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コラム2022年11月4日

関係の質が結果の質を変える

【成功循環モデルとは】

マサチューセッツ工科大学のダニエル・キム教授が提唱していたものだが、
「成功循環モデル」とは、組織に成功をもたらす基本的な考え方です。
組織の循環モデルには、グッドサイクルとバッドサイクルがあると言われています。

例えば、「どうすれば組織は活性化するのか?」という議題が出た際、
その内容は組織論にとどまらず、モチベーション理論、リーダーシップ理論、
そして戦略論など経営全体に関わる中心テーマとなります。
「成功の循環モデル」はその一つですが、
コーチングとの親和性を強く感じることができる理論であり、今回のコラムで紐解いてみようと思います。

 

「成功の循環モデル」…2つの循環(サイクル)とは…?

●バッドサイクル
活性化していない組織  → 成果を上げようと「結果の質」からサイクルがスタート

(結果が芳しくない状況にあると…)
1.結果の質…結果としての数字ばかりに意識が集まる。(売上・利益至上主義?)
2
関係性の質…上司は話し合いを回避し指示命令に頼る。人間関係がギスギスしてくる。
3
思考の質…仕事をしても面白くない。心理的安全性が脅かされ不安感が膨らんでいく。
4
行動の質…失敗してとがめられるのを回避すべく受身的態度、面従腹背、協働の減退。
1
結果の質…結局のところ“結果”につながらない悪循環のループになっていく。

「関係の質」が悪化すると、メンバーは考えることをやめ、受け身になってしまい、
仕事がつまらないと感じ、「思考の質」が低下してしまいます。
受け身なので、当然自発的・積極的に行動しなくなり、「行動の質」が低下して成果が上がらなくなる、結果的には「結果の質」がさらに低下してしまいます。

 成長が停滞してしまったり、なかなか成果の上がらない組織は、
このようなバッドサイクルに陥っていることがよくあります。

 

●グッドサイクル
活性化している組織  → 「関係性の質」を重視する組織は最終的に「結果の質」が向上していく

(結果が芳しくない状況だからこそ…)
1.関係性の質…上司は指示命令に頼ることなく部下との1on1ミーティングに注力する。上司の態度に感化され、メンバー間でも信頼感が徐々に形成されていく。
2
思考の質…心理的安全性が醸成され不安感が薄まる。狭まっていた思考の幅が広がり、メンバー個々のなかに“気づき”が生まれるようになる。
3
行動の質…メンバーの受身的態度が能動的態度に変わっていくことで、ダイナミズ溢れる組織に変容していく。閉じていた組織から組織間連携も活発になっていく。
4
結果の質…結局のところ“結果”に結びつく好循環のループとなっていく。

グッドサイクルは、「関係の質」を高めるところから始まります。
「関係の質」を高めるとは、相互理解を深め、お互いを尊重し、一緒に考えることである。
ここからスタートすると、メンバーは自分で気づき、面白いと感じるようになり、
「思考の質」が向上していきます。すると、面白いと感じ自分で考え、自発的に行動するようになり、「行動の質」が向上して行きます。
その結果として「結果の質」が向上し、成果が得られ、信頼関係が高まり、「関係の質」がさらに向上するというサイクルを生むのです。

 「関係の質」の大切さを理解せずに、「結果の質」だけを求めていると、
部下との信頼関係を築けず、どんなに努力しても組織として結果を出せないという状況になってしまう可能性もあります。

 

 【「成功循環モデル」の成功例】
ソニーの平井さんは、3回も復活をさせたまさに「成功の循環モデル」の体現者と言えます!

「成功の循環モデル」は、組織活性化を語る上でいかに実践に裏付けられているのか…
『ソニー再生 変革を成し遂げた「異端のリーダーシップ」 日本経済新聞社』である平井さんの行動に、
実践としての効果が見受けられます。

35歳の若い平井さんが、
SCEA(ソニー・コンピュータエンタテインメント・アメリカ)のトップを任されたときの組織風土は最悪で、
「もうこんな会社では働きたくない」と泣き出す社員や、
「ここはストレスが大きすぎる」「みんな言っていることがバラバラです」など、
平井さんが始めた1on1ミーティングのなかで社員は訴えたそうです。

その1on1ミーティングでの平井さんは、社員に向かって、
「将来はこんな風にゲームビジネスを展開したい」といった夢や希望については、
ほとんど話すことがなかった、と語っています。
「目の前にある混乱し疲弊しきった組織を立て直すこと」が先決であり、
だからこそ、社員の話を聴くことに徹したそうです。
遠回りをしていると感じるかもしれませんが、何よりもまずメンバーとの人間関係の質を高めることが、成果を持続的に出していくための近道であると言えます。
メンバーに対して「結果を出せ」と怒鳴り散らす前に、リーダーがやるべき大切な行動だと言えるのではないでしょうか。
結果として、「成長循環モデル」のグッドサイクル通りの流れとなり、ソニーは復活して行きます。
重要なのは、“急がば回れ!” です。


私たち株式会社NEQLIASでは、リーダーの行動変革を通して、部下との信頼関係を築きながら「関係の質」を高め、組織の中でグッドサイクルを目指していく研修を行なっております。
優秀なファシリテーターが在籍しており、「成功循環サイクル」の生み方や、現状の組織の中で弱点となってしまっているポイントを見つけ出し、どう改善していくかなど、一般の社員研修から管理職研修まで幅広く対応しております。

もし、今回の内容にご興味がありましたら、お気軽にお問合せくださいませ。