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令和の日本型学校教育
国が「令和の日本型学校教育」を推進していることはご存知の方も多いのでは無いでしょうか。
ですが、今までと何がどう違うのかよくわからない人もいると思います。
そこで社会的背景や課題、主な新しい動きなどをわかりやすく紹介したいと思います。
国が目指す教育を知り、子育てに生かしましょう。
【令和の日本型学校教育とは?】
「令和の日本型学校教育」とは、
(1)学校教育の質と多様性、包摂性を高めることによる教育の機会均等の実現
(2)チームとしての学校マネジメントの実現
(3)ICTの適切な教育活用の実現
(4)学習経験と学習成果の統合的な学びの実現
(5)リスクを乗り越えた学びの保証
(6)持続的で魅力ある学校教育の実現
の6つの方向性を柱として、全ての子供たちの可能性を引き出す
個別最適な学びと協働的な学びの実現を果たそうというものです。
【令和の日本型学校教育が望まれる社会背景】
令和の日本型学校教育が望まれている理由は、時代の流れや社会背景と密接な関係があります。
国がなぜ新しい教育を推し進めているのか見ていきましょう。
・「Society5.0」の到来
今後、これまでの情報社会が発展した「Society5.0」の時代が到来することが見込まれています。人工知能(AI)・ビッグデータ・Internet of Things(IoT)・ロボティクスなどの先端技術がさらに高度化し、社会生活やさまざまな産業が劇的に変わると考えられているのです。
同時に、新型コロナウイルス感染症の拡大をきっかけにテレワークや遠隔診療など、オンライン化やデジタル化も進んでいます。それに伴い、オンライン教育が注目を集めるなど、学校教育も変わりつつあります。
社会全体のオンライン化・デジタル化の必要性が高まるなか、ICTの活用は学校教育を支える基盤的なツールとして必要不可欠とされています。
・予測困難な時代へ
以前から社会の変化が速く予測困難な時代といわれてきましたが、近年の新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により、予測困難であることが現実味を帯びました。先行きが不透明ななかで、今後の社会状況の変化を見据え、どのように対処していくかが問われているのです。
予測困難な時代だからこそ、目の前の状況から解決しなければならない課題を見つけ、自分で考え、さまざまな立場の人が議論しながら満足のいく解決策を見出す資質や能力が求められています。
その資質や能力を身に付けるために、新しい時代に対応する教育が必要とされているのです。
・子どもたちが育むべき資質や能力の育成
Society5.0や予測困難な時代を生き抜くために、必要な資質や能力の育成が求められていることも、新しい教育が望まれている理由です。
具体的には、自分のよい面や可能性を認識できる・他者を尊重できる・多様な人と協動できる・豊かな人生を切り開ける・持続可能な社会を創れるような人物になるといった資質や能力などが挙げられるでしょう。
そのほかにも、文章の意味を正しく理解する読解力や対面のコミュニケーションで人間関係を築く力、物事を成し遂げる力などの重要性も指摘されています。国際的には、自ら率先して目標を設定し、責任のある行動を取れる能力を育むことが大切だと考えられています。
【2020年代を通じて実現すべき「令和の日本型学校教育」の姿】
・個別最適な学び
これまでも「個に応じた指導」が重視されてきましたが、令和の日本型学校教育ではSociety5.0や予測困難な時代を生き抜くために、一人ひとりの資質や能力を高めることが重要と考えられています。そのため、生徒それぞれに応じた「個別最適な学び」をより重視する必要があるとされています。
個別最適な学びとは、基礎的な知識や技能をしっかり身に付けさせるために、生徒の学習進度や関心を踏まえた上で指導方法や教材を変えたり、個別学習やグループ別学習を取り入れたりする「指導の個別化」を充実させた学びです。
生徒それぞれに応じた学習課題に取り組む機会を提供するなど、「学習の個性化」を充実させていくことも含まれています。
・協動的な学び
個別最適な学びによって生徒が孤立してしまうことを避けるために、「協動的な学び」を充実させることも重要だと考えられています。
例えば、体験学習などを通じて生徒同士や地域の人々など多様な人と協動しながら学んでいくことなどです。異なる学校や学年の生徒と交流する機会や、ともに学ぶ機会を設けることも該当します。
また、集団のなかで個性が埋もれてしまわないように、生徒それぞれの可能性や長所を生かし、より充実した学びにつなげることも重視されています。
【まとめ】
上記で説明してきたことをまとめると「令和の日本型学校教育」は、
<日本型学校教育+新しい動き⇒令和の日本型学校教育>という形で表現することができます。
また、全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現を目指していくというのが「令和の日本型学校教育」といえるでしょう。
今回ご紹介してきた「令和の日本型学校教育」の概要を知ることで学校教育だけではなく、様々な教育に携わる方々がこれからの教育の在り方について考える際の一つのヒントになるのではないでしょうか。
弊社、株式会社NEQLIASではこの「令和の日本型学校教育」を取り入れるための研修プログラムを行なっております。
優秀なファシリテーターが在籍しておりますので、ご興味がございましたらお気軽にお問合せください。
リフレクションの力 ~振り返る力をつける大切さ~
昨今、「リフレクション」という手法が人材育成の分野において注目を集めています。
リフレクションは、経済産業省のHPの「社会人基礎力」の項を見る限りでは「振り返り」と訳されています。
“能力を発揮するにあたって、自己を認識してリフレクション(振り返り)しながら、目的、学び、統合のバランスを図ることが、自らキャリアを切りひらいていく上で必要”
参照:経済産業省 社会人基礎力 https://www.meti.go.jp/policy/kisoryoku/index.html
【リフレクションとは】
リフレクション(内省)とは、一言でいうと「自分自身の行動や状態を客観的に振り返ること」です。
具体的には、日常の仕事の進め方や考え方などについて、失敗したこと・成功したことを含めフラットに振り返り、今後同じような事態に直面した時にどのように対応していくかについて未来志向で考えていきます。
リフレクションは、社員の自律性の促進や組織としての生産性向上を目的として、人材育成の分野でも注目されています。
・反省との違い
リフレクション(内省)と似た言葉で「反省」がありますが、意味合いは少し異なります。
反省は、自分の失敗や誤りに焦点を当て、「なぜそうなってしまったのか」とその理由や原因を分析し、正していくことを目的としています。
一方、リフレクションは、失敗や誤りのみならず、自分がとった行動や考え方に対して、良い面も悪い面も含めてフラットに見つめ直し、そこから新たな気づきを得て、次の行動へ活かしていくことを目的としています。
【リフレクションで得られる成果】
「経験からの学びの質を高める」リフレクションですが、人材育成に導入することで、どのような成果が期待できるのでしょうか。
