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コラム2023年7月26日

聞いたことありますか?『ブラック校則』

子どもの多様性が重んじられるなかで、近年は「ブラック校則」の存在が問題視されています。

近年では青春映画のタイトルにも用いられ、「ブラック校則」という用語の認知度は急激に高まっております。

ですが、実際はどんなルールがブラック校則にあたるのでしょうか?

ブラック校則の意味や問題点などを解説します。

 

【ブラック校則とは】

ブラック校則とは、一般常識とはかけ離れた不合理な校則のことです。

行き過ぎた校則は、生徒個人の尊厳を傷つけたり、ハラスメントに該当したり、

場合によっては健康を損ねたりする可能性もあります。

校則の性質上、生徒が選択できる余地はなく理不尽であっても従わなくてはいけない点がブラック校則の問題点です。

また、生徒心得や学校独自のルールであっても、社会的常識を欠くようなものは、ブラック校則に該当します。

 

”典型的なブラック校則”の例

教育目的を達成するために必要とされる範囲を超えている、

社会通念に照らすと合理性を欠くといったルールは「ブラック校則」にあたるといえるでしょう。

 

生まれつき茶色っぽい頭髪なのに「校則だから黒色に染めるように」と強要する

縮毛・巻き髪などくせ毛がある生徒に「地毛であることを証明しろ」と求める

運動中の水分補給を禁止する

下着の色を指定し、規則が守られているのかをチェックする

など

 

 

【ブラック校則ができた背景と問題点】

生徒から自然に発生したブラック校則という言葉ですが、なぜそのような校則が作られるようになったのでしょうか?
ここでは、ブラック校則ができた理由や背景について考えてみます。

 

・若者の非行行動改善

ブラック校則ができた理由の一つに、
若者の非行行動を改善するという目的が挙げられます。

戦後学校制度が整備されていったなか、旧文部省は「生徒指導の手引き」というものを発行しました。

その当時は若者の非行行動が問題視されており、学校でどのように生徒指導を行なうべきか、という点が注目されたのです。

その後、校内での暴力が問題となった年代もあり、生徒指導のなかではトラブルの芽を事前に摘むという考え方が広まりました。

若者の非行行動を抑えるため、国からの手引きをもって厳しい校則の下生徒を管理するという状態が定着したと言われています。

 

・周辺住民へのクレーム対策

ブラック校則ができた背景には、周辺住民へのクレーム対策という面があります。

周辺の住民からのクレームには、理不尽な内容のものも多く、クレームの内容には次のような理不尽なものがあります。

直接被害を受けたわけではないが、登下校中の態度が気に入らない

自宅から見える授業風景において、指導の仕方が納得いかない 

など、地域住民から受けた様々なクレームにより、

学校の先生が対処に追われ、板挟み状態になっていることが背景にあります。

 

しかし、クレーム対応も学校を運営していくうえでの義務となるため、

先生はブラック校則を設けて子供たちを取り締まろうという流れが生まれました。

本来子供の教育のために然るべき校則を設けるのが学校側の義務ですが、

周辺住民からクレームが来てしまった場合には、

地域との関係性を改善するための校則を制定しなければなりません。

その結果、ブラック校則が制定されてしまうことがあるのです。

 

・入学希望者や地域へ学校をアピールするため

ブラック校則は、学校側が入学希望者や地域に対して、規律正しい教育を徹底しているというアピールをするために設けられていることがあります。

学校側の都合が影響している部分が大きく、学校の運営都合のためにブラック校則を生徒に強いる事態が起きていると考えられます。

学校としては、入学希望者の増加や地域からの良い評判を維持したいのも確かです。

しかし、それらを実現するため、生徒側がブラック校則で辛い思いをしている場合があるという点についても理解する必要があります。

  

【まとめ】

ブラック校則とは人権や健康などを脅かす恐れのある不合理な校則のことです。

こうした校則の多くは、生徒が事件・事故に巻き込まれるのを防止するため、あるいは風紀の乱れ防止を目的として定められました。

しかし、行き過ぎた校則は現在の社会状況と合致しているとは限らず、場合によっては生徒個人の尊厳を損ねかねません。

 ブラック校則は、全国的な問題となっています。東京都をはじめとして、各地でブラック校則を撤廃する動きが進んでいます。

学校では、校内全体での議論だけでなく、第三者機関の活用など、ブラック校則の撤廃に向けた取り組みが求められているのです。

 


弊社、株式会社NEQLIASでは優秀なファシリテーターが在籍しております。

生徒、先生、保護者の意見を取り入れ、ブラック校則ではない方法での防止策として研修を行うことが可能です。

ぜひ一度、お気軽にご相談ください。