葉としてサイクルを回していたとしても、効果が出ないと勿体無いです。
しっかりと実践できるように取り組みましょう。

株式会社NEQLIASでは、企業様の研修において、効果的なPDCAサイクルの回し方から、
企業研修を行なっております。
優秀なファシリテーターが在籍しておりますので、効果的な振り返りも可能です。
現状、PDCAサイクルを行なっている社員様において、
効果があまり出ていないと感じている方がもしいらっしゃれば、お気軽にお問合せください。



お知らせ2022年10月6日

アドベンチャー体験隊 実施のお知らせ

弊社、株式会社NEQLIASがサポートしております、

人財育成塾「Zest for life」主催のデイキャンプ”アドベンチャーたいけん隊”を実施致します!

詳細につきましては、添付しておりますチラシをご確認下さい!

アドベンチャーたいけん隊Zest fo life チラシ

コラム2022年10月1日

ELC (経験学習サイクル)とPDCAの違い

経験学習の話になると、「PDCA」と混同している方をよく見かけます。
この経験学習サイクルとPDCAサイクルには大きな違いがあります。
今回はこの違いの部分を確認していきましょう。

この記事の監修者
株式会社NEQLIAS
コラム編集部

 

【結論、経験学習サイクルとPDCAサイクルは何が違うのか】

経験学習サイクルとPDCAサイクルは、どこが違うのですか?
このようなご質問をいただくことがあります。
特に、企業様へ研修をさせていただいた際に多いです。

 

  • PDCAは、計画実行点検・評価処置・改善というサイクルです。

  1.Plan(計画):従来の実績や将来の予測などをもとにして業務計画を作成する

  2.Do(実施・実行):計画に沿って業務を行う

  3.Check(点検・評価):業務の実施が計画に沿っているかどうかを確認する

  4.Act(処置・改善):実施が計画に沿っていない部分を調べて処置をする

 

  • 経験学習サイクルは

  具体的経験 ⇒ 省察的観察 ⇒ 抽象的概念化 ⇒ 実践的試み

なので、確かに似ているようにも思いますが、どこかが違います。

 

そもそもPDCAサイクルは、業務活動のマネジメント、つまり業務効率アップのためのサイクルです。
それに比べて、経験学習サイクルは経験からの学習による積み重ねるサイクルなので、
前者が「活動プロセス」で後者は「思考プロセス」となります。

 

【経験学習サイクルの思考プロセス】

経験学習サイクルは4つのプロセスから構成されています。
「経験振り返り概念化実践」を繰り返しおこなうことで、
経験を自分のものにして次のステップへと活かせるのです。
また、具体的な振り返りを実施して深く掘り下げていくため、
ミスを予見して失敗やトラブルを回避できる力が備わります。

1.まずは経験

経験学習サイクルでは、まずは経験がなければ始まりません。
ここでいう「経験」とは、人から教えてもらった内容や、
資料から得た知識のような間接的なものではありません。
自分で「体験」したことを指します。
例えば、
「社長の前でプレゼンをした」
「営業で契約を取れなかった(取れた)」といった
具体的で直接的な経験です。

 また、経験においての目標を設定することも重要です。
目標を設定する際は、現在のレベルや経験値よりも少し上、
達成には少し難しいと思われるくらいが望ましいでしょう。
容易に達成できる目標設定だと、得られる気づきが少なく浅いためです。
一方、目標設定を高くしすぎると、やる気を削がれてしまうだけでなく、
自信喪失にもつながってしまいます。経験学習サイクルを実践する社員、
もしくは自分自身にとって「頑張ればできそう」くらいの目標を設定するのがベストです。
性格や考え方なども見ながら、どんな経験を用意して目標を設定するかを考えましょう。

 

2.経験に対する振り返り

直接的な経験を経たあとは、経験に対する「振り返り」をおこないます。
経験学習サイクルにおいての振り返りは、最も重要であり欠かせないプロセスです。
「振り返り」というと抽象的に感じてしまいますが、
つまりは「なぜその結果になったか」を徹底的に深く掘り下げていく作業です。