大きく次の2つが挙げられます。
・人材の強みを引き出す
・組織のラーニング力が高まる
それぞれ、詳しく解説しましょう。
・人材の強みを引き出す
リフレクションには、人材の強みを引き出す効果があります。
それは、悪いところを改善するために振り返る「反省」とは異なり、ポジティブな面も振り返るからです。
具体的には、失敗体験を振り返るのと同じように成功体験も振り返り、そこから「自分の強みは何か?」という学びを引き出します。
強みを引き出すことは、人材育成の中で最も重要といっても過言ではありません。それを促すのがリフレクションなのです。
・組織のラーニング力が高まる
リフレクションが企業文化として定着すると、組織にラーニング力(学ぶ力)が高まります。
常に経験から学びを習得し続ける仕組みが習慣化するからです。
例えば、「PDCAサイクル」という言葉があります。「Plan(計画)」→「Do(実行)」まではできても「C(評価)」で止まってしまうという声は、よく聞かれるものです。
リフレクションは、この「C(評価)」のステップを、自ら行うスキルと言い換えることもできます。組織の学習力が高まりますから、自ずと施策の成功率は上昇し、組織としての生産性は向上していくでしょう。
【リフレクションを効果的にする3つのポイント】
効果的なリフレクションをするためには、3つのポイントを押さえることが重要です。
Point.1 主体性と客観性
リフレクションを効果的にするためには「主体性」と「客観性」が重要です。
まず、リフレクションは自分の成長につなげるために主体的に取り組まないと効果があがりません。
何のためにリフレクションをするのか、しっかりと説明して意味付けしましょう。
また、リフレクションに大事なのは客観性です。起こった事実、自分の言動、また、自分の内側で起こった感情や思考を客観的に振り返ることが大事です。「メタ認知」とも言われる技術です。導入時は、上司やファシリテーター、またはフォーマットなどでメタ認知を引き出すための適切な問いを提供してあげることが効果的なリフレクションにつながります。
Point.2 経験学習モデル
効果的なリフレクションを行なううえでは、コルブの経験学習モデルを知っておくとよいでしょう。
コルブの経験学習モデルは、自分の経験を学びへとつなげるプロセスを分かりやすく説明したモデルです。
経験 :具体的な体験をする
省察 :体験の内容を振り返る(気付きを得る)
概念化 :次の機会に活かせるように概念化/抽象化する(学びに変える)
試行 :実際に試してみる
こちらは以前コラムにも書いておりますので、こちらをご覧ください。
https://neqlias.net/elc①体験と振り返り/
Point.3 感情や価値観への踏み込み
効果的なリフレクションを行なうためには、起こった事実や自分の言動だけでなく、
自分の内面や価値観まで踏み込むことが大切です。
例えば、「サポート対応の電話が一方的だ」とお客様から指摘を受けた、という「体験」があったとします。リフレクションをするうえでは、まずは「何があったのか?」「自分はどのような言動をしていたのか?」、事実を振り返ります。
すると、「お客様との会話より自分が一方的に説明している時間が長かった」、「求められていない話まで一気に喋ってしまった」といった事実や自分の言動が見つかります。そこからもう一段、「なぜこうした対応をしたのだろうか?」と言動した自分の感情や価値観といった内面に踏み込みます。
踏み込むことで、自分の感情や価値観が見つかるかもしれません。
感情や価値観に踏み込むことで、「ここから何が学べるだろうか?」「どのような気付きがあるだろうか?」と考えたとき、より深い気付きに繋がります。
最後に、気付きを次に生かせる思考や言動の仮説(概念化)としてまとめます。
自分の内面に踏み込んだことで、仮説を実行するときに生じる感情、例えば、「怒ってるな…あまり喋りたくない」という気持ちを自覚(メタ認知)して、理性で「私に怒っているわけじゃないので、まずは状況理解に徹しよう」とセルフコントロールしやすくなります。
【まとめ】
「この人素敵なリーダーだな」と感じる人は、ほぼ100%リフレクションを習慣としています。
他人を変えることはできませんが、自分は変えていくことができます。
今までリフレクションをあまり意識したことがないという人は、習慣化するだけでも自己成長できるモードに入っていきます。
弊社、株式会社NEQLIASでは、優秀なファシリテーターが在籍しており、リフレクションを取り入れるための研修プログラムを行なっております。
ご興味がございましたらお気軽にお問い合わせください。
リスキリングとリカレント教育の違い
近年、DX時代に適応する人材を育てるための手法として、リスキリングが注目されています。
「リスキリングのメリットって何?」「どのように実施すればよいの?」といった、
疑問を抱えている人事・管理担当の方も多いのではないでしょうか。
リスキリングについての知識が整理できれば、自社の課題に合った適切な実施が可能になると思います。
そこで今回の記事では、リスキリングの意味やメリット、導入する手順、効果的に実施するためのポイントなどを幅広く記載したいと思います。
【リスキリングとは?】
リスキリングは、職場における能力の再開発を指す単語です。
DX時代の到来が叫ばれている昨今、リスキリングは企業にとって欠かせないものとなっています。
・経済産業省によるリスキリングの定義
“新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること”
海外では既に浸透しつつある概念ではありますが、近年では日本国内でも注目されるようになり、政府も推進を呼びかけています。
【リカレント教育とは?】
現在の会社を休職もしくは退職してから、大学やビジネススクールなどの教育機関に通って勉強するなどのケースがリカレントです。
さらに、教育機関で新しいスキルを身につけたあとには、
一時的に休職していた会社に戻ったり、新しい会社に入ったりして働きます。
リカレント教育は、基本的に従業員が自分の意思でスキルを身につける学習を行うものですが、
リスキリングは会社が主導して従業員に行う教育でもあります。
【リスキリングとリカレント教育の違い】
リスキリングは「企業が戦略的に人材育成をおこなう」ことです。
リスキリングは、企業が事業戦略に合わせ、社員に新しいスキルや知識を身につけさせる人材教育のことをいいます。
これからの時代にイノベーション創出していくためには、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進が必須といわれています。
・経済産業省によるDX時代の人材政策
・リスキリング公的支援として、5年間で1兆円を投資(2022年10月3日 岸田内閣総理大臣による国会所信表明演説)
以上のように、国もリスキリングを重点施策に置き、人材育成の取り組みについて議論を重ねています。
DXに対応できる人材を育成するためにも、リスキリングによる社員の再教育は企業として検討すべき内容の1つといえるでしょう。
一方リカレント教育は、社会人が継続的かつ自主的にスキルアップをおこなうための学びのことをいいます。
少子高齢化が進む日本では、働く期間の長期化が想定されています。
どの時代でも活躍できる人材であり続けるには、社会人になってからも新しいスキルを習得する学び直しが必要といえるでしょう。
