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コラム2022年10月14日

ELC②一般化・適応

以前の記事でも紹介しました、組織行動学者のD.コルブが提唱する「経験学習モデル」によれば、
人が経験を通して学習するプロセスには、次の4つの要素があります。

1具体的経験(日々の仕事に取り組む中での具体的な経験を重ねること)
2省察(自分の経験を多様な観点から振り返って気づきを引き出すこと)
3概念化(自分なりの『自論』を形成すること)
4試行(自論を新しい状況のもとで実践してみること)

今回の記事では、3概念化(一般化)と4試行(適応)にフォーカスを当ててみたいと思います。

 

・抽象的概念化(一般化)

具体的経験を省察をして得られた材料から一般化、
抽象化して他の状況でも応用可能な知識つまり教訓や持論をつくります。
例えば、「料理で品数を増やすためには、先にお湯を沸かしておくことが大切だ。」
から、料理一般に応用できる知識に広げると「料理では手順を考え行動することが大切だ。」になります。

チームビルディング・アクティビティでの抽象概念化では、
「アクティビティのやり方」のフェーズで抽象概念化をして完成ではありません。
パイプラインでのパイプの持ち方やヘリウムフープでのフラフープの下げ方を、
学習しても業務で役に立たないので、業務に役立つフェーズに徐々に上げていきます。

第1フェーズ:同じアクティビティで成果を上げるための方法

第2フェーズ:違うアクティビティに活用できること

第3フェーズ:業務で役に立つこと

第1フェーズから第2フェーズに上がる際には視点の切り替えが必要で、
第2フェーズから第3フェーズに上がるには第2フェーズで出てきた、
多種多様な応用可能な知識から業務に合わせて選択をすることが求められます。

 

・試行(適応)

抽象的概念化(一般化)で得た教訓を次の体験で活用します。
体験学習では試行(適応)は次の具体的体験につながり新たな気づきが得られるため、
一般化された知識を活用することに意味を見出しています。

チームビルディング研修や組織づくりプログラムでは、
プログラム序盤から中盤は第2フェーズを中心に抽象的概念化を行います。
それは次のアクティビティ(体験)があり非日常のプログラムで、
能動的実験から具体的体験へと循環することで、多様な教訓が得られ、また得た教訓の精度が上がるためです。

 

【体験学習サイクルは日常に活かす】

体験学習サイクルは実務家を意識し普及させる目的で提唱されたモデルのため分かりやすく、
体験学習の研修で、よく使われる理論モデルです。

日本ではPDCAサイクルが浸透していますが、
PDCAサイクルは工場製品の品質向上から生まれた概念で、
サイクルを回し次に活かす点では同じですが、背景となる考え方が異なります。
デューイやコルブの学習観を理解したうえで、
「他の状態でも応用可能な知識」つまり教訓や持論を得て、
教訓や持論を次の体験で活用することが肝要です。

そして体験学習サイクルはプログラム中に教訓や持論を得て終わりでなく、
日常業務を一つの体験としてふり返り日々サイクルを回し続けることが一番のポイントです。

 

【ELC体験を進めるために】

 
学校及び企業において、リーダーとなる人材の育成は不可欠です。
実際に体験学習を行うに当たって、必ず必要なのがファシリテーター(司会・進行役)の存在です。
組織の課題点を見出し、具体的にどの体験を用いてどのように解決していくのか、しっかりと見極める必要があります。
無作為に体験学習を行なっても効果的ではありません。
むしろ逆効果になり組織が崩れる可能性もあります。

弊社NEQLIASでは、数多くの学校様や企業様に対し研修を行なっております。

優秀なファシリテーターを在籍させておりますので、
課題点や解決策を模索されている方がいらっしゃいましたら、お気軽にお問合せくださいませ。