振り返りにおいて大切なことは、「いろんな角度から考える」ことです。
経験で得た結果を客観的、俯瞰的に見ることで
これまで気づかなかったところを発見できます。
ひとつひとつに自問自答しながら深掘りして、
その結果に至った要因や背景を考えましょう。
また、振り返りで注意したいのが「成功経験」です。
失敗に至った経験は日頃から振り返りを実施することは多いものの、
成功した経験は振り返りが疎かになります。
失敗だけでなく、成功した経験も深く振り返り作業をおこなうことで、
次の経験でさらによい結果に期待できるでしょう。

また、人によっては、自分の体験を客観的に見ることが苦手な場合もあります。
その場合は、第三者からフィードバックをもらうのが効果的です。
「どうしてこの提案をしたんだろう?」
「お客様は何を求めていたんだと思う?」
というように、具体的に考えられるようなフィードバックをもらえるのが理想的です。
誘導してあげるとよりよい振り返りができます。

 

3.振り返りを経た概念化

「概念化」と聞くと、難しく複雑なことのように感じられます。
国語辞典によると「概念」とは、
「ある事物の概括的で大まかな意味内容」となっています。

経験学習サイクルでいう概念化とは、
「経験し、振り返った内容を大まかにまとめて他の経験に活かせるようにすること」です。
気づきを得ながら物事の本質を捉えることで、
「この気づきは別の事例(経験)にも共通するのでは」という点を見つけていきます。

 1つの経験から教訓を見出し、他者に伝えられるレベルまで概念化できるとベストです。
また、同じような経験をもとに振り返りと概念化を繰り返すことで、
自身の経験則になります。そうすることで、さらに先のトラブルや失敗を予見できるようになります。

 

4.実践へ

振り返りや概念化で得た気づき、教訓をもとに「実践」をします。
振り返りや概念化でとどまってしまっては、実力として身につかず、
自身の成長につながりません。これまでのプロセスで見出した気づきや教訓、
予測が正しいものであるかどうかを実践を通して確認します。

 もちろん、立てた予測すべてが正しく成功するものではないでしょう。

しかし、その一部は通用するものかもしれません。
再度経験を通して「実践」することで、また新たな気づきを得ることができます。
それにより、さらに深い振り返りをおこない、
以前より精度の高い予測を立てられるようになります。

 経験・振り返り・概念化・実践、4つのプロセスをひとつひとつ繰り返すことが大きな成長へとつながります。

 

【より良い経験学習サイクルを行うために】

弊社、株式会社NEQLIASでは、学校研修や企業研修を行なっております。

優秀なファシリテーターを在籍させておりますので、お任せ下さい。

各個人やグループ、各企業様に合わせた研修をオリジナルで組み上げることで、

用意された研修プランよりも高い効果を発揮します。

特にポイントとなる「フィードバック」に関しても、質の良いフィードバックで

クライアント様より高評価をいただいております。

学校研修や企業研修などをご検討の際は、
ぜひ株式会社NEQLIASまでお気軽にお問い合わせ下さいませ。

コラム2022年9月26日

体験から学ぶ②

前回、記述しております「体験から学ぶ①」より、

より体験学習について知って頂きたいと思い、
今回は「体験学習サイクル」について
ご説明させていただきます。

 

この記事の監修者
株式会社NEQLIAS
コラム編集部

 

【経験学習(体験学習)サイクルとは】

経験学習サイクルとは、
コルブ(D.A Kolb)によって提唱された、
経験学習理論をもとに、
経験から学びを得るプロセスを理論化したものです。

人が経験を通して学習するプロセスには、
次の4つの要素があります。

1)具体的経験(日々の仕事に取り組む中での具体的な経験を重ねること)

2)省察(自分の経験を多様な観点から振り返って気づきを引き出すこと)

3)概念化(自分なりの『自論』を形成すること)


4)試行(自論を新しい状況下で実践してみること)