さらに、労働人口の減少により、人手不足に悩む企業も増加の傾向にあります。
社員がリカレント教育で自主的にスキルアップをおこなうことで、年齢を重ねても活躍できる人材として継続雇用しやすくなります。
リカレント教育についても、厚生労働省が中心となって政策に取り組んでおり、国を挙げて社会人の継続的なスキルアップを支援しています。
【リスキリングに取り組む企業事例】
・株式会社三菱UFJ銀行
株式会社三菱UFJ銀行では、リスキリングと外部の専門スキルを持った人材採用に取り組んでいます。この2つのうち、とくに力を入れているのが社内でのリスキリングです。
銀行のビジネスを理解している社員自身がデジタルを活用できるようになることを目的に、三菱UFJ銀行は全行員を対象にデジタルリテラシーの教育をおこなっているのだ。指定の外部資格を取得できれば行内称号を付与し、条件を満たした社員には3年間で最大90万円を支給するなど、リスキリングへのモチベーションをアップさせるように工夫しています。
また、コア人材を対象とした専門スキル教育もあわせて実施している。ビジネス・テクノロジー・デザインの3つのスキルを身に付けて、DXをけん引できる人材育成をおこなっているのが特徴です。
・株式会社サイバーエージェント
株式会社サイバーエージェントでは、エンジニアの採用や育成を目的として、社外の人を対象とするアカデミーを発足しています。アカデミーでは3ヶ月で特定領域の技術を習得できるようにカリキュラムを組んでおり、無料で受講可能だそうです。
エンジニアの採用市場が激化しており、母数が増えないままでニーズばかりが増していることに危機感を感じていたことから、アカデミーをスタートさせたと言われています。2012年にもアカデミーをおこなっており、それを履修してから入社したエンジニアが、現在では要職に就いて活躍しています。社内でのリスキリングはもちろんだが、社外でも取り組みをおこなうことで優秀な人材を手に入れたり、業界全体の底上げをはかったりしていくことができるのです。
社内でもリスキリングセンターを立ち上げ、エンジニアがキャリアアップやキャリアチェンジにつなげていけるように、高度な専門領域に至るまでサポートしているそうです。
【まとめ】
DXを始めとする様々なデジタル技術の革新により、企業には従業員に必要なスキルや知識を習得させる「リスキリング」の推進が求められています。
リスキリングを推進することで、採用コストの削減や業務効率化、従業員のキャリア形成など、企業側と従業員側の双方に様々なメリットが発生します。
DX推進にリスキリングを取り入れる場合、適切な計画を立てて手順通りに行うことが大切です。
弊社、株式会社NEQLIASでは、リスキリングにおいて必須条件と専門知識を持った優秀なファシリテーターが在籍しております。従業員が積極的に取り組める環境や仕組みを整備しながら、リスキリングを取り入れるのが大切です。
ご興味がございましたらお気軽にお問い合わせください。
成功体験は時に問題解決の障害になる
個人も組織も、学ぶことは大切ですが、もはや、それだけで十分ではありません。
ビジネスでも、スポーツでも、同じスキルや戦略が、そういつまでも通用はしません。
常に何かを学びなおさなければいけない時代になっています。
その時代のキーワードこそ、「アンラーン」です。
【アンラーンとは】
アンラーン(Unlearn)とは、「学習棄却」や「学びほぐし」などと訳されます。
一般的なラーン(Learn)は「学び」として新しい知識・思考・習慣などを得るなどインプットが重要視されます。
一方で、アンラーンは既に学んだ知識・思考・習慣などを見つめなおす(必要によっては手放す)ことを言います。
新しい環境に適応するために、過去の延長線上にない学びをするためのスペース作りとも言えます。
【思考のクセを取り除く「アンラーン」】
アンラーンは、学びやこれまでの経験を否定するものではありません。
新しい変化に対応するために、固定化してしまっている思考のクセを取り除き、ニュートラルな状態に戻すことを指します。
例えば、“ラーメン好きの人”は、新しいラーメン店ができたら気づくでしょうが、アパレルショップが開店しても気づかないかもしれません。
逆に、“ファッション好き”の人であれば、ラーメン店の存在を認識していないかもしれないです。これは興味のあるものしか見ていないという無意識のクセが原因と言えます。同様のことは学びの場面でも起こるのです。仮にリスキリングのために何かを学習しても、思考のクセが原因で新しい情報をうまく取り込めず、頭のなかを素通りしてしまうのです。そこで、できる限り思考のクセを取り除き、インプットの質を高めようというのが、『アンラーン』の本旨です。
【アンラーンのサイクル】
・脱学習
人はすでに知っていること、前にやったことのあること、結果が出たことにしがみつく傾向があると言われています。最初のステップでは、過去には役に立ったが、今や成功の障害になっている考え方や、身につけた行動様式を手放し、見直す必要があります。
そのためには、自分自身の信念や考え方や行動が、自分の可能性と現在のパフォーマンスを制限していることを、そして意識的にそこから離れるべきだと認める勇気、自己認識、謙虚さが必要です。
脱学習とは新しいアプローチを進んで試すことで、やる気、好奇心、脱学習が可能だと信じることが必要です。そのためには、実際に行動することが必要となります。
次の「必要な一連の条件」に取り組むことで、古いパターンや行動を脱学習することができるようになります。
・再学習
再学習は、新しい行動を試し、新しいデータや情報や視点を取り込む実験プロセスです。
新しいインプットをすべて考慮することで、世界をどう捉えているかというメンタルモデルを作り変え、並外れた成果を出せる考え方と行動を身につけるようになります。
効果的に再学習するためには、何を達成したいのか、どのようにしてそこまで辿り着きたいのかを明確にする必要があります。
そして、望む結果を特定し、それを数値化する必要があるのです。達成したい願望や結果がはっきりしたら、目標を達成するための正しい行動を見出し、そこまで行くための正しい道筋を決め、データを取ることによって本当に達成できたかどうかを判断できるようにすることも大切です。
・ブレークスルー
ブレークスルーは脱学習し、次いで再学習したことの結果を表します。
アンラーンのサイクルの脱学習と再学習のステップを経たことで得られる新しい情報であり、洞察とも言えます。この新しい情報や洞察は非常に強力で、考え方に影響を与え、変容させる力があります。新しいものの考え方の恩恵を受けて発想が変わり、もっと頻繁に行動の脱学習を受け入れるようになります。ブレークスルーによって、アンラーンが加速し続けていくようになるのです。
このステップでは、単純に、何がうまくいったか、何があまりうまくいかなかったか、もう一度同じ課題に取り組むとしたら、どのように違うやり方で脱学習を行うだろうか、と自問するだけで十分です。こうした情報や洞察をアンラーンのサイクルの将来のループに送り込んでやれば、より深い洞察が得られ、より大きな影響を受けて成長を果たすことができるでしょう。
アンラーンのサイクルの回数を重ねれば重ねるほど、実験をやればやるほど、より多くの情報や洞察が得られ、行動やマインドセットを効果的に適応させられるようになります。
