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コラム2023年1月20日

成功体験は時に問題解決の障害になる

個人も組織も、学ぶことは大切ですが、もはや、それだけで十分ではありません。
ビジネスでも、スポーツでも、同じスキルや戦略が、そういつまでも通用はしません。
常に何かを学びなおさなければいけない時代になっています。
その時代のキーワードこそ、「アンラーン」です。

 

【アンラーンとは】

アンラーン(Unlearn)とは、「学習棄却」や「学びほぐし」などと訳されます。
一般的なラーン(Learn)は「学び」として新しい知識・思考・習慣などを得るなどインプットが重要視されます。
一方で、アンラーンは既に学んだ知識・思考・習慣などを見つめなおす(必要によっては手放す)ことを言います。
新しい環境に適応するために、過去の延長線上にない学びをするためのスペース作りとも言えます。

 

【思考のクセを取り除く「アンラーン」】
アンラーンは、学びやこれまでの経験を否定するものではありません。
新しい変化に対応するために、固定化してしまっている思考のクセを取り除き、ニュートラルな状態に戻すことを指します。

例えば、“ラーメン好きの人”は、新しいラーメン店ができたら気づくでしょうが、アパレルショップが開店しても気づかないかもしれません。

逆に、“ファッション好き”の人であれば、ラーメン店の存在を認識していないかもしれないです。これは興味のあるものしか見ていないという無意識のクセが原因と言えます。同様のことは学びの場面でも起こるのです。仮にリスキリングのために何かを学習しても、思考のクセが原因で新しい情報をうまく取り込めず、頭のなかを素通りしてしまうのです。そこで、できる限り思考のクセを取り除き、インプットの質を高めようというのが、『アンラーン』の本旨です。

 

【アンラーンのサイクル】

・脱学習
人はすでに知っていること、前にやったことのあること、結果が出たことにしがみつく傾向があると言われています。最初のステップでは、過去には役に立ったが、今や成功の障害になっている考え方や、身につけた行動様式を手放し、見直す必要があります。

そのためには、自分自身の信念や考え方や行動が、自分の可能性と現在のパフォーマンスを制限していることを、そして意識的にそこから離れるべきだと認める勇気、自己認識、謙虚さが必要です。

脱学習とは新しいアプローチを進んで試すことで、やる気、好奇心、脱学習が可能だと信じることが必要です。そのためには、実際に行動することが必要となります。 

次の「必要な一連の条件」に取り組むことで、古いパターンや行動を脱学習することができるようになります。

 

・再学習
再学習は、新しい行動を試し、新しいデータや情報や視点を取り込む実験プロセスです。

新しいインプットをすべて考慮することで、世界をどう捉えているかというメンタルモデルを作り変え、並外れた成果を出せる考え方と行動を身につけるようになります。

効果的に再学習するためには、何を達成したいのか、どのようにしてそこまで辿り着きたいのかを明確にする必要があります。

そして、望む結果を特定し、それを数値化する必要があるのです。達成したい願望や結果がはっきりしたら、目標を達成するための正しい行動を見出し、そこまで行くための正しい道筋を決め、データを取ることによって本当に達成できたかどうかを判断できるようにすることも大切です。

 

・ブレークスルー
ブレークスルーは脱学習し、次いで再学習したことの結果を表します。

アンラーンのサイクルの脱学習と再学習のステップを経たことで得られる新しい情報であり、洞察とも言えます。この新しい情報や洞察は非常に強力で、考え方に影響を与え、変容させる力があります。新しいものの考え方の恩恵を受けて発想が変わり、もっと頻繁に行動の脱学習を受け入れるようになります。ブレークスルーによって、アンラーンが加速し続けていくようになるのです。 

このステップでは、単純に、何がうまくいったか、何があまりうまくいかなかったか、もう一度同じ課題に取り組むとしたら、どのように違うやり方で脱学習を行うだろうか、と自問するだけで十分です。こうした情報や洞察をアンラーンのサイクルの将来のループに送り込んでやれば、より深い洞察が得られ、より大きな影響を受けて成長を果たすことができるでしょう。

アンラーンのサイクルの回数を重ねれば重ねるほど、実験をやればやるほど、より多くの情報や洞察が得られ、行動やマインドセットを効果的に適応させられるようになります。

 

 

【まとめ】

アンラーンも1つの成長のプロセスではありますが、けれども学習し蓄積していくことと、忘却しリセットするアンラーンは質的に違います。ですから学習し続けるという発想でいると、どうしても新しい環境で行き詰まってしまうのだと思います。

とくに今、世界は激しく変化しています。日本は30年前、世界のトップ争いをしていましたが、今は集団に置いていかれそうになっています。このままじゃいけないと思いながら、どうしていいか分からない。そんな状態に見えます。

我々は日本社会全体に強くアンラーンを勧めたいと思います。
アンラーンがほんとうに必要なのは、何かの学びを得ていて、それなりに成功体験を持っている人です。


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