コラム2023年3月21日

トライやる・ウィーク~職業体験の役割と意義~

皆様は、“トライやる・ウィーク”という言葉をご存知でしょうか。

これは、兵庫県で実施されている体験活動です。

今回はこの“トライやる・ウィーク”について少し触れてみたいと思います。

 

【トライやる・ウィークとは】

トライやる・ウィークは、兵庫県が、1995年の阪神・淡路大震災、1997年の神戸連続児童殺傷事件を機に中学生に働く場を見せて学習させようとする趣旨のもと、県内の中学2年生を対象として1998年度から実施されている職場体験、福祉体験、勤労生産活動など、地域での様々な体験活動です。

一部の私立・国立中学校においては、期間が短縮されているか、実施されていないことがありますが、 一週間、中学2年生が職場体験などを通して地域について学び「生きる力」を育むことを目的としている体験活動となります。

  

【体験活動の内容について】

職場体験活動では、ケーブルテレビ局、病院、農場、工場と様々な職場で活動を行っています。「トライやる・ウィーク実施中」というのぼりを作成し、事業所に立てさせていただいている学校が多くあり、「トライやる・ウィーク」の実施期間中には県内各地で見られる、兵庫県の風物詩となっています。 

また、文化・芸術創作体験活動としては、例えば赤穂市の塩田での塩作り、織物、丹波市の陶芸、城崎温泉の麦わら細工等地域の伝統産業を体験し、地域の良さや故郷の恵みに触れることにより、故郷意識の醸成にもつながっています。

 

・事前事後指導でより効果が出るように

こうした活動に向けての意欲を高め目的意識を明らかにするために、事前・事後指導の充実に努めています。事前指導は、中学1年生から進路学習と関連させながらの指導、活動時の心得や社会人としてのマナー等を学び事前訪問といったことを行っています。

事後指導としては、活動のまとめを作文集や報告書にしてお世話になった事業所への報告、指導ボランティアや保護者を招いての報告会の開催など、中学3年に向け志望する進路実現のために目的意識を高める進路指導につなげています。

 

【職場体験が求められる背景】
職場体験が求められる背景として、
子どもたちの生活や意識の変容、学校から社会への移行をめぐる様々な課題、
そして、何よりも望ましい勤労観、職業観を育む体験活動等の不足が指摘されています。

社会性の不足、規範意識の低下、人間関係や連帯感の希薄化、集団や社会の一員としての自覚や責任感の低下などが指摘されていることはご存知でしょうか。

そして、若者の世界に漠然とした閉塞感や無力感、あるいは、職業について考えたり、職業の選択・決定を先送りにするモラトリアム傾向やフリーター志向の広がり、高水準で推移する若年者の失業率や就職後の早期離職、また最近ではニートの問題が指摘される中で、生徒の進路意識や目的意識の低下が懸念されています。

一方、このようなことから、学校段階では、従来から課題となっている不登校や中途退学についても、将来の社会的自立に向けた支援の視点から「進路の問題」として捉えることの重要性が指摘されているのです。

 

【職場体験の必要性】

職場体験には、生徒が直接働く人と接することにより、また、実際的な知識や技術・技能に触れることを通して、学ぶことの意義や働くことの意義を理解し、生きることの尊さを実感させることが求められています。また、生徒が主体的に進路を選択決定する態度や意志、意欲など培うことのできる教育活動として、重要な意味を持っています。

望ましい勤労観、職業観の育成や、自己の将来に夢や希望を抱き、その実現を目指す意欲の高揚を図る教育は、これまでも行われてきたところであるが、より一層大切になってきていると言えます。

職場体験は、こうした課題の解決に向けて、体験を重視した教育の改善・充実を図る取組の一環として大きな役割を担うものです。

特に、生徒の進路意識の未成熟や勤労観、職業観の未発達が大きな課題となっている時代、

生徒が実際的な知識や技術・技能に触れることを通して、学ぶことの意義を理解し主体的に進路を選択決定する態度や意志、意欲など、培うことのできる教育活動として重要な意味を持っていると言えます。

 

【まとめ】

“トライやる・ウィーク”は、子供たちの将来の選択肢を実際に見ることのできる体験活動だと私は考えます。
学校生活だけでは学びきれない部分、親御様から伝えきれない“仕事”について実際に触れることで、自身の職業観を培うきっかけとなるものです。
こういった取り組みが増えることで将来有望な人材が現れたり、革新的な技術や技能を生み出す可能性もあります。
第二新卒という言葉もある今の時代、どんな仕事をしたいのか、どのように仕事と向き合うのか、そういった学びがある体験活動と言えます。

弊社、株式会社NEQLIASでは、こういった“体験”をベースとしたアウトプット型の研修プログラムを行なっております。
ご興味がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

 

 

コラム2023年3月15日

「チームとしての学校」の在り方

学校を取り巻く課題が複雑になっていることを背景に、
教員が教科指導や生徒指導に集中できる仕組みの構築を目指した「チーム学校」とよばれる考え方が提唱されています。
私立学校の場合は一部先行している事例もありますが、今後はさらなる地域との連携が求められていくことでしょう。

 

【学校教員の現状】

中央教育審議会の「チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について」によると、
日本の教員の特徴は以下の3つにまとめられています。 

・学習指導、生徒指導、部活動等、幅広い業務を担い、子どもたちの状況を総合的に把握して指導している。


・欧米諸国と比較して、教員以外の専門スタッフの配置が少ない。


・国際的に見て、勤務時間が長い。


さらに、いじめ、不登校、家庭の貧困問題などへの対応も学校に求められるようになっており、
教員が抱える課題は複雑化していると言えます。
結果として、教員が教科指導や生徒指導に割く時間が十分に確保できていないという問題が指摘されているのです。

 

【「チーム学校」とは?】

このような状況を解決するために、「チーム学校」という考え方が提唱されています。
「チーム学校」とは、
・「専門性に基づくチーム体制の構築」
・「学校のマネジメント機能の強化」
・「教員一人一人が力を発揮できる環境の整備」
3つの視点に沿って学校のマネジメントモデルを転換するものです。 

この中でも特に注目されているのが、「チーム体制の構築」です。
学校内部においては指導体制の充実を図るとともに、
スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、部活動指導員、図書館司書など、
外部の専門性を持つ人々と連携することが想定されています。
これに加え、地域住民と問題を共有するために、地域連携担当の教職員も重要な存在になります。

こういった取り組みにより、教員以外にも専門性を持ったスタッフが配置され、
「チーム」で連携・分担して問題解決にあたることになります。
教員は従来から担ってきたさまざまな役割のうち、教科指導や生徒指導といった
業務に今までよりも集中して取り組むことができるようになると期待されているのです。

 

【「チームとしての学校」の在り方】

これからの学校が教育課程の改善等を実現し、複雑化・多様化した課題を解決していくためには、学校の組織としての在り方や、学校の組織文化に基づく業務の在り方などを見直し、「チームとしての学校」を作り上げていくことが大切です。