【まとめ】
アンラーンも1つの成長のプロセスではありますが、けれども学習し蓄積していくことと、忘却しリセットするアンラーンは質的に違います。ですから学習し続けるという発想でいると、どうしても新しい環境で行き詰まってしまうのだと思います。
とくに今、世界は激しく変化しています。日本は30年前、世界のトップ争いをしていましたが、今は集団に置いていかれそうになっています。このままじゃいけないと思いながら、どうしていいか分からない。そんな状態に見えます。
我々は日本社会全体に強くアンラーンを勧めたいと思います。
アンラーンがほんとうに必要なのは、何かの学びを得ていて、それなりに成功体験を持っている人です。
弊社、株式会社NEQLIASには優秀なファシリテーターが在籍しております。
このアンラーンを軸とした研修プログラムを取り扱っており、皆様のご状況や課題に合わせてオーダーメイドでプログラムを作ることが可能です。
もしご興味がございましたらお気軽にお問い合わせください。
人間関係の落とし穴
「認知バイアス」という言葉をご存知でしょうか。
思考の偏りや思い込みによって非合理的な判断をしてしまう現象を、
心理学では「認知バイアス」と呼びます。
誰もが持っている思考の偏りや思い込みを表す「認知バイアス」。
この言葉を聞いたことはあっても、どういう意味か分からないという人もいるかもしれません。
今回は、認知バイアスの意味や具体的な事例・種類について解説します。
認知バイアスに支配されないための対策も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
【「認知バイアス」とは】
バイアス(bias)の意味は「偏り」
そもそもバイアス(bias)とは、先入観、偏見、また調査の回答に偏りを生じさせる要因を指す言葉です。
認知バイアスとは、思い込みや経験により非合理的な判断をすることを指す「心理学用語」です。
そして認知バイアスとは、自分の思い込みや周囲の環境、これまでの経験といった要因により、非合理的な判断をしてしまう心理現象です。
例えば、「良かれと思ってやった行動が、相手に迷惑をかけた」といった行動は、認知バイアスによって引き起こされていると言えます。
認知バイアスは日常にあふれています。その仕組みを理解することで仕事や人間関係を円滑にできるようになることでしょう。
【様々な認知バイアスについて】
認知心理学や社会心理学などでよく取り上げられている認知バイアスは数多く存在しています。
いくつかの認知バイアスについてご紹介いたします。
・バンドワゴン効果
大勢の人が選択している判断は、個人の判断よりも正確だと思い込んでしまうバイアスのことです。
例えば、インフルエンサーのマーケティングもその1つとされ、SNSにおいて多くの人がフォローしており、いいねのたくさんついた商品ほど良い商品と認識される傾向があります。
・虚記憶(虚偽記憶)
アメリカの認知心理学者エリザベス・ロフタス氏の研究では、
「実際には起こっていない経験」について話し合った被験者の25%にありもしない記憶が生まれたそう。
これは「虚記憶(虚偽記憶)」という認知バイアスです。
私たちは、経験していないことを、まるで経験したかのように思い出す可能性があるのだとか。
・透明性の錯覚
「透明性の錯覚」は、1998年にコーネル大学心理学教授のトーマス・ギロヴィッチ氏らにより報告されました。自分の感情や考えていることが、実際以上に他者に伝わっていると思う錯覚です。
「さっきのニュアンスで、私が何を言いたいかわかったはず」などと思い込み、確認もせず勝手に進めてばかりいると「困ったちゃん」の烙印を押されてしまいます。あなたの心のなかは、さほど理解されていないのです。ちゃんと説明しましょう。
・バラ色の回顧
「あーあ、昔はこの会社もよかったなぁ。あの頃に戻りたいなぁ」などと口にしてはいませんか?
人は過去を「バラ色の眼鏡をかけて」のぞき込み、美化してしまうのだとか。
これを「バラ色の回顧」と言うそう。
故郷を懐かしむだけならいいですが、仕事で「昔はよかった」ばかりでは進歩できません。なぜ過去がいいのか自問すれば、いまの問題点に気づけるかも。
・確証バイアス
自分にとって都合のいい情報ばかりが目に入り、都合の悪い情報が目に入りにくくなることを「確証バイアス」と言います。
自分が正しいことを裏づける情報ばかりを集め、反証する情報を無視して仕事を進めると、のちに指摘されたり失敗したりで、詰めの甘さが露呈してしまいます。
・内集団バイアス
「いろいろ検討しましたがA社に決めました」「そう言えば、A社の担当者は君と同じ大学だったね」――私たちには自分と同じ集団に属するメンバーの能力を、高く評価しがちな傾向があるのだとか。「内集団バイアス」あるいは「内集団びいき」と言ったりもします。
・後知恵バイアス
問題が起きた後に「そうなると思った」「だから言ったのに」とよく言っている人を見たことはないでしょうか。このような人の心理には「後知恵バイアス」がかかっている可能性があります。
結果が出た後に「そうなることは予想していました」と、最初から結果を知っていたかのように、結果と自分の考え、意見を一致させようとすることを後知恵バイアスと言います。
【認知バイアスの対策法】
認知バイアスの要因は自分が正しい、優位でありたい、願望を通したい、と思ってしまうことがほとんどです。
そのせいで、良い選択や出会いを逃してしまうことはもったいないのではないでしょうか。
大切な選択が迫ったときに、認知バイアスに支配されることを防ぐためにも、
下記の内容を覚えておいて下さい。
・違った視点に立って考える
何かを選択するとき、A案が良いと思っても一度立ち止まってみることをおすすめします。少数派の人の意見を聞いてみる、他の可能性は考えられないかといった視点に立って考えてみると、より良い選択ができるかもしれません。
・一つの情報に流されない
自分に都合の良い情報しか取り入れなかったり、みんなが賛同するものを正しいと思ったりせずに、多くの情報を集めた上で判断をしましょう。一つだけの情報に惑わされることなく、自分にとって本当に必要な情報が得ることができます。
【まとめ】
認知バイアスは日常に溢れています。
まずは、自分自身の中に今までの経験をもとにした偏った先入観、思い込みがあると自覚することが、認知バイアスに陥らないための大切なポイントです。
特に重要な判断については、自分の考え方だけに固執せず、他の人の意見を聞いてみたり、数値データを集めてみたりして客観的に考えるようにしてみてはいかがでしょうか。
弊社、株式会社NEQLIASでは、認知バイアスに陥らないための研修プログラムを取り扱っており、
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組織において人間関係の構築に必要な専門知識を持ったファシリテーターがお悩みに合わせてオーダーメイドの研修プログラムを組みますので、ご興味がございましたらお気軽にお問い合わせください。
非認知スキルの重要性
最近、学校や保育の場で注目されるようになってきている「非認知能力」は聞いたことがあるでしょうか。
「非認知能力」は協調性、忍耐力、計画性、自制心、コミュニケーションなど、
数値に表すことができない「生きていく上で必要不可欠」な能力です。
具体的に、「非認知能力」とはどのような能力なのでしょうか?
