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コラム2022年10月1日

ELC (経験学習サイクル)とPDCAの違い

経験学習の話になると、「PDCA」と混同している方をよく見かけます。
この経験学習サイクルとPDCAサイクルには大きな違いがあります。
今回はこの違いの部分を確認していきましょう。

この記事の監修者
株式会社NEQLIAS
コラム編集部

 

【結論、経験学習サイクルとPDCAサイクルは何が違うのか】

経験学習サイクルとPDCAサイクルは、どこが違うのですか?
このようなご質問をいただくことがあります。
特に、企業様へ研修をさせていただいた際に多いです。

 

  • PDCAは、計画実行点検・評価処置・改善というサイクルです。

  1.Plan(計画):従来の実績や将来の予測などをもとにして業務計画を作成する

  2.Do(実施・実行):計画に沿って業務を行う

  3.Check(点検・評価):業務の実施が計画に沿っているかどうかを確認する

  4.Act(処置・改善):実施が計画に沿っていない部分を調べて処置をする

 

  • 経験学習サイクルは

  具体的経験 ⇒ 省察的観察 ⇒ 抽象的概念化 ⇒ 実践的試み

なので、確かに似ているようにも思いますが、どこかが違います。

 

そもそもPDCAサイクルは、業務活動のマネジメント、つまり業務効率アップのためのサイクルです。
それに比べて、経験学習サイクルは経験からの学習による積み重ねるサイクルなので、
前者が「活動プロセス」で後者は「思考プロセス」となります。

 

【経験学習サイクルの思考プロセス】

経験学習サイクルは4つのプロセスから構成されています。
「経験振り返り概念化実践」を繰り返しおこなうことで、
経験を自分のものにして次のステップへと活かせるのです。
また、具体的な振り返りを実施して深く掘り下げていくため、
ミスを予見して失敗やトラブルを回避できる力が備わります。

1.まずは経験

経験学習サイクルでは、まずは経験がなければ始まりません。
ここでいう「経験」とは、人から教えてもらった内容や、
資料から得た知識のような間接的なものではありません。
自分で「体験」したことを指します。
例えば、
「社長の前でプレゼンをした」
「営業で契約を取れなかった(取れた)」といった
具体的で直接的な経験です。

 また、経験においての目標を設定することも重要です。
目標を設定する際は、現在のレベルや経験値よりも少し上、
達成には少し難しいと思われるくらいが望ましいでしょう。
容易に達成できる目標設定だと、得られる気づきが少なく浅いためです。
一方、目標設定を高くしすぎると、やる気を削がれてしまうだけでなく、
自信喪失にもつながってしまいます。経験学習サイクルを実践する社員、
もしくは自分自身にとって「頑張ればできそう」くらいの目標を設定するのがベストです。
性格や考え方なども見ながら、どんな経験を用意して目標を設定するかを考えましょう。

 

2.経験に対する振り返り

直接的な経験を経たあとは、経験に対する「振り返り」をおこないます。
経験学習サイクルにおいての振り返りは、最も重要であり欠かせないプロセスです。
「振り返り」というと抽象的に感じてしまいますが、
つまりは「なぜその結果になったか」を徹底的に深く掘り下げていく作業です。

振り返りにおいて大切なことは、「いろんな角度から考える」ことです。
経験で得た結果を客観的、俯瞰的に見ることで
これまで気づかなかったところを発見できます。
ひとつひとつに自問自答しながら深掘りして、
その結果に至った要因や背景を考えましょう。
また、振り返りで注意したいのが「成功経験」です。
失敗に至った経験は日頃から振り返りを実施することは多いものの、
成功した経験は振り返りが疎かになります。
失敗だけでなく、成功した経験も深く振り返り作業をおこなうことで、
次の経験でさらによい結果に期待できるでしょう。

また、人によっては、自分の体験を客観的に見ることが苦手な場合もあります。
その場合は、第三者からフィードバックをもらうのが効果的です。
「どうしてこの提案をしたんだろう?」
「お客様は何を求めていたんだと思う?」
というように、具体的に考えられるようなフィードバックをもらえるのが理想的です。
誘導してあげるとよりよい振り返りができます。

 

3.振り返りを経た概念化

「概念化」と聞くと、難しく複雑なことのように感じられます。
国語辞典によると「概念」とは、
「ある事物の概括的で大まかな意味内容」となっています。

経験学習サイクルでいう概念化とは、
「経験し、振り返った内容を大まかにまとめて他の経験に活かせるようにすること」です。
気づきを得ながら物事の本質を捉えることで、
「この気づきは別の事例(経験)にも共通するのでは」という点を見つけていきます。

 1つの経験から教訓を見出し、他者に伝えられるレベルまで概念化できるとベストです。
また、同じような経験をもとに振り返りと概念化を繰り返すことで、
自身の経験則になります。そうすることで、さらに先のトラブルや失敗を予見できるようになります。

 

4.実践へ

振り返りや概念化で得た気づき、教訓をもとに「実践」をします。
振り返りや概念化でとどまってしまっては、実力として身につかず、
自身の成長につながりません。これまでのプロセスで見出した気づきや教訓、
予測が正しいものであるかどうかを実践を通して確認します。

 もちろん、立てた予測すべてが正しく成功するものではないでしょう。

しかし、その一部は通用するものかもしれません。
再度経験を通して「実践」することで、また新たな気づきを得ることができます。
それにより、さらに深い振り返りをおこない、
以前より精度の高い予測を立てられるようになります。

 経験・振り返り・概念化・実践、4つのプロセスをひとつひとつ繰り返すことが大きな成長へとつながります。

 

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