そのため、現在、配置されている教員に加えて、多様な専門性を持つ職員の配置を進めながら、教員と多様な専門性を持つ職員が一つのチームとして、それぞれの専門性を生かして、連携・分担することができるよう、管理職のリーダーシップや校務の在り方、教職員の働き方の見直しを行うことが必要だと言えます。

また、「チームとしての学校」が成果を上げるためには、必要な教職員の配置と、学校や教職員のマネジメント、組織文化等の改革に一体的に取り組まなければいけません。

・「チームとしての学校」像

“校長のリーダーシップの下、カリキュラム、日々の教育活動、学校の資源が一体的にマネジメントされ、教職員や学校内の多様な人材が、それぞれの専門性を生かして能力を発揮し、子供たちに必要な資質・能力を確実に身に付けさせることができる学校” 

今後、「チームとしての学校」を実現するためには、
次の3つの視点に沿って学校のマネジメントモデルの転換を図っていくことが必要です。 

  • 専門性に基づくチーム体制の構築

 教員が教育に関する専門性を共通の基盤として持ちつつ、それぞれ独自の得意分野を生かし、学校の中で、学習指導や生徒指導など様々な教育活動を「チームとして」担い、子供に必要な資質・能力を育むことができるよう指導体制を充実していくことが重要です。

 さらに、心理や福祉等の専門スタッフを学校の教育活動の中に位置付け、教員との間での連携・分担の在り方を整備するなど専門スタッフが専門性や経験を発揮できる環境を充実していくことが必要です。

 

  • 学校のマネジメント機能の強化

 教職員や専門スタッフ等の多職種で組織される学校がチームとして機能するよう、管理職の処遇の改善など、管理職に優れた人材を確保するための取組を国、教育委員会が一体となって推進するとともに、学校のマネジメントの在り方等について検討を行い、校長がリーダーシップを発揮できるような体制の整備や、学校内の分掌や委員会等の活動を調整して、学校の教育目標の下に学校全体を動かしていく機能の強化等を進めることが必要です。

 また、主幹教諭の配置を促進し、その活用を進めるとともに、事務職員の資質・能力の向上や事務体制の整備等の方策を講じることにより、学校の事務機能を強化することが必要です。

 

  • 教職員一人一人が力を発揮できる環境の整備

 教職員や専門スタッフ等の多職種で組織される学校において、教職員一人一人が力を発揮し、更に伸ばしていけるよう、教育委員会や校長等は、「学び続ける教員像」の考え方も踏まえ、学校の組織文化も含めて、見直しを検討し、人材育成や業務改善等の取組を進めることも必要です。

 また、教育委員会は、教職員が安心して教育活動に取り組むことができるよう、学校事故や訴訟への対応について、教職員を支援する体制を強化していくことが求められています。

 

【まとめ】

チーム学校においては、教員が本質的に担うべき業務は何か、
他のスタッフとの役割分担や連携のあり方はどうあるべきか、などについて考えていく必要があります。

また、従来のままの学校組織の感覚では対応できない面もあります。

チーム学校を機能させるためには、まず学校や教師集団が自らの理念やビジョンを持つことです。
その上で、社会的な議論や対話をもとに、学校の使命の再定義を行っていくなかで、
学校内外の連携・協働のあり方やチームづくりの進め方を模索していくことが重要になります。


弊社、株式会社NEQLIASではチーム作りにおける研修プログラムを取り扱っており、優秀なファシリテーターが研修を行います。
このチーム学校の実現には、学校としての方向性や、同じベクトルを向くために揃えることが必要不可欠です。
実際にどのようにするのか、どんなことをしているのか気になる方がいらっしゃいましたら、お気軽にお問い合わせください。

 

 

 

コラム2023年2月21日

心理的安全性について

ビジネスの世界で注目を集める「心理的安全性」という言葉があります。
その重要性は分かっているけれど、具体的にどのようなコミュニケーションで
心理的安全性の高い環境を整えればいいのか分からないリーダーも多いのではないでしょうか。

「心理的安全性って何?」

「心理的安全性でどんな効果があるの?」

こういったお悩みを少しでも解決できればと思います。

 

【心理的安全性とは】

「心理的安全性」とは、「サイコロジカル・セーフティ(psychological safety)」を日本語に訳した言葉です。
ビジネスに関する心理学用語の一つとされており、ハーバード大学で組織行動学を研究するエイミー・エドモンドソン教授が1999年に概念を提唱されました。

エドモンドソン教授によると心理的安全性は、

「チームにおいて、他のメンバーが自分が発言することを恥じたり、拒絶したり、罰をあたえるようなことをしないという確信をもっている状態であり、チームは対人リスクをとるのに 安全な場所であるとの信念がメンバー 間で共有された状態」と定義されています。

 

・なぜ心理的安全性が注目されているのか?

心理的安全性という言葉が知られたのは最近ですが、
注目されたのは、上述したGoogle(グーグル)の研究結果が発表されたのがきっかけです。 

離職率が高い、生産性が低い、アイディアがなかなか生まれないといった悩みがある中で、調査における「心理的安全性の高いチームのメンバーは、Google からの離職率が低く、他のチームメンバーが発案した多様なアイデアをうまく利用することができ、収益性が高く、「効果的に働く」とマネージャーから評価される機会が2倍多い」という結果は、衝撃を与えるものでした。

生産性の高いチーム作りには心理的安全性が重要であることが広く知られ、国内外で注目されることになったのです。

 

【「心理的安全性」がチームにもたらす3つのメリット】

では、チームで仕事を進めていく際、具体的に「心理的安全性」はどのようなメリットをもたらすのでしょうか。例えば、心理的安全性が高いチームは、各自が主体的な行動を取り、チーム内のアイデアを効果的に活用することができると言われています。

ここでは、大きく3つに分けてメリットを紹介したいと思います。

 

1】チームメンバーのパフォーマンス向上

心理的安全性が高くなると、チームのメンバーにフロー状態が生じます。フロー状態とは、心理学で夢中になる、のめり込んでいるといった精神状態を意味します。メンバー全員が安心しながら集中して仕事に取り組めるため、業務の生産性も高くなると言われており、また、何かにのめり込むとドーパミンの分泌量が増え、仕事へのストレスも緩和されるとされています。

 

2】イノベーションや改善の推進

チームに心理的安全性があることで、マネジメント層でなくても各自が、現状をより良くしていこうという前向きなマインドに変化していきます。新しい物事や困難なことに立ち向かいやすくなるため、イノベーションや改善が生まれやすい組織が出来上がるといわれております。一方、心理的安全性が低い組織は、「面倒がられるだけ」、「理解してもらえないから言っても無駄」といった状態に個々が陥りやすいと言うデメリットもあります。

  

3】質の高い「エンプロイー・エクスペリエンス」の提供

「エンプロイー・エクスペリエンス」は、メンバーが仕事を通して得られる体験を指します。例えば、入社してから体験する社内制度やルール、退所までに経験する様々な出来事などです。心理的安全性が高ければ、メンバーがどのような体験によってモチベーションが上がるかマネジメント層や周囲のメンバーが考える傾向にあります。その結果、一人ひとりにとって仕事の原動力になるような最適な経験を提供しやすくなります。

 