認知能力との違いや種類などを記載していきます。
【非認知能力とは】
非認知能力はIQや学力テストなど数値化できる認知能力とは異なり、
数値化はできないものの、生きていく上で欠かせない能力を指します。
しかし近年、数値化できない「非認知能力」を幼少期から学童期までに伸ばすことが強く推奨されるようになっています。
子どもたちの将来や人生を豊かにするといわれている「非認知能力」は、さまざまな種類があるのが特徴です。
・代表例一覧
問題解決力= 自ら問題を発見・解決する能力
意欲 = やる気、集中力
忍耐力 = 粘り強く頑張れる能力
自制心 = 我慢する能力、精神力
創造性 = クリエイティビティ、工夫をする能力
コミュニケーション能力 = リーダーシップ、思いやり、協調性
対応力 = 失敗から学ぶ能力、楽観性、応用する能力
主体性 = 自分の意志で行動する姿勢、遂行する能力
・非認知能力と認知能力の違い
非認知能力とは、目標に向かうために努力する力や意欲など、
数字では測れない能力のことです。
知識や記憶力、判断力、読み書きなどの知的能力を指す認知能力は、
知能指数(IQ)で表すことができます。
一方の非認知能力は、根気強さや注意深さ、意欲など、感情や心の働きに関する能力を意味しており、
心の知能指数「EQ(Emotional Intelligence Quotient)」とも言われたりします。
【「非認知能力」が注目されはじめた背景】
非認知能力が注目され始めたのは、諸説ありますがノーベル経済学賞を受賞したアメリカのジェームズ・ヘックマン教授の本がきっかけと言われています。
著書『幼児教育の経済学』のなかで、幼少期に非認知能力を育む幼児教育の重要性を訴えたのです。
1960年代にはじまった低所得のアフリカ系アメリカ人の未就学児童を対象にした教育プログラム「ベリー幼稚園プログラム」の調査結果も大きな影響がありました。
40年にわたって追跡調査をした結果、大人になってから成功する一因に、子どもの頃に培った意欲や自制心などの非認知能力が関係していることがわかりました。
国際化が進み、社会が多様化するなか、「非認知能力」がこの時代を生き抜くうえで重要だと日本でも注目されるようになってきたのです。
・非認知能力の重要性
今日まで日本で行われてきた学力を上げるための詰め込み教育ではなく、
生きる力を身につけさせるための「自分で考えさせる力」「感情をコントロールする力」「仲間と意見交換しながら、物事を進めていく力」など、
非認知能力を鍛える重要性は広く認識されるようになってきました。
【非認知能力は認知能力(学力)の土台にも】
認知能力よりも、まずベースになるのは非認知能力です。
非認知能力が大事にされると、知的なことへの興味・関心も育っていくわけで、
非認知能力は認知能力へとつながっているのです。
非認知能力を抜きに、早くから読み書きができたり、読み書きという目に見える成果だけを追い求めると、
将来的に意欲が湧かなかったりということが起きるわけです。
非認知能力を身につけたことの結果は後になって表れることから「あと伸びする力」とも呼ばれています。
親たちを対象にしたある調査からは、幼児期に遊び込む経験の多かった子のほうが小学校以降、
「学びに向かう力」が高いとも言われています。
「学びに向かう力」とは非認知的能力・社会情動的スキルのことで、
好奇心・協調性・自己統制・自己主張・がんばる力などに関係する力を指します。
遊び込む経験を多くしてきた子のほうが、一斉に何かをさせられた子達よりも認知力、
つまり国語力や語彙力も高いのです。語彙力はすべての学力のベースになる力ですね。
目に見えない「遊び込む」という経験が、目に見える認知能力につながっていくとも言えるのです。
【大人になってからも鍛えられる「非認知能力」】
非認知能力を伸ばすためには、6歳までの教育が重要といわれています。
しかし大人になってからでも非認知能力を伸ばせます。
子どもより成長速度は落ちてしまいますが、非認知能力を習得し続けるのは可能なのです。
・ビジネスパーソンが非認知能力を鍛える方法
ビジネスパーソンが非認知能力を伸ばしていくためには、どんな方法がよいでしょうか。
下記の点から見ていきましょう。
・①趣味の延長により計画・記録・達成度を管理し、自制心を鍛える
心理学の分野では、自制心を高めるために有効なのは「計画・記録・達成度の管理」「繰り返し継続的に行う」などとされています。
ウォーキングを例にすると、
ウォーキングを始めようと「計画」
実際行い、歩数や時間を「記録」
スピードや歩数の目標を決め「達成度を管理」
これを繰り返し行うと、自制心が鍛えられます。
・②仕事以外の話題でコミュニケーション能力を高める
周囲と協調しながら行うビジネスは、より円滑に進みます。そのためにも、下記を心掛けましょう。
職場の同僚と仕事以外の会話をして親しくなる
業務本来の目的を共有し、衝突を防ぐ
個人としてのコミュニケーション能力も伸び、ビジネスも成功しやすくなるといった効果があります。
【企業が非認知能力の高い人物を採用するべき理由】
これまでの採用では、学歴や学力などが重視されていました。
しかし人生100年時代と呼ばれる現在、高い非認知能力を持つ人材が必要となっています。何歳になっても積極的に学ぼうという意欲のある人が求められているのです。
中高年になっても怠惰な気持ちを持たないため、若い頃から学習する習慣を身につけるとよいでしょう。
【まとめ】
今注目を集めている非認知能力は、大人になっても身につけられるのか、
なぜ重視されているのかなど、気になる点をまとめて記載しました。
変化の激しい時代を生き抜くためには、前例のない事象に対しても粘り強く仲間と共同して取り組み、
成果を上げていく必要があります。
子どもだけでなく、今社会人である人々も日頃の心がけ次第で非認知能力を高められます。
弊社、株式会社NEQLIASでもこの「非認知能力」を高めるための研修プログラムを行なっております。
現在も企業様のサポートをさせていただいたりと、積極的な企業様も多いです。
まずはどのようなものか、興味がございましたらお気軽にお問い合わせください。
自己決定理論
人間は、何かしらの報酬を得ることを目的に行動するときもあれば、
リスク回避のために行動を起こすときもあります。ほとんどの行動には、
人を突き動かす「動機づけ」があり、リスクよりもメリットが上回りそうなときは自らの希望を優先して、
リスクがメリットを上回りそうなときは、リスク回避を優先してしまうことが多いです。
今回は、スポーツや教育、コーチング、人材マネジメントなど幅広い場面で使われている、
“自己決定理論”をについて記載したいと思います。
【自己決定理論とは?】
自己決定理論(Self-determination theory(SDT))とは、
1985年にアメリカの心理学者であるエドワード・デシ(Edward L. Deci)と、
リチャード・ライアン(Richard M. Ryan)が提唱した動機づけ(=モチベーション)理論です。
人(親、教師、上司、コーチ、セラピストなど)に指摘されて行動する(非自己決定)ところから、
自発的に行動する(自己決定)に至るまでの道筋が、研究によって明らかにされています。
【自己決定理論と3つの基本欲求】
自己決定理論の根幹を支えるのは3つの基本欲求、「有能さ」「関係性」「自律性」です。
・「有能さ」は自分の能力とその証明に対する欲求。
・「関係性」は周囲との関係に対する欲求。
・「自律性」は自己の行動を自分自身で決めることに対する欲求。
