お問合せ・資料請求はこちら

お知らせ

コラム2023年1月4日

探究学習

2020年から小学校、21年から中学校、22年から高等学校で新しい学習指導要領がスタートしています。その中では、子どもたちが自ら未来を切り開いていく力を育むことを掲げ、「主体的・対話的で深い学び」を実現することを目指しています。

そこで重視されているのが「探究学習」です。

学校の先生も保護者も自分たちの時代にはなかった教育ゆえに、正直わかりにくいという声も多いです。なぜ「探究学習」が、そんなにも重視されているのでしょうか。


【改めて探究学習とは】
 

探究学習は、自ら問いを立てて、それに対して答えていく学習です。 

教科における、教師が立てた問いを生徒たちが正解を探すのではなく、自分自身で問いを立てて、その答えを出したいという「探究心」を大切にして、学習を進めていく方法です。

そのため、「生徒の主体性」をいかに引き出せるかが重要なキーワードになってきます。

小学校や中学校では「総合的な学習の時間」の科目、高等学校では「総合的な探究の時間」などの科目において、探究学習を導入した授業が行われています。

生徒が未来社会を切り拓くための資質・能力の育成のため、探究学習の課題解決のプロセスを繰り返し行うことが大切ではないかと考えます。

 

【探究学習の進め方・流れ】

探究学習の基本的な進め方・流れは以下のとおりです。 

<探究学習の流れ>

  • 課題(テーマ設定)
  • 情報の収集
  • 整理・分析
  • まとめ・表現

まずは特定のテーマを決定し、関連する情報を収集します。集めた情報を整理・分析したうえでまとめ、発表するのが基本的な流れです。このサイクルを何度も繰り返すことにより、生徒は多くの学びを得ることができます。

 

【探究学習におけるテーマ設定の重要性】
生徒は「自分事」として考えられる話題(課題)であれば、真剣に取り組むようになります。生徒にとって必要なテーマを与えることが探究学習の肝となるため、テーマ設定は極めて重要です。

文部科学省による「高等学校学習指導要領」にも、「必要に応じて、単元の総時数の3分の1程度を当てることも考えられる」という記述があります。その後の学習を実りあるものにするためにも、テーマ設定は最重要項目と考えましょう。

 

【探究学習のテーマは誰が決めるのか】

探究学習のテーマは先生が決めるか、生徒が決めるかの二者択一です。

主体性を養うことが探究学習の目的であるため、可能な限り生徒がテーマを決められるようにすると良いでしょう。

しかし導入期には先生がサポートしたほうがスムーズです。
ここからは、決め方の基本を3項目に分けて解説します。

 

・先生が決める

生徒の主体性を養うことが探究学習の主な目的である以上、テーマは生徒自身で決めることが理想的です。しかし、現実的にはすべての生徒が自主的にテーマを決めることは難しく、特に導入期は生徒も混乱しがちなため、先生がテーマを決めても良いでしょう。

先生がテーマを決める場合、あらかじめ用意していた指導要領を生かし、先生が得意な分野・話題をテーマに設定できるところもメリットです。クラス全員に同一のテーマを与えられるため、評価するときの負担を減らせるところもメリットといえるでしょう。

 

・先生が選択肢を与え、生徒が決める

先生がいくつかのテーマを提案し、その中から生徒が好きなテーマを決めるパターンです。指導のしやすさと生徒の楽しさの両方を追求できるところがメリットの折衷案で、多くの学校が取り入れている手法です。

 

・生徒が決める

先生は基本的にタッチせず、生徒自身がテーマを決める手法です。生徒自身が強く興味を持っているテーマを使って学習できるため、生徒のモチベーションを高められます。一方で多種多様なテーマが出現することが予想され、教師の負担が増す可能性があります。

 

【日本の教育現場で探究が広がりにくい理由】
日本の先生たちは、今回の教育改革や探究的な学びについてどう受け止めているのでしょうか。
意見として上がってきたのは、

「探究的な学びが実践できている学校とできていない学校が二極化している」

「小学校では20年前から総合学習をしているから、それが探究だが、やることが多すぎて後回しの日々。コロナ禍で外にも出かけられない」という悲痛な声でした。

 それでも、ICTを活用して学び合いをしたり、地方の学校や海外の人とつないで授業を行うなど、今だからできることで探究的な学びを進めている公立小学校もあります。

 ある母親は、「学校が変わるには時間がかかることもわかる。でも理想論かもしれないけれど、一人ひとりの子どもたちの自主性を尊重するそんな教育が広がってほしいと思うし、まず私自身がそうありたい」と言う意見も出されました。
大きなシステムを変えるのは難しいけれど、探究は家庭で十分できます。


【まとめ】

18年に小学校に入学し、子どもが成人として社会に出ていくことになるのが30年。
子どもたちは、現時点で開発されていない技術を使い、今は存在していない仕事に就き、
多様な価値観を持つ海外の人と交わって生きていくことになります。 

その子どもたちが、自分で幸せな未来を切り開いていけるように、できない理由を並べるのではなく、できることから始める。そして、いい事例やグッドニュースがどんどん広がっていってほしいと心から思います。


弊社、株式会社NEQLIASでは、海外において教育業界でマストとなる優秀なファシリテーターが多数在籍している企業です。
探究学習の重要性や必要性を改めて知っていただき、新たにスタートしていけるようサポート致します。
もしご興味がございましたら、お気軽にお問い合わせください。