【心理的安全性をあげるためにリーダーがすべきこと】

職場の心理的安全性を高める鍵はリーダーシップをとる人物、
たとえば、職場全体では上司、チームであればリーダーの存在です。 

リーダーは組織をまとめるという役割がありますが、心理的安全性を高めるにはそのリーダー自身も自ら変えていくべきことがあります。こちらでは、リーダーがすべきポイントについて解説します。

 

・親しみのある人物になる

リーダーが尊敬できる人物というのは理想的ですが、「尊敬できる人物であっても近寄りがたい存在であってはならない」と意識することが大切です。 

心理的安全性が高いチームや職場の基本として、コミュニケーションが活発である点が挙げられています。部下のほうから気軽な話題を振りにくい場合もあるため、リーダーや上司から仕事以外の会話でコミュニケーションをとるのもひとつの方法です。

また、朝一で職場に到着したときに挨拶をするのも良いでしょう。大切なのはリーダーも含めて、コミュニケーションがとれている職場・チームであることです。

 

・わからないときはわからないと伝える

「リーダーであるからには部下にとって完璧でなければ」と考えてしまうかもしれませんが、何でもできる完璧な人間はいません。パーフェクトに見える人物であっても、陰で努力した結果であることも多いです。「親しみがある人物になること」にもつながりますが、会話のなかでわからないことがあったときは、素直に「わからない」と伝えることが大切です。

また、経験を積んでいてもミスをするときがあることを示すのもポイントになります。リーダーにもそういった部分があるとわかれば、部下も素直に自分の弱みをさらけ出し、互いにサポートし合う環境が整いやすくなるからです。

 

・相手を受け入れている姿勢を見せる

相手が発言しているときにはきちんと話を聞いていることが目に見えてわかるようにする、誰かの意見が出たときにメンバーにも意見を求めるなど相手を受け入れている姿勢を見せることは非常に重要です。

話を聞いている姿勢とは、たとえば、相手が発言しているときにほかの作業をしながら聞かない、必要であれば質問したり、なるほどと相槌を打ったりすることが挙げられます。

 

・指示をするときにはできるだけ具体的に

信頼関係が生まれると「言わなくてもわかるだろう」という気持ちから、細かな部分まで説明や指示をしない人もいます。
しかし、相手の気持ちは直接言葉で聞かなければわからないのと同じで、指示もできる限り具体的にしたほうがより正確に実行することが可能です。

具体的な指示をされてもわからない部分があれば、相手もピンポイントで質問しやすくなるため、業務の効率アップにつながります。

 

【まとめ】
心理的安全性が高い職場では、リーダーの存在が重要です。
組織をまとめるためには上下関係をはっきりさせることも大切ですが、部下にとって親しみがあり、何でも話しやすい存在でなければなりません。 

そのため、仕事以外の会話をしたり、あえて自分もミスをすることがあると打ち明けたりと話しやすい雰囲気をつくることも大切です。

弊社NEQLIASは心理的安全性を高めるサポートとして、
優秀なファシリテーターがリーダーズ研修を行なっております。
まずはお気軽にお問い合わせください。

 

 

 

 

コラム2023年2月3日

小1プロブレムと幼保小連携

【「小1プロブレム」とは?】

まずは、「小1プロブレム」の定義について確認します。

“第1学年の学級において、入学後の落ち着かない状態がいつまでも解消されず、教師の話を聞かない、指示通りに行動しない、勝手に授業中に教室の中を立ち歩いたり教室から出て行ったりするなど、授業規律が成立しない状態へと拡大し、こうした状態が数か月にわたって継続する状態”
引用元:東京都教育委員会『小1問題・中1ギャップの予防・解決のための「教員加配に関わる効果検証」に関する調査の結果について』「第1学年児童の不適応状況」の定義 」


つまり、小学校にあがったばかりの子ども達の落ち着かなさが長いこと続いてしまう状態のことを言います。

入学してすぐは小学校の生活に慣れないこともあり、子ども達自身も不安や落ち着かないこともあるでしょうが、この状態が長期間続いてしまうことが問題となっています。

「小1プロブレム」が特に問題視されるようになったのは1990年代半ば頃から。

それ以前から「学級崩壊」は問題となっており、「小1プロブレム」はその一部だとみなすこともあります。

 

【「小1プロブレム」が起こる原因】
1プロブレムが起こる原因として考えられるものをまとめました。


・過ごし方にギャップが生まれる
1プロブレムは、保育園と小学校での過ごし方のギャップが根本的な原因とされているようです。 

具体的には次のようなことが挙げられるでしょう。

 

・遊びから勉強中心に変化する
ほとんどの保育園では、友だちや先生と遊ぶことが中心の生活を送っているでしょう。

しかし、小学校へあがると時間割に沿った勉強が中心のスケジュールへと変化します。
そのようなギャップに子どもは戸惑い、落ち着いて生活を送ることが困難になると考えられているようです。


・指導者の目が行き届きにくくなる
保育園に比べ、小学校では担任1人に対しての子どもの数が増えるケースもあるでしょう。

保育園よりも先生の目が行き届きにくくなるため、子どもが自由な行動を取りやすい環境に陥ってしまうことがあるのかもしれません。


・集団行動が増える
小学校では、休み時間以外のほとんどは子どもが一斉に授業を受けるなど、集団行動がメインとなるでしょう。

保育園で自由遊びを行う場面が多かった場合、子どもは小学校で先生の指示やルールに従って行動することに抵抗を感じてしまうのかもしれません。

 

・自分で判断して行動をする力が身についていない
保育園では、「次は〇〇をしましょう。」と保育士さんが子どもを促したり誘導したりする場面が多いでしょう。

対して小学校では、子どもが自ら授業の準備を済ませるなど、自分で判断しながら行動する場面が増えることが考えられます。

これまで以上に自主的に行動する力が求められることも、子どもが学校生活に慣れない要因の一つといえるでしょう。

 

・コミュニケーション力の低下
以前と比べて核家族化が進み、家族内でコミュニケーションをとるのが親や兄弟姉妹だけであったり、地域の人と交流する機会が減ったりして、子どもがさまざまな人と関わる機会が減少しているようです。 

そのため、子どものコミュニケーション力が低下し、小学校で集団行動に馴染めず、小1プロブレムを引き起こす要因となっているのかもしれません。

このように「小1プロブレム」は、保育園と小学校との生活のギャップが根本的な原因であることが伺えます。

 

【小学校では小1プロブレム対策をどうしている?】
小1プロブレムは、保育園や幼稚園での幼児教育から小学校への移り変わりに起こる問題として、多くの教育者たちの間で議論を巻き起こしています。幼稚園ではなかった多くのルールが、小学校入学と同時に出てくることで、子どもたちに大きなストレスを与えることは明確です。小学校ではどのような対策がされているかをみていきましょう。

 

・保育園・幼稚園・小学校の連携で小1プロブレムを解消

小1プロブレムは、子どもの将来に大きな影響を与えかねない大問題であるだけに、国をはじめとして教育の現場でもすでにいろいろな対策がとられています。その1つとして、幼児教育から小学校への教育へスムーズに移行できるよう、保育園、幼稚園、小学校が連携して対策を行っています。 

具体的には、保育園や幼稚園で、小学校を意識した「アプローチカリキュラム」を用意して、机と椅子に無理なく長い時間座れる経験などを積ませています。

小学校では、「スタートプログラム」を用意して、授業時間を短くして授業をわけて行ったり、学級の人数を減らして、教師の目配りが行き届きやすくする配慮も行ったりしています。地方自治体によっては、手のかかる子どものケアをするために、1年生のクラスに補助教員を配置する対策もとっているところもあります。

 

・小1プロブレム、家庭で行う対策方法は?