これら3つの欲求が満たされていくことで、
人は内発的動機づけや心理的適応を促進させるのです。
例えば、最初はやらされていたサッカースクール。
しかし少しずつ上手になっていったり(有能さ)、
友人と一緒に練習したり(関係性)、
好きな技や試合でのチャレンジが許されたり(自律性)していくうちに、「やりがい」を感じていきます。
【外発的動機づけから内発的動機づけに至る5段階】
自己決定理論では、自己決定の度合いによって、外発的動機づけから内発的動機づけへと変化します。
外発的動機づけは、外的調整、取り入れ的調整、同一化的調整、統合的調整の4段階に分けられ、
自己決定の度合いが高まるのにしたがって段階が進んでいき、内発的動機づけへと至ります。
・外的調整:人から言われたので行動する
外的調整は、動機がない状態から一歩進んだ最初の段階で、誰かから言われたために行動します。
この段階では、報酬の獲得や罰則の回避といった外的要因によって行動が調整されます。
具体的には、子どもがご褒美をもらうために勉強や手伝いをする、という状況などが外的調整に当てはまります。
・取り入れ的調整:羞恥心や罪悪感から行動する
取り入れ的調整は、誰かに言われたわけではないが、羞恥心や罪悪感、義務感から行動する段階です。
自己決定は少しはあるものの、行動は外的要因によって調整されます。
遅刻するとバツが悪かったり恥ずかしかったりするので時間通り行動する、という状況は取り入れ的調整に当たります。
・同一化的調整:価値があると感じているために行動する
同一化的調整は、楽しいわけではないが、そこに価値を見出しているために行動する段階です。
外発的動機づけの一部ではあるものの、自分自身やその価値観、
目標達成などにとって必要だと感じているために行動します。
例えば、試験に合格するために勉強に励むのは同一化的調整の一例です。
・統合的調整:自分らしさのために行動する
統合的調整は自分らしさのために行動する段階で、
周囲からの期待や要求に価値を見出すだけでなく、それを自分の他の側面と統合して行動します。
そのため、自分自身の価値観や目的、欲求と行動の価値が一致しており、無理なく行動することができます。
統合的調整の例としては、将来の夢を叶えるために受験勉強することが挙げられます。
・内発的動機づけ:やりがいや楽しさから行動する
内発的動機づけは、やりがいや楽しさ、好奇心をもとに行動する段階です。
内発的動機づけがなされると、高い成果が得られ、行動が継続されやすくなります。
また、同一化的調整と統合的調整では動機づけが内在化しており、内発的動機づけと同様の効果があります。そのため、この3つの段階をまとめて「自律的動機づけ」といいます。
【まとめ】
ポイントは「なぜ学習するのか」を問いかけ続ける
加えて、「なぜ自分がそれを学習するのか」を問いかけ続けるのも大事です。
最初のうちは、報酬や義務感、必要性が答えになると思います。
しかし段階が進むと、自分の人生の目的や価値観、そもそも楽しいから、
といった答えが浮かんでくるようになります。
問いかけることによって、これらの変化を認識することが大切です。
自己決定理論を理解して、動機づけをコントロールしよう
今回は自己決定理論について記載させていただきました。
「3つの欲求」と「5つの段階」について簡単にイメージはできましたでしょうか。
弊社、株式会社NEQLIASでは、“自己決定理論”を軸とした研修プログラムを取り扱っております。
ただこの理論を知ったからと、実践的に生徒や部下へ落とし込むことはそう簡単ではありません。
弊社は、優秀なファシリテーターが多数在籍しておりますので、専門知識を持って
ご要望に合わせたオーダーメイドの研修プログラムを組むことが可能です。
もし、ご興味がございましたらお気軽にお問い合わせください。
主観的ウェルビーイングの指導の向上
【ウェルビーイングとは何か?】
ウェルビーイングとは、幸福や満足感といったポジティブな心理状態を意味します。
また、自分の人生に満足している状態も、ウェルビーイングには含まれています。
・ラテン語の「ベネッセレ」
ウェルビーイングの概念の起源は、ラテン語の「benessere(ベネッセレ)」にあると言われます。
この言葉の意味は、「よく生きる」「前向きに人生を謳歌する」「人間味豊かな生き方」を表します。
心理的な幸福だけでなく、包括的な生き方を意味する概念であることがわかります。
・世界保健機関(WHO)憲章
また、ウェルビーイングは健康な状態を示す「ウェルネス」と近い概念を持ちます。
ウェルネスに関しては、世界保健機関「WHO」が、憲章の中でこのように定義しています。
“健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが 満たされた状態にあること”
・主観的ウェルビーイング
幸福度研究の第一人者であるエド・ディーナー博士は、「主観的ウェルビーイング」を提唱し、
その心理状態を測定するための尺度を開発し、多くの国で活用されています。
主観的ウェルビーイングは、本質的に主観的なものであり、健康や富などは含まれません。その構成要素として「幸福感」「ポジティブ感情」「人生に対する満足感」の3つがあります。
【ウェルビーイングが注目される背景】
国連の諸機関や日本の官公庁も取り上げるほど、ウェルビーイングに注目が集まっています。
・人材不足や人材の流動性の高まり
2020年における子どもの出生数が、85万人を切る見通しとなることが報道されました。
この数字は1899年以降の統計上でも、最少の数字となっています。
国内では少子高齢化が加速し、中長期的に見て深刻な人材不足に陥ることが予測されています。
終身雇用という概念は希薄になり、若者を中心に、価値観に合う組織を求め転職することが一般化しました。企業において、事業に貢献する人材の確保やリテンションは大きな課題といえるでしょう。
企業は利益だけでなく、従業員やその家族に対する幸福を追求する姿勢も、明確にする必要があります。そうすることで、企業に対する従業員の帰属意識やロイヤリティが高まり、従業員へのリテンションにつなげられます。
・働き方改革の推進
安倍内閣が推進し、2019年4月からスタートした働き方改革。残業時間の上限規制や、
産業医の機能強化、同一労働・同一賃金の適用などを定めるものです。
企業は、多様な価値観やライフスタイルを持つ従業員が働きやすい環境を整備する必要があります。
また、昨今の人材採用は競争が激しくなり、マーケティング戦略を明確にすることの重要さが増しています。テレワークや副業が可能であるなど、魅力的な労働環境を整備することは、優秀な人材を確保することにもつながります。企業は、どのような働き方であれば従業員の幸福度が増してやりがいを感じるのかといった観点で、制度や仕組みを検討する必要があります。
・新型コロナウイルス感染症の拡大
2020年に起こった新型コロナウイルス感染症の拡大は、私たちの社会や仕事を大きく変えることになりました。
自分や家族の幸福について、あらためて考えさせられた人も多いのではないでしょうか。
急速に普及したテレワークは業務効率化につながりましたが、同時に新たな問題点やストレスも表面化しました。コミュニケーションが断絶した中での業務に、メンタルの不調を訴える従業員もいます。そのため、従業員やその家族が健康でやりがいを持って仕事をするための考え方として「ウェルビーイング」に対する注目が高まっているのです。
・SDGsでの言及
SDGs(持続可能な開発目標)という言葉が近年よく聞かれるようになりました。
