令和の日本型学校教育
国が「令和の日本型学校教育」を推進していることはご存知の方も多いのでは無いでしょうか。
ですが、今までと何がどう違うのかよくわからない人もいると思います。
そこで社会的背景や課題、主な新しい動きなどをわかりやすく紹介したいと思います。
国が目指す教育を知り、子育てに生かしましょう。
【令和の日本型学校教育とは?】
「令和の日本型学校教育」とは、
(1)学校教育の質と多様性、包摂性を高めることによる教育の機会均等の実現
(2)チームとしての学校マネジメントの実現
(3)ICTの適切な教育活用の実現
(4)学習経験と学習成果の統合的な学びの実現
(5)リスクを乗り越えた学びの保証
(6)持続的で魅力ある学校教育の実現
の6つの方向性を柱として、全ての子供たちの可能性を引き出す
個別最適な学びと協働的な学びの実現を果たそうというものです。
【令和の日本型学校教育が望まれる社会背景】
令和の日本型学校教育が望まれている理由は、時代の流れや社会背景と密接な関係があります。
国がなぜ新しい教育を推し進めているのか見ていきましょう。
・「Society5.0」の到来
今後、これまでの情報社会が発展した「Society5.0」の時代が到来することが見込まれています。人工知能(AI)・ビッグデータ・Internet of Things(IoT)・ロボティクスなどの先端技術がさらに高度化し、社会生活やさまざまな産業が劇的に変わると考えられているのです。
同時に、新型コロナウイルス感染症の拡大をきっかけにテレワークや遠隔診療など、オンライン化やデジタル化も進んでいます。それに伴い、オンライン教育が注目を集めるなど、学校教育も変わりつつあります。
社会全体のオンライン化・デジタル化の必要性が高まるなか、ICTの活用は学校教育を支える基盤的なツールとして必要不可欠とされています。
・予測困難な時代へ
以前から社会の変化が速く予測困難な時代といわれてきましたが、近年の新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により、予測困難であることが現実味を帯びました。先行きが不透明ななかで、今後の社会状況の変化を見据え、どのように対処していくかが問われているのです。
予測困難な時代だからこそ、目の前の状況から解決しなければならない課題を見つけ、自分で考え、さまざまな立場の人が議論しながら満足のいく解決策を見出す資質や能力が求められています。
その資質や能力を身に付けるために、新しい時代に対応する教育が必要とされているのです。
・子どもたちが育むべき資質や能力の育成
Society5.0や予測困難な時代を生き抜くために、必要な資質や能力の育成が求められていることも、新しい教育が望まれている理由です。
具体的には、自分のよい面や可能性を認識できる・他者を尊重できる・多様な人と協動できる・豊かな人生を切り開ける・持続可能な社会を創れるような人物になるといった資質や能力などが挙げられるでしょう。
そのほかにも、文章の意味を正しく理解する読解力や対面のコミュニケーションで人間関係を築く力、物事を成し遂げる力などの重要性も指摘されています。国際的には、自ら率先して目標を設定し、責任のある行動を取れる能力を育むことが大切だと考えられています。
【2020年代を通じて実現すべき「令和の日本型学校教育」の姿】
・個別最適な学び
これまでも「個に応じた指導」が重視されてきましたが、令和の日本型学校教育ではSociety5.0や予測困難な時代を生き抜くために、一人ひとりの資質や能力を高めることが重要と考えられています。そのため、生徒それぞれに応じた「個別最適な学び」をより重視する必要があるとされています。
個別最適な学びとは、基礎的な知識や技能をしっかり身に付けさせるために、生徒の学習進度や関心を踏まえた上で指導方法や教材を変えたり、個別学習やグループ別学習を取り入れたりする「指導の個別化」を充実させた学びです。
生徒それぞれに応じた学習課題に取り組む機会を提供するなど、「学習の個性化」を充実させていくことも含まれています。
・協動的な学び
個別最適な学びによって生徒が孤立してしまうことを避けるために、「協動的な学び」を充実させることも重要だと考えられています。
例えば、体験学習などを通じて生徒同士や地域の人々など多様な人と協動しながら学んでいくことなどです。異なる学校や学年の生徒と交流する機会や、ともに学ぶ機会を設けることも該当します。
また、集団のなかで個性が埋もれてしまわないように、生徒それぞれの可能性や長所を生かし、より充実した学びにつなげることも重視されています。
【まとめ】
上記で説明してきたことをまとめると「令和の日本型学校教育」は、
<日本型学校教育+新しい動き⇒令和の日本型学校教育>という形で表現することができます。
また、全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現を目指していくというのが「令和の日本型学校教育」といえるでしょう。
今回ご紹介してきた「令和の日本型学校教育」の概要を知ることで学校教育だけではなく、様々な教育に携わる方々がこれからの教育の在り方について考える際の一つのヒントになるのではないでしょうか。
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