どのような子どもにも小1プロブレムが起きる可能性はあり、表面には出ていなくても、
小学校にあがったばかりの頃は、どんな子どもでも不安を抱えています。学校から帰ってきたら、今日起こった出来事について、やさしく聞いてあげましょう。子どもが理不尽な理由で先生に怒られたこと、お友だちにいじめられたことを伝えてきたときには、相手にクレームを入れることを考える前に、子どもに共感してあげることが重要です。その後で、どうしたらトラブルを解決できるか、一緒に考えてあげましょう。

 

【まとめ】

近頃問題になっている小1プロブラムは、幼児教育から小学校へ移る変化の大きさによって起こると考えられます。すでに教育現場でも、子どもの将来を左右してしまう深刻な問題であることが認識され、いろいろな対策がとられていますが、ご家庭で無理なくできることもありますので、教育にしっかり関心をもって対策しましょう。


弊社、株式会社NEQLIASでは、必要に応じて保護者様との面談や講習会、研修なども取り組んでおります。

もし、ご興味がございましたらお気軽にお問合せください。

 

 

コラム2023年1月31日

令和の日本型学校教育

国が「令和の日本型学校教育」を推進していることはご存知の方も多いのでは無いでしょうか。
ですが、今までと何がどう違うのかよくわからない人もいると思います。
そこで社会的背景や課題、主な新しい動きなどをわかりやすく紹介したいと思います。
国が目指す教育を知り、子育てに生かしましょう。

 

【令和の日本型学校教育とは?】

「令和の日本型学校教育」とは、
1)学校教育の質と多様性、包摂性を高めることによる教育の機会均等の実現
2)チームとしての学校マネジメントの実現
3ICTの適切な教育活用の実現
4)学習経験と学習成果の統合的な学びの実現
5)リスクを乗り越えた学びの保証
6)持続的で魅力ある学校教育の実現
6つの方向性を柱として、全ての子供たちの可能性を引き出す
個別最適な学びと協働的な学びの実現を果たそうというものです。

 

【令和の日本型学校教育が望まれる社会背景】
令和の日本型学校教育が望まれている理由は、時代の流れや社会背景と密接な関係があります。
国がなぜ新しい教育を推し進めているのか見ていきましょう。

・「Society5.0」の到来

今後、これまでの情報社会が発展した「Society5.0」の時代が到来することが見込まれています。人工知能(AI)・ビッグデータ・Internet of ThingsIoT)・ロボティクスなどの先端技術がさらに高度化し、社会生活やさまざまな産業が劇的に変わると考えられているのです。

同時に、新型コロナウイルス感染症の拡大をきっかけにテレワークや遠隔診療など、オンライン化やデジタル化も進んでいます。それに伴い、オンライン教育が注目を集めるなど、学校教育も変わりつつあります。

社会全体のオンライン化・デジタル化の必要性が高まるなか、ICTの活用は学校教育を支える基盤的なツールとして必要不可欠とされています。

 

・予測困難な時代へ

以前から社会の変化が速く予測困難な時代といわれてきましたが、近年の新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により、予測困難であることが現実味を帯びました。先行きが不透明ななかで、今後の社会状況の変化を見据え、どのように対処していくかが問われているのです。

予測困難な時代だからこそ、目の前の状況から解決しなければならない課題を見つけ、自分で考え、さまざまな立場の人が議論しながら満足のいく解決策を見出す資質や能力が求められています。

その資質や能力を身に付けるために、新しい時代に対応する教育が必要とされているのです。

 

・子どもたちが育むべき資質や能力の育成

Society5.0や予測困難な時代を生き抜くために、必要な資質や能力の育成が求められていることも、新しい教育が望まれている理由です。

具体的には、自分のよい面や可能性を認識できる・他者を尊重できる・多様な人と協動できる・豊かな人生を切り開ける・持続可能な社会を創れるような人物になるといった資質や能力などが挙げられるでしょう。

そのほかにも、文章の意味を正しく理解する読解力や対面のコミュニケーションで人間関係を築く力、物事を成し遂げる力などの重要性も指摘されています。国際的には、自ら率先して目標を設定し、責任のある行動を取れる能力を育むことが大切だと考えられています。

 

2020年代を通じて実現すべき「令和の日本型学校教育」の姿】

・個別最適な学び

これまでも「個に応じた指導」が重視されてきましたが、令和の日本型学校教育ではSociety5.0や予測困難な時代を生き抜くために、一人ひとりの資質や能力を高めることが重要と考えられています。そのため、生徒それぞれに応じた「個別最適な学び」をより重視する必要があるとされています。

個別最適な学びとは、基礎的な知識や技能をしっかり身に付けさせるために、生徒の学習進度や関心を踏まえた上で指導方法や教材を変えたり、個別学習やグループ別学習を取り入れたりする「指導の個別化」を充実させた学びです。 

生徒それぞれに応じた学習課題に取り組む機会を提供するなど、「学習の個性化」を充実させていくことも含まれています。

 

・協動的な学び

個別最適な学びによって生徒が孤立してしまうことを避けるために、「協動的な学び」を充実させることも重要だと考えられています。

例えば、体験学習などを通じて生徒同士や地域の人々など多様な人と協動しながら学んでいくことなどです。異なる学校や学年の生徒と交流する機会や、ともに学ぶ機会を設けることも該当します。

また、集団のなかで個性が埋もれてしまわないように、生徒それぞれの可能性や長所を生かし、より充実した学びにつなげることも重視されています。

 

【まとめ】

上記で説明してきたことをまとめると「令和の日本型学校教育」は、

<日本型学校教育+新しい動き⇒令和の日本型学校教育>という形で表現することができます。

また、全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現を目指していくというのが「令和の日本型学校教育」といえるでしょう。

今回ご紹介してきた「令和の日本型学校教育」の概要を知ることで学校教育だけではなく、様々な教育に携わる方々がこれからの教育の在り方について考える際の一つのヒントになるのではないでしょうか。

弊社、株式会社NEQLIASではこの「令和の日本型学校教育」を取り入れるための研修プログラムを行なっております。

優秀なファシリテーターが在籍しておりますので、ご興味がございましたらお気軽にお問合せください。

 

 

コラム2023年1月27日

リフレクションの力 ~振り返る力をつける大切さ~

昨今、「リフレクション」という手法が人材育成の分野において注目を集めています。
リフレクションは、経済産業省のHPの「社会人基礎力」の項を見る限りでは「振り返り」と訳されています。

“能力を発揮するにあたって、自己を認識してリフレクション(振り返り)しながら、目的、学び、統合のバランスを図ることが、自らキャリアを切りひらいていく上で必要”