コルブの主張によれば、
これら四つの要素を順に辿りながら、
かつ1→2→3→4→1→2→ …
というように、継続的にサイクルを
回していくことで、人は成長することができるというモデルです。

「経験学習モデル」で重要な「省察」

この四つの要素の中でも注目したいのが、「省察」です。日々の出来事や経験を振り返り、自分にとってのレッスンを引き出すことは、人の持続的な成長に欠かせないことです。
そのためにも、自分と向き合い自己対話する時間を設けることが必要になりますし、また他者からの問いかけやフィードバックがあれば、多様な観点からの振り返りができ、視野の拡大につながることでしょう。

「省察」がリーダーに特に必要な理由

「省察」は、組織を率いるリーダーにとっては、とりわけ重要です。
昨今の上司は、部下に対して高い要求をすることもないし、言うべきことがあってもソフトな言い方で取り繕うなど、優しいリーダーシップを発揮する方が多いようです。
なぜ、部下に対して厳しく毅然とした態度を取れないのでしょうか。
それは、リーダーとしての持論が充分に練られていないことが原因と思われます。

リーダーに求められる持論とは、
「我々の組織の使命は何か」
「事業を通じて誰にどのような価値を提供しているのか」
「なぜ、事業を発展させなければいけないのか」
といった仕事観から、
「人はどうすれば成長するのか」
「どのような生き方をすることが幸せなのか」
という人生観に至るまで、広範囲に及びます。

リーダーがこのような持論をもてば、
「何が正しいか」「何をするべきか」という判断の基軸が明らかになり、
行動することへの勇気も出てきて、厳しいリーダーシップを発揮できるようになるきっかけとなります。

「経験学習モデル」を実践するには?

私たちは日々、さまざまな経験を重ね、たくさんの知識・情報にふれています。
しかし、それらが自分の内側に取り込まれることは少なく、
右から左へ流れてしまうことが多いのではないでしょうか。

先述の「経験学習モデル」では、
経験を省察する(≒振り返る)ことで、さまざまな気づきが得られ、
持論形成が促進するとされています。また、松下幸之助が長年実践していた
自己観照(じこかんしょう)も、省察に近い行為と言えます。

このように、心理学の分野で導き出された理論も、経営者が実践を通じて紡ぎ出した実践知も、同じように振り返りの重要性を指摘しています。したがって、組織を預かるリーダーの方がたには、忙しい日々の中であっても振りかえりの時間を確保していただきたいものです。

  • 今日一日、何があったか
  • 自分のあり方はどうであったか
  • 今日の学び、気づきは何か
  • 明日に向けて、自分はどうあるべきか

こうした地道な取り組みによって持論が形成・強化されると、言うべきことを言える毅然としたリーダーシップを発揮できるようになります。そのことが、今日とは違う明日を迎えることになり、「日に新た」な自分へと向上する、そして成果を生み出す組織をつくる第一歩となるでしょう。


弊社NEQLIASでは、総合学習(体験学習)を通じて学校や企業への研修に取り組んでおります。

優秀なファシリテーターが在籍しておりますので、総合学習(体験学習)をご希望の方や、この体験から何が得れるのか、何が変わるのかと気になった方は、お気軽にお問合せください。

 

コラム2022年9月20日

体験から学ぶ①

小学生の頃に体験活動や読書、手伝いを多くすると、その後の成長に良い影響が見られる――。

文部科学省がこういった調査について,
結果を公表しております。

この記事の監修者
株式会社NEQLIAS
コラム編集部

 