SDGsとは、2030年までに持続可能でより良い世界を目指す国際的な目標のことで、
2015年9月の国連サミットで採択されました。
SDGsでは17のゴールと169のターゲットが定められています。この目標の一つには「GOOD HEALTH AND WELL-BEING」があり、ウェルビーイングが注目されていることがわかります。
【まとめ】
主観的ウェルビーイングは、
構成要素として「幸福感」「ポジティブ感情」「人生に対する満足感」の3つがあります。
学校生活を送る、企業で働く上で改めて重要視されている時代です。
学校においては、学校全体での取り組みや教員が理解を深める必要性も出てきております。
企業では、大手企業は「ウェルネス事業部」など専門の部署を持つなどの取り組みをしております。
このウェルビーイングを知っていただき理解したその次として、どう取り組みをしていくのか、学校・社内にどう落とし込んでいくのかが重要となります。
弊社、株式会社NEQLIASではこの主観的ウェルビーイングを軸とした研修プログラムを行なっております。
優秀なファシリテーターが多数在籍しておりますので、専門的な知識を持って学校・社内の「幸福感」を高め、人間関係やコミュニケーションの向上を図り、良い結果へと繋げていくことを目的としております。
もし、ご興味がございましたらお気軽にお問い合わせください。
探究学習
2020年から小学校、21年から中学校、22年から高等学校で新しい学習指導要領がスタートしています。その中では、子どもたちが自ら未来を切り開いていく力を育むことを掲げ、「主体的・対話的で深い学び」を実現することを目指しています。
そこで重視されているのが「探究学習」です。
学校の先生も保護者も自分たちの時代にはなかった教育ゆえに、正直わかりにくいという声も多いです。なぜ「探究学習」が、そんなにも重視されているのでしょうか。
【改めて探究学習とは】
探究学習は、自ら問いを立てて、それに対して答えていく学習です。
教科における、教師が立てた問いを生徒たちが正解を探すのではなく、自分自身で問いを立てて、その答えを出したいという「探究心」を大切にして、学習を進めていく方法です。
そのため、「生徒の主体性」をいかに引き出せるかが重要なキーワードになってきます。
小学校や中学校では「総合的な学習の時間」の科目、高等学校では「総合的な探究の時間」などの科目において、探究学習を導入した授業が行われています。
生徒が未来社会を切り拓くための資質・能力の育成のため、探究学習の課題解決のプロセスを繰り返し行うことが大切ではないかと考えます。
【探究学習の進め方・流れ】
探究学習の基本的な進め方・流れは以下のとおりです。
<探究学習の流れ>
- 課題(テーマ設定)
- 情報の収集
- 整理・分析
- まとめ・表現
まずは特定のテーマを決定し、関連する情報を収集します。集めた情報を整理・分析したうえでまとめ、発表するのが基本的な流れです。このサイクルを何度も繰り返すことにより、生徒は多くの学びを得ることができます。
【探究学習におけるテーマ設定の重要性】
生徒は「自分事」として考えられる話題(課題)であれば、真剣に取り組むようになります。生徒にとって必要なテーマを与えることが探究学習の肝となるため、テーマ設定は極めて重要です。
文部科学省による「高等学校学習指導要領」にも、「必要に応じて、単元の総時数の3分の1程度を当てることも考えられる」という記述があります。その後の学習を実りあるものにするためにも、テーマ設定は最重要項目と考えましょう。
【探究学習のテーマは誰が決めるのか】
探究学習のテーマは先生が決めるか、生徒が決めるかの二者択一です。
主体性を養うことが探究学習の目的であるため、可能な限り生徒がテーマを決められるようにすると良いでしょう。
しかし導入期には先生がサポートしたほうがスムーズです。
ここからは、決め方の基本を3項目に分けて解説します。
・先生が決める
生徒の主体性を養うことが探究学習の主な目的である以上、テーマは生徒自身で決めることが理想的です。しかし、現実的にはすべての生徒が自主的にテーマを決めることは難しく、特に導入期は生徒も混乱しがちなため、先生がテーマを決めても良いでしょう。
先生がテーマを決める場合、あらかじめ用意していた指導要領を生かし、先生が得意な分野・話題をテーマに設定できるところもメリットです。クラス全員に同一のテーマを与えられるため、評価するときの負担を減らせるところもメリットといえるでしょう。
・先生が選択肢を与え、生徒が決める
先生がいくつかのテーマを提案し、その中から生徒が好きなテーマを決めるパターンです。指導のしやすさと生徒の楽しさの両方を追求できるところがメリットの折衷案で、多くの学校が取り入れている手法です。
・生徒が決める
先生は基本的にタッチせず、生徒自身がテーマを決める手法です。生徒自身が強く興味を持っているテーマを使って学習できるため、生徒のモチベーションを高められます。一方で多種多様なテーマが出現することが予想され、教師の負担が増す可能性があります。
【日本の教育現場で探究が広がりにくい理由】
日本の先生たちは、今回の教育改革や探究的な学びについてどう受け止めているのでしょうか。
意見として上がってきたのは、
「探究的な学びが実践できている学校とできていない学校が二極化している」
「小学校では20年前から総合学習をしているから、それが探究だが、やることが多すぎて後回しの日々。コロナ禍で外にも出かけられない」という悲痛な声でした。
それでも、ICTを活用して学び合いをしたり、地方の学校や海外の人とつないで授業を行うなど、今だからできることで探究的な学びを進めている公立小学校もあります。
ある母親は、「学校が変わるには時間がかかることもわかる。でも理想論かもしれないけれど、一人ひとりの子どもたちの自主性を尊重するそんな教育が広がってほしいと思うし、まず私自身がそうありたい」と言う意見も出されました。
大きなシステムを変えるのは難しいけれど、探究は家庭で十分できます。
【まとめ】
18年に小学校に入学し、子どもが成人として社会に出ていくことになるのが30年。
子どもたちは、現時点で開発されていない技術を使い、今は存在していない仕事に就き、
多様な価値観を持つ海外の人と交わって生きていくことになります。
その子どもたちが、自分で幸せな未来を切り開いていけるように、できない理由を並べるのではなく、できることから始める。そして、いい事例やグッドニュースがどんどん広がっていってほしいと心から思います。
弊社、株式会社NEQLIASでは、海外において教育業界でマストとなる優秀なファシリテーターが多数在籍している企業です。
探究学習の重要性や必要性を改めて知っていただき、新たにスタートしていけるようサポート致します。
もしご興味がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
STEM(ステム)教育と経験学習
21世紀型の新しい教育「STEM教育(ステムきょういく)」が世界各国で導入され始めています。
STEM教育は、子どものうちからロボットやIT技術に触れて「自分で学ぶ力」を養う新しい時代の教育方法といえるものです。
アメリカや新興国では何年も前から導入され、国主導の教育カリキュラムとして実践されているSTEM教育。具体的にはどのような教育方法なのでしょうか?また、似たような言葉のSTEAM教育(スティームきょういく)とはどう違うのでしょうか。そして、海外と比べた日本のSTEM教育の現状は?