参照:経済産業省 社会人基礎力 https://www.meti.go.jp/policy/kisoryoku/index.html

 

【リフレクションとは】

リフレクション(内省)とは、一言でいうと「自分自身の行動や状態を客観的に振り返ること」です。

具体的には、日常の仕事の進め方や考え方などについて、失敗したこと・成功したことを含めフラットに振り返り、今後同じような事態に直面した時にどのように対応していくかについて未来志向で考えていきます。
リフレクションは、社員の自律性の促進や組織としての生産性向上を目的として、人材育成の分野でも注目されています。 

・反省との違い
リフレクション(内省)と似た言葉で「反省」がありますが、意味合いは少し異なります。
反省は、自分の失敗や誤りに焦点を当て、「なぜそうなってしまったのか」とその理由や原因を分析し、正していくことを目的としています。

一方、リフレクションは、失敗や誤りのみならず、自分がとった行動や考え方に対して、良い面も悪い面も含めてフラットに見つめ直し、そこから新たな気づきを得て、次の行動へ活かしていくことを目的としています。

 

【リフレクションで得られる成果】

「経験からの学びの質を高める」リフレクションですが、人材育成に導入することで、どのような成果が期待できるのでしょうか。 

大きく次の2つが挙げられます。

・人材の強みを引き出す

・組織のラーニング力が高まる

それぞれ、詳しく解説しましょう。

 

・人材の強みを引き出す
リフレクションには、人材の強みを引き出す効果があります。
それは、悪いところを改善するために振り返る「反省」とは異なり、ポジティブな面も振り返るからです。

具体的には、失敗体験を振り返るのと同じように成功体験も振り返り、そこから「自分の強みは何か?」という学びを引き出します。

強みを引き出すことは、人材育成の中で最も重要といっても過言ではありません。それを促すのがリフレクションなのです。

 

・組織のラーニング力が高まる
リフレクションが企業文化として定着すると、組織にラーニング力(学ぶ力)が高まります。
常に経験から学びを習得し続ける仕組みが習慣化するからです。

例えば、「PDCAサイクル」という言葉があります。「Plan(計画)」Do(実行)」まではできても「C(評価)」で止まってしまうという声は、よく聞かれるものです。

リフレクションは、この「C(評価)」のステップを、自ら行うスキルと言い換えることもできます。組織の学習力が高まりますから、自ずと施策の成功率は上昇し、組織としての生産性は向上していくでしょう。

 

【リフレクションを効果的にする3つのポイント】

効果的なリフレクションをするためには、3つのポイントを押さえることが重要です。 

Point.1 主体性と客観性
リフレクションを効果的にするためには「主体性」と「客観性」が重要です。
まず、リフレクションは自分の成長につなげるために主体的に取り組まないと効果があがりません。
何のためにリフレクションをするのか、しっかりと説明して意味付けしましょう。 

また、リフレクションに大事なのは客観性です。起こった事実、自分の言動、また、自分の内側で起こった感情や思考を客観的に振り返ることが大事です。「メタ認知」とも言われる技術です。導入時は、上司やファシリテーター、またはフォーマットなどでメタ認知を引き出すための適切な問いを提供してあげることが効果的なリフレクションにつながります。

 

Point.2 経験学習モデル
効果的なリフレクションを行なううえでは、コルブの経験学習モデルを知っておくとよいでしょう。
コルブの経験学習モデルは、自分の経験を学びへとつなげるプロセスを分かりやすく説明したモデルです。

経験 :具体的な体験をする

省察 :体験の内容を振り返る(気付きを得る)

概念化 :次の機会に活かせるように概念化/抽象化する(学びに変える)

試行 :実際に試してみる

こちらは以前コラムにも書いておりますので、こちらをご覧ください。

https://neqlias.net/elc①体験と振り返り/

 

Point.3 感情や価値観への踏み込み
効果的なリフレクションを行なうためには、起こった事実や自分の言動だけでなく、
自分の内面や価値観まで踏み込むことが大切です。

例えば、「サポート対応の電話が一方的だ」とお客様から指摘を受けた、という「体験」があったとします。リフレクションをするうえでは、まずは「何があったのか?」「自分はどのような言動をしていたのか?」、事実を振り返ります。

 すると、「お客様との会話より自分が一方的に説明している時間が長かった」、「求められていない話まで一気に喋ってしまった」といった事実や自分の言動が見つかります。そこからもう一段、「なぜこうした対応をしたのだろうか?」と言動した自分の感情や価値観といった内面に踏み込みます。

 踏み込むことで、自分の感情や価値観が見つかるかもしれません。

感情や価値観に踏み込むことで、「ここから何が学べるだろうか?」「どのような気付きがあるだろうか?」と考えたとき、より深い気付きに繋がります。

最後に、気付きを次に生かせる思考や言動の仮説(概念化)としてまとめます。

自分の内面に踏み込んだことで、仮説を実行するときに生じる感情、例えば、「怒ってるな…あまり喋りたくない」という気持ちを自覚(メタ認知)して、理性で「私に怒っているわけじゃないので、まずは状況理解に徹しよう」とセルフコントロールしやすくなります。

 

【まとめ】

「この人素敵なリーダーだな」と感じる人は、ほぼ100%リフレクションを習慣としています。
他人を変えることはできませんが、自分は変えていくことができます。
今までリフレクションをあまり意識したことがないという人は、習慣化するだけでも自己成長できるモードに入っていきます。


弊社、株式会社NEQLIASでは、優秀なファシリテーターが在籍しており、リフレクションを取り入れるための研修プログラムを行なっております。

ご興味がございましたらお気軽にお問い合わせください。

 

 

コラム2023年1月24日

リスキリングとリカレント教育の違い

近年、DX時代に適応する人材を育てるための手法として、リスキリングが注目されています。
「リスキリングのメリットって何?」「どのように実施すればよいの?」といった、
疑問を抱えている人事・管理担当の方も多いのではないでしょうか。

リスキリングについての知識が整理できれば、自社の課題に合った適切な実施が可能になると思います。
そこで今回の記事では、リスキリングの意味やメリット、導入する手順、効果的に実施するためのポイントなどを幅広く記載したいと思います。

 

【リスキリングとは?】

リスキリングは、職場における能力の再開発を指す単語です。
DX時代の到来が叫ばれている昨今、リスキリングは企業にとって欠かせないものとなっています。

 ・経済産業省によるリスキリングの定義

“新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること”

海外では既に浸透しつつある概念ではありますが、近年では日本国内でも注目されるようになり、政府も推進を呼びかけています。

 

【リカレント教育とは?】

現在の会社を休職もしくは退職してから、大学やビジネススクールなどの教育機関に通って勉強するなどのケースがリカレントです。
さらに、教育機関で新しいスキルを身につけたあとには、
一時的に休職していた会社に戻ったり、新しい会社に入ったりして働きます。
リカレント教育は、基本的に従業員が自分の意思でスキルを身につける学習を行うものですが、
リスキリングは会社が主導して従業員に行う教育でもあります。

 

