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コラム2023年4月24日

「ファシリテーター」とは

これまで、教育に関する理論や実例などをもとに記事を書かせていただきました。

その中で、ご覧いただいております方や、研修でお会いする先生方から、

「ファシリテーターって、実際のところ何をするのですか?」と言うような内容の質問を多くいただくことが多いので、

今回はこの”ファシリテーターとは何か”について少し触れてみたいと思います。

 

【ファシリテーターとは】
まずはファシリテーターという言葉の基本的な意味を理解し、ファシリテーターとは何をする人なのかについて簡単に解説致します。

ファシリテーターという言葉は、「促進する、容易にする、円滑に進める」といった意味を持つ、
”facilitate”という英単語が元になっています。集団活動で物事がうまく進むようにかじ取りをすることを「ファシリテーション」と言い、ファシリテーションをする人はファシリテーターと呼ばれます。

ファシリテーターはより効率的に会を進めたり物事を選択したりする手助けを公平な立場から行う役割です。
各参加者がグループに貢献しながら議論を進められるよう、バランス感のあるリーダー役になったうえで、活動の目的を達成するようガイドすることが求められます。
つまりファシリテーターとは、参加者の発言を促したり意見を整理したりしながら、会議などの円滑な進行をサポートする役割です。

会社などの組織で仕事を進める際には、考え方がそれぞれに異なる多様な人々の相互理解を図り、合意形成をすることで問題を解決しなければなりません。そこで、議論のかじ取り役を担うことで会議のパフォーマンスを向上させ、アジェンダを整えたり進行をサポートしたりしながら最終的にグループが独自の選択をするのをサポートするのが、ファシリテーターなのです。

 

【”ファシリテーター”と”司会者”の違い】
司会とは、会議においてはプログラム通りの進行を実現する、また研修においてはカリキュラム通りの進行を実現する進行役です。
そのため参加者に発言を促す場面は非常に限られており、会議の雰囲気や結論も発表者や司会者によって左右されます。
会社の方針をトップダウンで落とし込む場面や、月次会議のようにルーティンとして定型内容を共有する場面において、司会の役割は重要です。

一方ファシリテーターは、参加者の当事者意識を高めてアイデアを引き出したり、参加者同士の相乗効果を生み出したりする場面において、その役割が発揮されます。あくまで主役を参加者に設定して、発言を促し、会議の目的達成に導くのがファシリテーターです。

 

【ファシリテーターが担う役割とは】
ファシリテーターが担う具体的な役割が以下の通りです。

・目的の設定と共有

・意見を交わしやすい場の構築

・お互いの意見の整理する

・合意形成に向けた会議の進行

事前準備から場の構築、予定時間内に結論を出すための時間管理など、ファシリテーター要求される仕事は多岐にわたります。

・目的の設定と共有
ファシリテーターの役割としてまず挙げられるのが、目的の設定と参加者への共有です。
会議中に交わされる意見をまとめ、参加者が納得できる結論を導き出すためには、最初に会議の目的を明確にしておく必要があります。加えて、設定した目的を参加者に共有し、参加者が提示する意見の精度を上げることも重要です。

目的の設定と共有が上手くできていないと、会議の内容がどんどん関係ない方向に流れていき、
時間の無駄になってしまう可能性があるので注意しましょう。

 

・意見を交わしやすい場の構築
会議を行う前に場を温め、意見が活発に出るようにすることもファシリテーターの役割です。
会議前に参加者を交えて積極的にコミュニケーションを行い、アイスブレイクを行います。
参加者の意見交換を活発にするためには、心理的安全性が確保された場を構築する必要があります。
すなわち、他の参加者の反応に怯えたり、恥ずかしがったりすることなく自然体で意見を言える場を形成する必要があるのです。

よって、ファシリテーターには「発言がきっかけで場が荒れてもしっかりとまとめるくれる」と参加者から信頼されている人物が適しています。

 

・参加者の意見の整理する
会議中に出た意見を整理することもファシリテーターの役割です。
各参加者から意見やアイデアを引き出しつつ、会議の方向性が目的から外れないように話を整理します。
こまめに意見を整理しつつ結論を出し、更に発生した課題の解決について再度話し合っていくことで、最終的な結論をまとめることが可能です。 

また、会議の内容が本題から外れてしまいそうな時は、話を整理することで軌道修正することができます。
意見の整理が上手くできないと会議の全体の結論が出ず、時間の無駄になってしまうため、ファシリテーターの手腕が試される部分です。

 

・合意形成に向けた会議の進行
ファシリテーターの最後の仕事は、会議で整理した意見のもとに、最終的な結論を導き出すことです。
会議の内容を振り返り、最初に設定した目的と照らし合わせ、参加者全員が合意できる結論を導き出します。
会議中にこまめに意見の整理ができていれば、自ずと参加者が納得できる結論が出ることでしょう。

結論が出たら、参加者が次に行うべきアクションを明確にし、各々に認識させます。以上のうように、
会議が参加者主体のものになるよう場を構築し、全体の合意がとれた結論を出すことがファシリテーターの役割です。

 

【ファシリテーターが注意すべきこと】
ファシリテーターとして、スムーズで効果的な会議を行うための土台づくりには注意が必要です。

参加者が主役となるよう発言を促し、会議を活発化させるためには、
ファシリテーター自身も明るい表情で発言を肯定的にフィードバックして、
コミュニケーションしやすい雰囲気を演出しなければなりません。
会議全体のレベルがファシリテーターに大きく依存しますので、会議進行に必要なスキル習得や準備、シミュレーションが重要です。

また参加者が守るべき前提条件として、会議に臨む姿勢や発言に対する共通ルールをしっかり定めて落とし込みます。
発言を最後まで聞く、否定せず発言を尊重する、自分の考えを持つ、といった共通ルールを明示し、遵守させる厳しさが必要です。

また発言に対して、事実と印象を区別して受け止め、ファシリテーター自身の関わり方に偏りが出ないよう公平性や客観性を保ちます。
ファシリテーターと参加者の隙間を埋めるために、ファシリテーター自身の想いや経験を伝える場面が効果的になるケースもありますが、あくまで中立的な立場を崩さず、参加者主体の議論になることを最優先しなければなりません。

 

【まとめ】
この記事では、ファシリテーターの役割や注意点などについて書かせていただきました。
ファシリテーターがうまく機能し、良質なコミュニケーションが実現している会議では、意見の対立があったり議論が停滞したりしても、振り返って打開策を探ることができます。
また、参加者それぞれにファシリテーションのスキルがあれば自分たちで議論の流れを作ることは可能であり、
必ずしもファシリテーターの役割を特別に置かなければいけないわけではありません。
むしろ、これからの時代に対応するためには1人1人がファシリテーションスキルを保有していることが大切でしょう。

弊社、株式会社NEQLIASには経験豊富で優秀なファシリテーターが多数在籍しております。
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