主観的ウェルビーイングの指導の向上
【ウェルビーイングとは何か?】
ウェルビーイングとは、幸福や満足感といったポジティブな心理状態を意味します。
また、自分の人生に満足している状態も、ウェルビーイングには含まれています。
・ラテン語の「ベネッセレ」
ウェルビーイングの概念の起源は、ラテン語の「benessere(ベネッセレ)」にあると言われます。
この言葉の意味は、「よく生きる」「前向きに人生を謳歌する」「人間味豊かな生き方」を表します。
心理的な幸福だけでなく、包括的な生き方を意味する概念であることがわかります。
・世界保健機関(WHO)憲章
また、ウェルビーイングは健康な状態を示す「ウェルネス」と近い概念を持ちます。
ウェルネスに関しては、世界保健機関「WHO」が、憲章の中でこのように定義しています。
“健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが 満たされた状態にあること”
・主観的ウェルビーイング
幸福度研究の第一人者であるエド・ディーナー博士は、「主観的ウェルビーイング」を提唱し、
その心理状態を測定するための尺度を開発し、多くの国で活用されています。
主観的ウェルビーイングは、本質的に主観的なものであり、健康や富などは含まれません。その構成要素として「幸福感」「ポジティブ感情」「人生に対する満足感」の3つがあります。
【ウェルビーイングが注目される背景】
国連の諸機関や日本の官公庁も取り上げるほど、ウェルビーイングに注目が集まっています。
・人材不足や人材の流動性の高まり
2020年における子どもの出生数が、85万人を切る見通しとなることが報道されました。
この数字は1899年以降の統計上でも、最少の数字となっています。
国内では少子高齢化が加速し、中長期的に見て深刻な人材不足に陥ることが予測されています。
終身雇用という概念は希薄になり、若者を中心に、価値観に合う組織を求め転職することが一般化しました。企業において、事業に貢献する人材の確保やリテンションは大きな課題といえるでしょう。
企業は利益だけでなく、従業員やその家族に対する幸福を追求する姿勢も、明確にする必要があります。そうすることで、企業に対する従業員の帰属意識やロイヤリティが高まり、従業員へのリテンションにつなげられます。
・働き方改革の推進
安倍内閣が推進し、2019年4月からスタートした働き方改革。残業時間の上限規制や、
産業医の機能強化、同一労働・同一賃金の適用などを定めるものです。
企業は、多様な価値観やライフスタイルを持つ従業員が働きやすい環境を整備する必要があります。
また、昨今の人材採用は競争が激しくなり、マーケティング戦略を明確にすることの重要さが増しています。テレワークや副業が可能であるなど、魅力的な労働環境を整備することは、優秀な人材を確保することにもつながります。企業は、どのような働き方であれば従業員の幸福度が増してやりがいを感じるのかといった観点で、制度や仕組みを検討する必要があります。
・新型コロナウイルス感染症の拡大
2020年に起こった新型コロナウイルス感染症の拡大は、私たちの社会や仕事を大きく変えることになりました。
自分や家族の幸福について、あらためて考えさせられた人も多いのではないでしょうか。
急速に普及したテレワークは業務効率化につながりましたが、同時に新たな問題点やストレスも表面化しました。コミュニケーションが断絶した中での業務に、メンタルの不調を訴える従業員もいます。そのため、従業員やその家族が健康でやりがいを持って仕事をするための考え方として「ウェルビーイング」に対する注目が高まっているのです。
・SDGsでの言及
SDGs(持続可能な開発目標)という言葉が近年よく聞かれるようになりました。
SDGsとは、2030年までに持続可能でより良い世界を目指す国際的な目標のことで、
2015年9月の国連サミットで採択されました。
SDGsでは17のゴールと169のターゲットが定められています。この目標の一つには「GOOD HEALTH AND WELL-BEING」があり、ウェルビーイングが注目されていることがわかります。
【まとめ】
主観的ウェルビーイングは、
構成要素として「幸福感」「ポジティブ感情」「人生に対する満足感」の3つがあります。
学校生活を送る、企業で働く上で改めて重要視されている時代です。
学校においては、学校全体での取り組みや教員が理解を深める必要性も出てきております。
企業では、大手企業は「ウェルネス事業部」など専門の部署を持つなどの取り組みをしております。
このウェルビーイングを知っていただき理解したその次として、どう取り組みをしていくのか、学校・社内にどう落とし込んでいくのかが重要となります。
弊社、株式会社NEQLIASではこの主観的ウェルビーイングを軸とした研修プログラムを行なっております。
優秀なファシリテーターが多数在籍しておりますので、専門的な知識を持って学校・社内の「幸福感」を高め、人間関係やコミュニケーションの向上を図り、良い結果へと繋げていくことを目的としております。
もし、ご興味がございましたらお気軽にお問い合わせください。