【リスキリングとリカレント教育の違い】

リスキリングは「企業が戦略的に人材育成をおこなう」ことです。
リスキリングは、企業が事業戦略に合わせ、社員に新しいスキルや知識を身につけさせる人材教育のことをいいます。
これからの時代にイノベーション創出していくためには、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進が必須といわれています。

・経済産業省によるDX時代の人材政策

・リスキリング公的支援として、5年間で1兆円を投資(2022103日 岸田内閣総理大臣による国会所信表明演説)


以上のように、国もリスキリングを重点施策に置き、人材育成の取り組みについて議論を重ねています。
DXに対応できる人材を育成するためにも、リスキリングによる社員の再教育は企業として検討すべき内容の1つといえるでしょう。

一方リカレント教育は、社会人が継続的かつ自主的にスキルアップをおこなうための学びのことをいいます。
少子高齢化が進む日本では、働く期間の長期化が想定されています。
どの時代でも活躍できる人材であり続けるには、社会人になってからも新しいスキルを習得する学び直しが必要といえるでしょう。

さらに、労働人口の減少により、人手不足に悩む企業も増加の傾向にあります。
社員がリカレント教育で自主的にスキルアップをおこなうことで、年齢を重ねても活躍できる人材として継続雇用しやすくなります。
リカレント教育についても、厚生労働省が中心となって政策に取り組んでおり、国を挙げて社会人の継続的なスキルアップを支援しています。

 

【リスキリングに取り組む企業事例】

・株式会社三菱UFJ銀行

株式会社三菱UFJ銀行では、リスキリングと外部の専門スキルを持った人材採用に取り組んでいます。この2つのうち、とくに力を入れているのが社内でのリスキリングです。

銀行のビジネスを理解している社員自身がデジタルを活用できるようになることを目的に、三菱UFJ銀行は全行員を対象にデジタルリテラシーの教育をおこなっているのだ。指定の外部資格を取得できれば行内称号を付与し、条件を満たした社員には3年間で最大90万円を支給するなど、リスキリングへのモチベーションをアップさせるように工夫しています。

また、コア人材を対象とした専門スキル教育もあわせて実施している。ビジネス・テクノロジー・デザインの3つのスキルを身に付けて、DXをけん引できる人材育成をおこなっているのが特徴です。

 

・株式会社サイバーエージェント

株式会社サイバーエージェントでは、エンジニアの採用や育成を目的として、社外の人を対象とするアカデミーを発足しています。アカデミーでは3ヶ月で特定領域の技術を習得できるようにカリキュラムを組んでおり、無料で受講可能だそうです。

エンジニアの採用市場が激化しており、母数が増えないままでニーズばかりが増していることに危機感を感じていたことから、アカデミーをスタートさせたと言われています。2012年にもアカデミーをおこなっており、それを履修してから入社したエンジニアが、現在では要職に就いて活躍しています。社内でのリスキリングはもちろんだが、社外でも取り組みをおこなうことで優秀な人材を手に入れたり、業界全体の底上げをはかったりしていくことができるのです。 

社内でもリスキリングセンターを立ち上げ、エンジニアがキャリアアップやキャリアチェンジにつなげていけるように、高度な専門領域に至るまでサポートしているそうです。

 

【まとめ】

DXを始めとする様々なデジタル技術の革新により、企業には従業員に必要なスキルや知識を習得させる「リスキリング」の推進が求められています。
リスキリングを推進することで、採用コストの削減や業務効率化、従業員のキャリア形成など、企業側と従業員側の双方に様々なメリットが発生します。

DX推進にリスキリングを取り入れる場合、適切な計画を立てて手順通りに行うことが大切です。

弊社、株式会社NEQLIASでは、リスキリングにおいて必須条件と専門知識を持った優秀なファシリテーターが在籍しております。従業員が積極的に取り組める環境や仕組みを整備しながら、リスキリングを取り入れるのが大切です。

ご興味がございましたらお気軽にお問い合わせください。

 

 

コラム2023年1月20日

成功体験は時に問題解決の障害になる

個人も組織も、学ぶことは大切ですが、もはや、それだけで十分ではありません。
ビジネスでも、スポーツでも、同じスキルや戦略が、そういつまでも通用はしません。
常に何かを学びなおさなければいけない時代になっています。
その時代のキーワードこそ、「アンラーン」です。

 

【アンラーンとは】

アンラーン(Unlearn)とは、「学習棄却」や「学びほぐし」などと訳されます。
一般的なラーン(Learn)は「学び」として新しい知識・思考・習慣などを得るなどインプットが重要視されます。
一方で、アンラーンは既に学んだ知識・思考・習慣などを見つめなおす(必要によっては手放す)ことを言います。
新しい環境に適応するために、過去の延長線上にない学びをするためのスペース作りとも言えます。

 

【思考のクセを取り除く「アンラーン」】
アンラーンは、学びやこれまでの経験を否定するものではありません。
新しい変化に対応するために、固定化してしまっている思考のクセを取り除き、ニュートラルな状態に戻すことを指します。

例えば、“ラーメン好きの人”は、新しいラーメン店ができたら気づくでしょうが、アパレルショップが開店しても気づかないかもしれません。

逆に、“ファッション好き”の人であれば、ラーメン店の存在を認識していないかもしれないです。これは興味のあるものしか見ていないという無意識のクセが原因と言えます。同様のことは学びの場面でも起こるのです。仮にリスキリングのために何かを学習しても、思考のクセが原因で新しい情報をうまく取り込めず、頭のなかを素通りしてしまうのです。そこで、できる限り思考のクセを取り除き、インプットの質を高めようというのが、『アンラーン』の本旨です。

 

【アンラーンのサイクル】

・脱学習
人はすでに知っていること、前にやったことのあること、結果が出たことにしがみつく傾向があると言われています。最初のステップでは、過去には役に立ったが、今や成功の障害になっている考え方や、身につけた行動様式を手放し、見直す必要があります。

そのためには、自分自身の信念や考え方や行動が、自分の可能性と現在のパフォーマンスを制限していることを、そして意識的にそこから離れるべきだと認める勇気、自己認識、謙虚さが必要です。

脱学習とは新しいアプローチを進んで試すことで、やる気、好奇心、脱学習が可能だと信じることが必要です。そのためには、実際に行動することが必要となります。 

次の「必要な一連の条件」に取り組むことで、古いパターンや行動を脱学習することができるようになります。

 

・再学習
再学習は、新しい行動を試し、新しいデータや情報や視点を取り込む実験プロセスです。

新しいインプットをすべて考慮することで、世界をどう捉えているかというメンタルモデルを作り変え、並外れた成果を出せる考え方と行動を身につけるようになります。

効果的に再学習するためには、何を達成したいのか、どのようにしてそこまで辿り着きたいのかを明確にする必要があります。

そして、望む結果を特定し、それを数値化する必要があるのです。達成したい願望や結果がはっきりしたら、目標を達成するための正しい行動を見出し、そこまで行くための正しい道筋を決め、データを取ることによって本当に達成できたかどうかを判断できるようにすることも大切です。

 

