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コラム2022年11月7日

PM理論

 

PM理論とは】
PM理論とは、リーダーシップ機能を類似化するための理論です。
日本の社会心理学者である「三隅二不二」らによって提唱されました。
三隈教授は、大阪大学や九州大学で教鞭を執っており、日本の集団力学の先駆者でした。


理論というと、実務としては使いづらいと思われるかもしれませんが、PM理論は汎用性が高く、かなりわかりやすい理論です。
PM
理論は、目には見えず、評価しにくいリーダーに求められる能力を非常に明確に示してくれるので、組織運営やリーダーシップ開発に役立ちます。

●P機能:目標達成機能(Performance function
P機能とは、集団の目標達成の働きを促進し、強化する機能のことです。
目標設定や計画立案、指示などにより、集団の成績や生産性を高めます。
具体的には、
業務の進捗状況を管理し遂行させる、意思決定の結果を指示する、
知識やスキルを部下に伝える、といった行動が挙げられます。

 

●M機能:集団維持機能(Maintenance function
M機能とは、集団の人間関係を良好に保つことで、
チームワークを維持・強化する機能のことです。
チームに調和をもたらします。
具体的には、
チーム内のトラブルに関与し解決に導く、部下に対して積極的に意見を求める、
部下へ声かけをする、といった行動が挙げられます。

 

PM理論の4つの分類】
PM理論では、リーダーシップを構成するP行動とM行動、頭文字を取って、
リーダーシップの発揮状態を4つに分類します。

P機能の発揮状態

・PP機能を十分に発揮している)

・pP機能をあまり発揮していない)

 

●M機能の発揮状態

・MM機能を十分に発揮している)

・mM機能をあまり発揮していない)

 

PM型:理想的なリーダー

PM型は、P機能とM機能のどちらも強いタイプのリーダーです。
目標達成にも組織の維持・強化に対しても、強い意識をもって行動できます。
PM
理論では、このタイプを最も良いリーダーとしています。
当然ながらビジネスにおいても、PM型リーダーこそが求められる理想的なリーダーといえるのです。
言い換えれば、P機能とM機能のどちらが欠けても理想的なリーダーにはなれないと考えられます。

 

Pm型:成果重視のリーダー

目標達成のための行動に長けている反面、
部下に気を配るような集団維持行動を苦手とするため、
部下のモチベーションやパフォーマンスが低下を引き起こす恐れがあります。
そのため、短期的に成果を上げることができても、長期的には難しくなると考えられています。
ある程度の結果を残すものの、部下からの人望が薄いという典型です。

 

pM型:チームワーク重視のリーダー

pM型は、P機能が弱くM機能が強いタイプのリーダーです。
集団を維持する行動に優れているため、チームワークは保たれやすく、
部下とも良好な関係を築くことができます。
しかし、チームを率いて目標を達成するという点では力不足であり、
メンバーの能力を発揮できず、成果が上がりにくい傾向にあります。

 

pm型:未熟なリーダー

pm型は、P機能もM機能も弱いタイプのリーダーです。
目標達成のための行動に加えて、集団を維持する行動のどちらも苦手としています。
成果を上げられず、部下からの人望も薄いことから、集団をまとめるのが難しいです。
4
つに分類されたリーダー像の中で、最もリーダーに向いていないタイプと考えられています。

 

P機能とM機能を向上させるために】
PM型のリーダーを目指すために、
P
機能(目標達成機能)、M機能(集団維持機能)をそれぞれどのように伸ばしていけばよいのかを説明させていただきます。

 

●「P機能」を向上させるための取り組み

・明確なゴールと達成計画を設定・提示する

まずは、大前提としてリーダーが会社(組織)全体の目指すべき方向性を認識した上で、自分たちの部署やチームが果たすべき役割や目指すゴールをメンバーにしっかりと設定・提示する必要があります。
それを達成するために、メンバーの意識を継続的に促し、
具体的に何をいつまでにやるべきかを伝えていく必要があります。

 

・具体的な達成イメージをチーム内で共有すること

2つ目は、ゴール達成のイメージをチーム内で共有することが必須です。
達成までにすべきことを紐解いて伝えることで、メンバーが共通の理解を持てるとともに、強い意識を持ちながら業務を進めることができ、良い結果へと繋がっていくきっかけにもなります。

 

・目標達成への行動を徹底すること

3つ目は、メンバーに目標を浸透させると共に、達成に向けた行動を徹底させることです。
チームの目標を自分ごととして捉えさせ、各メンバーの業務に、より責任感を持たせつつ
定期的にミーティングを行い、常に全体の進捗を確認・管理するなどの取り組みが想定されます。このような行動を継続することで、P機能向上させていくことができるとされています。

 

 

●「M機能」を向上させるための取り組み

・メンバー一人ひとりと向き合い、丁寧にコミュニケーションを取ることが大切

1つ目は、メンバーと信頼関係を築けるよう丁寧にコミュニケーションを取ることです。

これは、上司対メンバーという縦の人間関係を良好にするためのポイントと言えます。

具体的には、月に一度は1on1ミーティングを行い、メンバーの思い・考えを確認することや、キャリアイメージをヒアリングして共有するという取り組みが想定されます。

また、日常レベルでもメンバー一人ひとりに気さくに声をかけるとか、

メンバーから話を持ち掛けられた際には、仕事を一旦中断して意識を集中するといった心がけも大切です。

 

・メンバー同士の人間関係を良好に保つよう配慮すること

2つ目は、メンバー同士の人間関係に配慮することです。

こちらは、メンバー対メンバーという横の人間関係を維持するためのポイントとなります。

具体的には、会議の場で参加者全員の意見を聞く、

メンバー一人ひとりの価値観を認識・共有し相互理解を深める場を設けるなどの取り組みが有効だと言われています。

 

・チームの心理的安全性を高めるアプローチ

3つ目は、チーム全体の心理的安全性を高める働きかけです。

各メンバーがチームへの貢献実感を持てるよう成果を評価し共有すること、

メンバー全員によるコミュニケーションの場を意識的に設けることで、

互いの言動を肯定できるような体制を作るといったことがあげられます。

これは、縦の人間関係だけでなく、横の人間関係づくりにも役立つポイントだと言えます。

節度をわきまえた上で、お互いに忌憚なく自分の想いを伝えあえるような環境であれば、

チームとしてのまとまりが生まれ、パフォーマンス向上にもつながる。

 

【まとめ】

今回はPM理論の概要から、4つのタイプのリーダー像や、リーダーシップ機能を高めるポイント、PM型リーダーを育成する方法について記事にしました。

リーダーシップを発揮する場面で、P機能とM機能のバランスを意識することは重要です。今回記述したP機能やM機能を向上させるポイントを基にセルフチェックをしてみてはいかがでしょうか。

 

自社でPM型リーダーを育成するには、KPTの活用やメンター制度の導入、外部講師による社員研修の実施が有効です。

弊社、株式会社NEQLIASでは優秀なファシリテーターが在籍しておりPM理論を熟知しております。

“求める理想のリーダー”を育成するためにも、一度研修会にご参加してみてはいかがでしょうか。