【STEM教育とは何か】
STEMの意味は、
Science(科学)
Technology(技術)
Engineering(工学)
Mathmatics(数学)
のそれぞれの頭文字を取ったもので、これらの分野の教育に重点をおいて
科学技術に精通する人材の育成を目的に注目を浴びるようになったとされています。
【STEM教育の特徴】
STEM教育の特徴は、4つの教育分野を横断的に学ぶこと、実践力を重視すること、
そしてアクティブラーニング(生徒の主体的な授業への参加をうながすもの)と大きく3つに分類されます。
特徴1:4つの教育分野を横断的に学ぶこと
これまでの教育方法では、各分野を別々に学ぶ縦割りの教育が主流でした。しかし、これではさまざまな分野に跨る問題を解決する力が養いづらい点が弱みのひとつでした。STEM教育では、4つの分野をそれぞれ連携させて横断的に学習することで、より柔軟な思考を養い、複雑な問題にも対処できる人材を育成していきます。
特徴2:実践力を重視すること
STEM教育では、従来の教育システムのように受動的な授業ではなく、体験型・創造型の能動的な教育を行います。この教育システムにより実践力が培われます。
特徴3:アクティブラーニング
体験型・創造型の授業では、子どもたちが課題に直面したときに自分たちの力で工夫して課題を解決します。これにより、主体的に学ぶことができるようになります。
STEM教育ではこれらの3つの特徴を活かして、自発的に学んで創造したり、表現して問題を解決する能力を身につけたりすることが目標とされています。
【STEM教育・STEM人材が求められている理由】
・日本の課題
イギリスの人材紹介会社のヘイズに、日本は以下のように評価されています。
“「日本では、技術が進化するスピードに人材のスキルが追い付いていない状況で、
AI技術者や自動運転技術者など、世界で開発競争が繰り広げられている最先端分野における人材不足が最も深刻な状況です。」”
そして、「STEMスキルをもつ人材が益々求められる」 「日本では、一つの専門分野を深く追求することがよしとされる傾向がありますが、世界的に、企業が人材に求めるスキルはますます複雑化、多様化しています。 語学やビジネススキルなど、現在の専門分野に加えていくつかの専門分野を併せ持つ人材が今後ますます必要とされる」 と予想されています。
実際、近年ではアメリカのように世界に名を馳せるような新しい企業が日本からはあまり出ていません。 科学技術開発に乗り遅れない人材を育てるためにSTEM教育が必要とされています。
・将来の人材育成
今後、他分野の知識をベースに持つジェネラリストが必要になるとされています。
「理系というとスペシャリスト、一つのことを極める!」というイメージが強いのではないでしょうか。もちろん、そのスペシャリストは依然として必要です。
しかし、IT社会となった今、ベースとして総合的な理系の知識を持った上で仕事ができるジェネラリストが求められつつあるのも事実です。
【STEM教育の課題】
STEM教育には課題も残っています。
例えば、STEM教育を行う高校では積極的にIT技術を活用していましたが、
日本の高校全体を見るとIT環境の整備状況は道半ばの状況です。
特に、ある九州の高校でのパソコン利用は、生徒による持参の推奨であり、
生徒全員への販売や貸し出し利用ではないようです。
昨今のコロナウイルスの流行による長期間の学校休校で教育における
IT環境の重要性が浮き彫りとなったので、今後さらなるIT環境整備の加速が期待されます。
また、教える側のSTEM人材の確保も急務になっています。
例えば、大学教授による講座の提供は、大学附属という特徴を活かしたSTEM教育の1つの施策です。
ただ、全国規模で見てみると、まだまだ大学教授などの
STEMの分野の専門的知識を持った人材との連携は活発ではないようです。
今後は、高校や大学、企業などの機関を超えた連携の推進がより一層重要になってくるでしょう。
さらに、STEM教育の根幹部分である様々な学問分野の融合をどのように進めていくかも、
今後さらに検討される必要があるでしょう。
現在のところ、数学と理科など学問分野の近しいものの融合が多く見られますが、
例えば工学と社会や国語など、従来は個別に学ばれてきた学問分野の融合による化学反応が期待されます。
【まとめ】
ここまで日本におけるSTEM教育の課題について触れてきましたが、
高まる科学技術人材への需要に対して、日本ではまだまだSTEM教育が広く普及していません。
今後、STEM教育を保護者が子供の教育機関を選ぶ際の1つのポイントになり、
さらにはどこの教育機関であってもSTEM教育が標準的に受けられるようになることが、
日本で科学技術人材を増やすにあたって必要になっていくでしょう。
弊社、株式会社NEQLIASでは、研修プログラムを用いてこのSTEM教育に携わっております。
優秀なファシリテーターが複数在籍しておりますので、実際どのような研修プログラムなのか、気になりましたらお気軽にお問い合わせ下さいませ。