・ブレークスルー
ブレークスルーは脱学習し、次いで再学習したことの結果を表します。

アンラーンのサイクルの脱学習と再学習のステップを経たことで得られる新しい情報であり、洞察とも言えます。この新しい情報や洞察は非常に強力で、考え方に影響を与え、変容させる力があります。新しいものの考え方の恩恵を受けて発想が変わり、もっと頻繁に行動の脱学習を受け入れるようになります。ブレークスルーによって、アンラーンが加速し続けていくようになるのです。 

このステップでは、単純に、何がうまくいったか、何があまりうまくいかなかったか、もう一度同じ課題に取り組むとしたら、どのように違うやり方で脱学習を行うだろうか、と自問するだけで十分です。こうした情報や洞察をアンラーンのサイクルの将来のループに送り込んでやれば、より深い洞察が得られ、より大きな影響を受けて成長を果たすことができるでしょう。

アンラーンのサイクルの回数を重ねれば重ねるほど、実験をやればやるほど、より多くの情報や洞察が得られ、行動やマインドセットを効果的に適応させられるようになります。

 

 

【まとめ】

アンラーンも1つの成長のプロセスではありますが、けれども学習し蓄積していくことと、忘却しリセットするアンラーンは質的に違います。ですから学習し続けるという発想でいると、どうしても新しい環境で行き詰まってしまうのだと思います。

とくに今、世界は激しく変化しています。日本は30年前、世界のトップ争いをしていましたが、今は集団に置いていかれそうになっています。このままじゃいけないと思いながら、どうしていいか分からない。そんな状態に見えます。

我々は日本社会全体に強くアンラーンを勧めたいと思います。
アンラーンがほんとうに必要なのは、何かの学びを得ていて、それなりに成功体験を持っている人です。


弊社、株式会社NEQLIASには優秀なファシリテーターが在籍しております。
このアンラーンを軸とした研修プログラムを取り扱っており、皆様のご状況や課題に合わせてオーダーメイドでプログラムを作ることが可能です。

もしご興味がございましたらお気軽にお問い合わせください。

 

コラム2023年1月17日

人間関係の落とし穴

「認知バイアス」という言葉をご存知でしょうか。
思考の偏りや思い込みによって非合理的な判断をしてしまう現象を、
心理学では「認知バイアス」と呼びます。
誰もが持っている思考の偏りや思い込みを表す「認知バイアス」。
この言葉を聞いたことはあっても、どういう意味か分からないという人もいるかもしれません。
今回は、認知バイアスの意味や具体的な事例・種類について解説します。
認知バイアスに支配されないための対策も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

【「認知バイアス」とは】

バイアス(bias)の意味は「偏り」
そもそもバイアス(bias)とは、先入観、偏見、また調査の回答に偏りを生じさせる要因を指す言葉です。
認知バイアスとは、思い込みや経験により非合理的な判断をすることを指す「心理学用語」です。
そして認知バイアスとは、自分の思い込みや周囲の環境、これまでの経験といった要因により、非合理的な判断をしてしまう心理現象です。

例えば、「良かれと思ってやった行動が、相手に迷惑をかけた」といった行動は、認知バイアスによって引き起こされていると言えます。

認知バイアスは日常にあふれています。その仕組みを理解することで仕事や人間関係を円滑にできるようになることでしょう。

 

【様々な認知バイアスについて】

認知心理学や社会心理学などでよく取り上げられている認知バイアスは数多く存在しています。
いくつかの認知バイアスについてご紹介いたします。 

・バンドワゴン効果
大勢の人が選択している判断は、個人の判断よりも正確だと思い込んでしまうバイアスのことです。

例えば、インフルエンサーのマーケティングもその1つとされ、SNSにおいて多くの人がフォローしており、いいねのたくさんついた商品ほど良い商品と認識される傾向があります。

 

・虚記憶(虚偽記憶)
アメリカの認知心理学者エリザベス・ロフタス氏の研究では、
「実際には起こっていない経験」について話し合った被験者の25%にありもしない記憶が生まれたそう。
これは「虚記憶(虚偽記憶)」という認知バイアスです。
私たちは、経験していないことを、まるで経験したかのように思い出す可能性があるのだとか。

 

・透明性の錯覚
「透明性の錯覚」は、1998年にコーネル大学心理学教授のトーマス・ギロヴィッチ氏らにより報告されました。自分の感情や考えていることが、実際以上に他者に伝わっていると思う錯覚です。

「さっきのニュアンスで、私が何を言いたいかわかったはず」などと思い込み、確認もせず勝手に進めてばかりいると「困ったちゃん」の烙印を押されてしまいます。あなたの心のなかは、さほど理解されていないのです。ちゃんと説明しましょう。

 

・バラ色の回顧
「あーあ、昔はこの会社もよかったなぁ。あの頃に戻りたいなぁ」などと口にしてはいませんか?

人は過去を「バラ色の眼鏡をかけて」のぞき込み、美化してしまうのだとか。
これを「バラ色の回顧」と言うそう。

故郷を懐かしむだけならいいですが、仕事で「昔はよかった」ばかりでは進歩できません。なぜ過去がいいのか自問すれば、いまの問題点に気づけるかも。

 

・確証バイアス
自分にとって都合のいい情報ばかりが目に入り、都合の悪い情報が目に入りにくくなることを「確証バイアス」と言います。
自分が正しいことを裏づける情報ばかりを集め、反証する情報を無視して仕事を進めると、のちに指摘されたり失敗したりで、詰めの甘さが露呈してしまいます。

 

・内集団バイアス
「いろいろ検討しましたがA社に決めました」「そう言えば、A社の担当者は君と同じ大学だったね」――私たちには自分と同じ集団に属するメンバーの能力を、高く評価しがちな傾向があるのだとか。「内集団バイアス」あるいは「内集団びいき」と言ったりもします。

 

・後知恵バイアス
問題が起きた後に「そうなると思った」「だから言ったのに」とよく言っている人を見たことはないでしょうか。このような人の心理には「後知恵バイアス」がかかっている可能性があります。

結果が出た後に「そうなることは予想していました」と、最初から結果を知っていたかのように、結果と自分の考え、意見を一致させようとすることを後知恵バイアスと言います。

 

【認知バイアスの対策法】

認知バイアスの要因は自分が正しい、優位でありたい、願望を通したい、と思ってしまうことがほとんどです。
そのせいで、良い選択や出会いを逃してしまうことはもったいないのではないでしょうか。

大切な選択が迫ったときに、認知バイアスに支配されることを防ぐためにも、
下記の内容を覚えておいて下さい。


・違った視点に立って考える
何かを選択するとき、A案が良いと思っても一度立ち止まってみることをおすすめします。少数派の人の意見を聞いてみる、他の可能性は考えられないかといった視点に立って考えてみると、より良い選択ができるかもしれません。


・一つの情報に流されない
自分に都合の良い情報しか取り入れなかったり、みんなが賛同するものを正しいと思ったりせずに、多くの情報を集めた上で判断をしましょう。一つだけの情報に惑わされることなく、自分にとって本当に必要な情報が得ることができます。

 