2001年生まれの子どもたち、またその保護者を
約18年間追跡し、分析した結果です。

以下のようなものが体験学習と呼ばれております。

・農業体験、職業体験、ボランティアなど社会体験

・キャンプ、登山、川遊び、
ウインタースポーツなど自然体験

・動植物園/博物館/美術館見学、
音楽/演劇鑑賞、スポーツ観戦など文化的体験

このような体験を多く積んだ子どもたちが高校生になると、自分に対して肯定的であったり、
自己満足しているといった自尊感情が高くなります。

また、体験活動をよくしていると、家庭の経済状況に関わらず良い影響を与えるとも言われています。

さらに、子どものころに多くの本を読んでいるほど、新しいことに興味を持ったり、
感情調整が上手だったりと、将来に対して前向きだったりという割合が高くなります。

子どものころに手伝いをよくすると、
自尊感情や外向性、精神的な回復力などで、
良い影響が見られます。

年齢の異なる人や家族以外の大人など、
多様な相手と遊ぶ機会が多いのも、
後の成長に良い影響を与えると言われております。

調査概要は文部科学省のHPに掲載されているので、
お子さんがいる方は一度ご覧になってみて下さい。

 

[ニューノーマル時代のコミュニケーション]

・ニューノーマル時代とは

ニューノーマル(New Normal)を直訳すると
「新しい日常」です。

考えてもなかったことが、知らず知らずのうちに
当たり前になってしまう現象を指します。

 

この言葉は2000年代初めにITバブル崩壊した際、
米国で登場したと言われています。

リーマン・ショック(2008年)の後にも使われており、今回のコロナを含め、
世界的な景気悪化を招く出来事と関係が深いです。

重要なのは「変化の前には戻らない」という
ニュアンスを含んでいることです。

リーマン・ショックの後、
GAFAが台頭し、スマホが普及しました。

SNSやネット通販が手軽になる一方、
店舗での対面販売を重視してきた家電やアパレルなどの小売業は、顧客離れに直面しています。

最近の「ニューノーマル」の使われ方には、
変化に対応できない人は時代に取り残されてしまう、
という警告の意を含んでいます。

 

・ニューノーマル時代のコミュニケーション

SNSやチャットでのやり取りは、
発言者の何気ないひと言で、
意図せず相手を傷つけてしまうことがあります。

匿名および顔もわからないからこそ、
自由な発言をしてしまう。

SNSやネット上だからこそ、
人には言えない自身の想いを打ち明けることができる。

以前テレビやネットでも話題にもなりました誹謗中傷による自殺がありました。
意図せず発言した内容が、数の暴力となり相手の命を落とすところまで至ってしまうことも…。

近年のITの進化は目覚ましく、
今後も更に発達していくことは間違いないと言えます。

このような時代の中で、どう子どもたちに「伝えてあげる」ことで、
このニューノーマル時代でもコミュニケーションが、
取れるようになるのかを考えることが重要です。

 

弊社、株式会社NEQLIASでは
様々な体験学習のアクティビティを用いて、

これまでも多くの学校や企業と連携をし、
体験学習を取り組んでおります。

我々の考える体験活動は,自分自身との対話,実社会との関わり等を考える契機となります。
自然の中で,これまで触れたことのない物に触れながら,その存在を認める経験を積むことで,
大人になり思いどおりにならない状況に直面した際、
状況に応じた対応ができる力が身に付くと期待しております。

人間関係をうまく作れない
規範意識が欠けている
ささいなことでも感情を抑えられないなど、
子どもたちが抱える様々な課題解決への一つのアプローチとして、体験活動は有効とされています。
楽しみながら様々な世界の入り口を見せることができる体験活動や、
学校から離れた自然の中で人や自然とつながる経験などを通じて,
日常の生活を客観的に見つめ直すことができます。
子どもたちの状況と発達段階を慎重に見極めた上で,こうした教育の機会を提供することにより,
基本的なコミュニケーション能力や生活習慣を身に付け,子どもの社会性や「思いやり」など豊かな人間性を育み,人間関係形成力を育成することが重要です。

 

[体験学習における注意点]
ファシリテーター(学習促進者)の力量によって結果や効果が大きく変わります。
また、ニーズに合わせたアクティビティができないと効果を発揮しません。
しっかりと見極めることのできるファシリテーターを招いて体験学習をすることをお勧めいたします。
弊社、株式会社NEQLIASでは関西圏において、優秀なファシリテーターを在籍させております。
ぜひ、体験学習にご興味がありましたら、お気軽にお問い合わせください。