「チーム」と「グループ」の違い、わかりますか?
「チーム」と「グループ」という2つの単語を並べてみたとき、多くの方はほぼ同じ意味だと感じるかもしれません。しかし、「人が集まった様子」を意味するこの2つの単語は大きな違いがあるのです。
今回は、チームとグループの違いを説明していきながら、チームとして仕事をするときに陥りがちな問題点や「良いチーム」を築き運営するためのコツをご紹介したいと思います。
【チームとグループの違い】
・チーム
チームの概念は、スポーツにおける集団競技をイメージすると分かりやすいのではないでしょうか。
スポーツにおけるチームは、「勝利」という目標を達成するために、
共通の戦術・戦略に基づいて、メンバーはそれぞれの役割と責任を全うしようとします。
つまりチームとは、共通の目標・目的を達成するために、メンバーが協働する集団です。
チームでのビジネスは、メンバーがお互いにサポートしあい、共同作業によって進めていくものと言えますね。
・グループ
グループの概念は、動物の「群れ」をイメージすると分かりやすいと思います。
「羊の群れ」には、協力関係や共通の目標は存在しないでしょう。
それぞれの羊が「生存」という目的のために、単独で活動している状態です。
グループとは複数の人が集まり、集団を構成している状態そのものを指します。ある特徴や要素で分類されることはあっても、共通の目標や理念は存在しないのがグループの概念です。
【チームとグループそれぞれのメリット】
・チームのメリット
チームで物事・仕事を進めるメリットは、相乗効果による生産性と問題解決力の向上が挙げられます。
チームの相乗効果は、メンバーがそれぞれの足りない部分を補いあったり、問題解決に向け協力しあったりすることで生まれます。相乗効果により、「1+1=2」ではなく「3」や「4」の結果を生むような生産性の向上が期待できるでしょう。
また、問題が生じた際も、複数の頭で協力しながら解決策を考えられます。「三人寄れば文殊の知恵」のことわざの通り、良い知恵が出てきます。結果としてスピーディーな解決が図られ、問題解決力が向上するのです。
・グループのメリット
グループで物事・仕事を進めるメリットは、効率アップと個人の成長を促せる点にあります。
グループでは、個人の責任として成果を追求するため、仕事の効率が高まります。特に、専門性の高い特殊な業務を、同時進行でおこなうようなケースには適しているようです。
また、仕事の目標と達成の責任が個人単位で明確になるため、個人の成長を促しやすい点もメリットです。個人単位で成果を求めるため、スキル向上をはじめとした努力の方向性も分かりやすいでしょう。
自分磨きに熱心な人物ほど、短期間で飛躍的な成長を遂げるのではないでしょうか。
【チームが機能不全に陥る原因は?】
ビジネス目標達成のために人を集めて作られた「チーム」なのに、うまく機能していないと感じる機会もあるかもしれません。
なぜそのような状態に陥るのか原因と考えられるものを確認してみましょう。
・共通の目標を把握しておらず、それを常時意識できていない
チームは、目標や目的達成のために集まった人員です。そのようなチームの人員が、共通であるはずの目的・目標をよく理解していない状態のままでは、十分な協力体制を築くことができません。
また、目標や目的を理解はできていても、それに対する意識が散漫になったり、欠如させたりする状況を放っておくことも、チームを機能させない要因となり得ます。
・各人員の役割を明確にできていない
チームワーク(チームで取り組む仕事)において真っ先に決めることは、各メンバーの役割です。どれだけ目標を意識していても、役割分担を初めにきちんと行わない状態のまま作業を始めてしまうと無駄が多くなり、目標へ早くたどり着けません。
・熱意や意欲、互いの称賛の意思に欠けている
各メンバーに目標への熱意や高いモチベーションがない状態では、チームとして質の良い共同作業はできません。また、メンバー間で褒め合う場や対話の場がなく、険悪だったり弛緩していたりする雰囲気ではまとまりも生まれないでしょう。
【良いチームとして運営するために】
チームのリーダーが強く目標を意識し、それをメンバー全員が理解できるよう明示することが大切です。
また、役割分担をはっきりさせ、メンバーが役割に忠実に動けるように、各業務のマニュアルを作っておくことも効果的です。
さらには会議ではなく、各メンバーの価値観を共有するための「話し合い」の機会を設けることも、良質なチームワークを生み出します。指示・命令ではなく、横のつながりを意識した意思疎通を図ることで「各個人の共通認識としての課題や問題点」を洗い出し、目標の再確認や振り返りにつなげていくことが大切です。
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