【まとめ】

認知バイアスは日常に溢れています。

まずは、自分自身の中に今までの経験をもとにした偏った先入観、思い込みがあると自覚することが、認知バイアスに陥らないための大切なポイントです。
特に重要な判断については、自分の考え方だけに固執せず、他の人の意見を聞いてみたり、数値データを集めてみたりして客観的に考えるようにしてみてはいかがでしょうか。


弊社、株式会社NEQLIASでは、認知バイアスに陥らないための研修プログラムを取り扱っており、
優秀なファシリテーターが多数在籍しております。

組織において人間関係の構築に必要な専門知識を持ったファシリテーターがお悩みに合わせてオーダーメイドの研修プログラムを組みますので、ご興味がございましたらお気軽にお問い合わせください。

コラム2023年1月13日

非認知スキルの重要性

最近、学校や保育の場で注目されるようになってきている「非認知能力」は聞いたことがあるでしょうか。
「非認知能力」は協調性、忍耐力、計画性、自制心、コミュニケーションなど、
数値に表すことができない「生きていく上で必要不可欠」な能力です。

具体的に、「非認知能力」とはどのような能力なのでしょうか?
認知能力との違いや種類などを記載していきます。

 

【非認知能力とは】

非認知能力はIQや学力テストなど数値化できる認知能力とは異なり、
数値化はできないものの、生きていく上で欠かせない能力を指します。

しかし近年、数値化できない「非認知能力」を幼少期から学童期までに伸ばすことが強く推奨されるようになっています。
子どもたちの将来や人生を豊かにするといわれている「非認知能力」は、さまざまな種類があるのが特徴です。

 

・代表例一覧
問題解決力= 自ら問題を発見・解決する能力

意欲   = やる気、集中力

忍耐力    = 粘り強く頑張れる能力

自制心    = 我慢する能力、精神力

創造性    = クリエイティビティ、工夫をする能力

コミュニケーション能力   = リーダーシップ、思いやり、協調性

対応力    = 失敗から学ぶ能力、楽観性、応用する能力

主体性    = 自分の意志で行動する姿勢、遂行する能力

 

・非認知能力と認知能力の違い

非認知能力とは、目標に向かうために努力する力や意欲など、
数字では測れない能力のことです。

知識や記憶力、判断力、読み書きなどの知的能力を指す認知能力は、
知能指数(IQ)で表すことができます。
一方の非認知能力は、根気強さや注意深さ、意欲など、感情や心の働きに関する能力を意味しており、
心の知能指数「EQEmotional Intelligence Quotient)」とも言われたりします。

【「非認知能力」が注目されはじめた背景】
非認知能力が注目され始めたのは、諸説ありますがノーベル経済学賞を受賞したアメリカのジェームズ・ヘックマン教授の本がきっかけと言われています。

著書『幼児教育の経済学』のなかで、幼少期に非認知能力を育む幼児教育の重要性を訴えたのです。

1960年代にはじまった低所得のアフリカ系アメリカ人の未就学児童を対象にした教育プログラム「ベリー幼稚園プログラム」の調査結果も大きな影響がありました。

40年にわたって追跡調査をした結果、大人になってから成功する一因に、子どもの頃に培った意欲や自制心などの非認知能力が関係していることがわかりました。

国際化が進み、社会が多様化するなか、「非認知能力」がこの時代を生き抜くうえで重要だと日本でも注目されるようになってきたのです。

 

・非認知能力の重要性
今日まで日本で行われてきた学力を上げるための詰め込み教育ではなく、
生きる力を身につけさせるための「自分で考えさせる力」「感情をコントロールする力」「仲間と意見交換しながら、物事を進めていく力」など、
非認知能力を鍛える重要性は広く認識されるようになってきました。

 

【非認知能力は認知能力(学力)の土台にも】

認知能力よりも、まずベースになるのは非認知能力です。
非認知能力が大事にされると、知的なことへの興味・関心も育っていくわけで、
非認知能力は認知能力へとつながっているのです。

非認知能力を抜きに、早くから読み書きができたり、読み書きという目に見える成果だけを追い求めると、
将来的に意欲が湧かなかったりということが起きるわけです。
非認知能力を身につけたことの結果は後になって表れることから「あと伸びする力」とも呼ばれています。 

親たちを対象にしたある調査からは、幼児期に遊び込む経験の多かった子のほうが小学校以降、
「学びに向かう力」が高いとも言われています。
「学びに向かう力」とは非認知的能力・社会情動的スキルのことで、
好奇心・協調性・自己統制・自己主張・がんばる力などに関係する力を指します。

遊び込む経験を多くしてきた子のほうが、一斉に何かをさせられた子達よりも認知力、
つまり国語力や語彙力も高いのです。語彙力はすべての学力のベースになる力ですね。
目に見えない「遊び込む」という経験が、目に見える認知能力につながっていくとも言えるのです。

 

【大人になってからも鍛えられる「非認知能力」】
非認知能力を伸ばすためには、6歳までの教育が重要といわれています。
しかし大人になってからでも非認知能力を伸ばせます。
子どもより成長速度は落ちてしまいますが、非認知能力を習得し続けるのは可能なのです。

・ビジネスパーソンが非認知能力を鍛える方法

ビジネスパーソンが非認知能力を伸ばしていくためには、どんな方法がよいでしょうか。
下記の点から見ていきましょう。

・①趣味の延長により計画・記録・達成度を管理し、自制心を鍛える

心理学の分野では、自制心を高めるために有効なのは「計画・記録・達成度の管理」「繰り返し継続的に行う」などとされています。

ウォーキングを例にすると、
ウォーキングを始めようと「計画」
実際行い、歩数や時間を「記録」
スピードや歩数の目標を決め「達成度を管理」
これを繰り返し行うと、自制心が鍛えられます。

・②仕事以外の話題でコミュニケーション能力を高める

周囲と協調しながら行うビジネスは、より円滑に進みます。そのためにも、下記を心掛けましょう。

職場の同僚と仕事以外の会話をして親しくなる

業務本来の目的を共有し、衝突を防ぐ

個人としてのコミュニケーション能力も伸び、ビジネスも成功しやすくなるといった効果があります。

 

【企業が非認知能力の高い人物を採用するべき理由】
これまでの採用では、学歴や学力などが重視されていました。
しかし人生100年時代と呼ばれる現在、高い非認知能力を持つ人材が必要となっています。何歳になっても積極的に学ぼうという意欲のある人が求められているのです。

中高年になっても怠惰な気持ちを持たないため、若い頃から学習する習慣を身につけるとよいでしょう。

 

【まとめ】

今注目を集めている非認知能力は、大人になっても身につけられるのか、
なぜ重視されているのかなど、気になる点をまとめて記載しました。
変化の激しい時代を生き抜くためには、前例のない事象に対しても粘り強く仲間と共同して取り組み、
成果を上げていく必要があります。
子どもだけでなく、今社会人である人々も日頃の心がけ次第で非認知能力を高められます。


弊社、株式会社NEQLIASでもこの「非認知能力」を高めるための研修プログラムを行なっております。
現在も企業様のサポートをさせていただいたりと、積極的な企業様も多いです。
まずはどのようなものか、興味がございましたらお気軽にお問い合わせください。