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コラム2023年1月17日

人間関係の落とし穴

「認知バイアス」という言葉をご存知でしょうか。
思考の偏りや思い込みによって非合理的な判断をしてしまう現象を、
心理学では「認知バイアス」と呼びます。
誰もが持っている思考の偏りや思い込みを表す「認知バイアス」。
この言葉を聞いたことはあっても、どういう意味か分からないという人もいるかもしれません。
今回は、認知バイアスの意味や具体的な事例・種類について解説します。
認知バイアスに支配されないための対策も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

【「認知バイアス」とは】

バイアス(bias)の意味は「偏り」
そもそもバイアス(bias)とは、先入観、偏見、また調査の回答に偏りを生じさせる要因を指す言葉です。
認知バイアスとは、思い込みや経験により非合理的な判断をすることを指す「心理学用語」です。
そして認知バイアスとは、自分の思い込みや周囲の環境、これまでの経験といった要因により、非合理的な判断をしてしまう心理現象です。

例えば、「良かれと思ってやった行動が、相手に迷惑をかけた」といった行動は、認知バイアスによって引き起こされていると言えます。

認知バイアスは日常にあふれています。その仕組みを理解することで仕事や人間関係を円滑にできるようになることでしょう。

 

【様々な認知バイアスについて】

認知心理学や社会心理学などでよく取り上げられている認知バイアスは数多く存在しています。
いくつかの認知バイアスについてご紹介いたします。 

・バンドワゴン効果
大勢の人が選択している判断は、個人の判断よりも正確だと思い込んでしまうバイアスのことです。

例えば、インフルエンサーのマーケティングもその1つとされ、SNSにおいて多くの人がフォローしており、いいねのたくさんついた商品ほど良い商品と認識される傾向があります。

 

・虚記憶(虚偽記憶)
アメリカの認知心理学者エリザベス・ロフタス氏の研究では、
「実際には起こっていない経験」について話し合った被験者の25%にありもしない記憶が生まれたそう。
これは「虚記憶(虚偽記憶)」という認知バイアスです。
私たちは、経験していないことを、まるで経験したかのように思い出す可能性があるのだとか。

 

・透明性の錯覚
「透明性の錯覚」は、1998年にコーネル大学心理学教授のトーマス・ギロヴィッチ氏らにより報告されました。自分の感情や考えていることが、実際以上に他者に伝わっていると思う錯覚です。

「さっきのニュアンスで、私が何を言いたいかわかったはず」などと思い込み、確認もせず勝手に進めてばかりいると「困ったちゃん」の烙印を押されてしまいます。あなたの心のなかは、さほど理解されていないのです。ちゃんと説明しましょう。

 

・バラ色の回顧
「あーあ、昔はこの会社もよかったなぁ。あの頃に戻りたいなぁ」などと口にしてはいませんか?

人は過去を「バラ色の眼鏡をかけて」のぞき込み、美化してしまうのだとか。
これを「バラ色の回顧」と言うそう。

故郷を懐かしむだけならいいですが、仕事で「昔はよかった」ばかりでは進歩できません。なぜ過去がいいのか自問すれば、いまの問題点に気づけるかも。

 

・確証バイアス
自分にとって都合のいい情報ばかりが目に入り、都合の悪い情報が目に入りにくくなることを「確証バイアス」と言います。
自分が正しいことを裏づける情報ばかりを集め、反証する情報を無視して仕事を進めると、のちに指摘されたり失敗したりで、詰めの甘さが露呈してしまいます。

 

・内集団バイアス
「いろいろ検討しましたがA社に決めました」「そう言えば、A社の担当者は君と同じ大学だったね」――私たちには自分と同じ集団に属するメンバーの能力を、高く評価しがちな傾向があるのだとか。「内集団バイアス」あるいは「内集団びいき」と言ったりもします。

 

・後知恵バイアス
問題が起きた後に「そうなると思った」「だから言ったのに」とよく言っている人を見たことはないでしょうか。このような人の心理には「後知恵バイアス」がかかっている可能性があります。

結果が出た後に「そうなることは予想していました」と、最初から結果を知っていたかのように、結果と自分の考え、意見を一致させようとすることを後知恵バイアスと言います。

 

【認知バイアスの対策法】

認知バイアスの要因は自分が正しい、優位でありたい、願望を通したい、と思ってしまうことがほとんどです。
そのせいで、良い選択や出会いを逃してしまうことはもったいないのではないでしょうか。

大切な選択が迫ったときに、認知バイアスに支配されることを防ぐためにも、
下記の内容を覚えておいて下さい。


・違った視点に立って考える
何かを選択するとき、A案が良いと思っても一度立ち止まってみることをおすすめします。少数派の人の意見を聞いてみる、他の可能性は考えられないかといった視点に立って考えてみると、より良い選択ができるかもしれません。


・一つの情報に流されない
自分に都合の良い情報しか取り入れなかったり、みんなが賛同するものを正しいと思ったりせずに、多くの情報を集めた上で判断をしましょう。一つだけの情報に惑わされることなく、自分にとって本当に必要な情報が得ることができます。

 

【まとめ】

認知バイアスは日常に溢れています。

まずは、自分自身の中に今までの経験をもとにした偏った先入観、思い込みがあると自覚することが、認知バイアスに陥らないための大切なポイントです。
特に重要な判断については、自分の考え方だけに固執せず、他の人の意見を聞いてみたり、数値データを集めてみたりして客観的に考えるようにしてみてはいかがでしょうか。


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優秀なファシリテーターが多数在籍しております。

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