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OODAサイクルについて
ビジネスシーンにおいて「いかに早くPDCAを回せるか」という考えのもと重視されてきました。
※PDCAについてはこちらの記事をご参照ください。https://neqlias.net/pdca%e3%81%ae%e6%88%90%e3%82%8a%e7%ab%8b%e3%81%a1/
ですが、PDCAに変わるフレームワークが近年では注目を集めております。
それは「OODAループ(ウーダループ)」です。耳にされた方も増えてきているのではないでしょうか。今回はOODAループについての詳細や特徴、PDCAとの違いなどもわかりやすくお伝えできればと思います。ぜひご参考にしてください。
【OODAループとは】
OODA(ウーダ)とは、以下の4つの頭文字をからなるフレームワークとなります。
Observe:観察
Orient:状況判断・方針決定
Decide:意思決定
Act:行動
観察からスタートすることで、現状を分析します。ビジネスなどにおいての意思決定の際に活用されるフレームワークで、OODAループとも呼ばれます。
スピード感のある意思決定をする際に有効なフレームワークとされており、変化の早いビジネス環境においてより効果的なフレームワークだとされております。
【OODAループが必要だと言われる背景】
今OODAループが注目されており、取り入れる企業が増えてきている背景は何があったのでしょうか。それは「VUCA時代」というワードが関連していると言われております。変動的(Volatility)で、不確実(Uncertainty)で、複雑(Complexity)で曖昧(Ambiguity)な時代とされている今、OODAループはVUCAという不安定な情勢を生き抜くために必要な思考法として、より一層注目されるようになったとされています。
【PDCAサイクルとOODAループの違い】
一般的にPDCAサイクルは、Plan・Do・Check・Actの“順番通り”にサイクルを回します。サイクルであるため、一定方向で進み基本的には逆に進むことはありません。そのため、途中で変化がイレギュラーなどが発生しても柔軟に対応できない場合もあります。
OODAループは、Observe(観察)を軸にしてフィードバックを行う“ループ構造”となっているため、一定方向に進まなくても良いのが大きな特徴です。必ずしもObserveから始まる必要はなく、戻ることや、リスタートも可能です。常に状況に応じて情報やデータを収集し、観察を行う構造と言えるため自由度が高いことが特徴です。
【OODAを取り入れるためのポイント】
OODAを取り入れることで自発的に動けるようになることがメリットとなります。
これは、OODAループが思考として個人が持ち合わせることができるためです。実はもともとアメリカ軍が開発した思考法とされており、現場ですぐに動ける人になるための技術が詰め込まれています。そのため重要なポイントとして、主体性が必要になります。
個人の力に依存するという特徴もあるため、“指示待ち”や“優柔不断”な人には難しい場合もあります。もともとの価値観を変えていき、気持ちの持ち方やマインドセットから改善していく必要がある場合があります。
【まとめ】
今回はOODAループについて、その詳細や注目される背景、PDCAサイクルとの違いや取り入れるためのポイントなどについて書かせて頂きました。
VUCA時代とされる現代において、変化に対応しやすく、柔軟性や即応性に優れたOODAループの活用が効果的な場面が増えてきております。ですがOODAループは、中長期的な計画に不向きなことや、個人の主体性を育む必要があるなど万能ではないです。こうした場合には、綿密な計画を立ててから運用するPDCAサイクルが効果的な場面も多くあります。
今回重要なこととしてお伝えしたいのは、ご自身が置かれた状況に合わせて手法を使い分け活用するということです。
弊社、株式会社NEQLIASには優秀なファシリテーターが多数在籍しております。
OODAループをもとに研修プログラムを構築することや、個の主体性を高めるための研修プログラムなど幅広く対応が可能です。ご興味がある方はお気軽にお問い合わせください。
教育のトレンド?!ブレンドラーニングに触れてみましょう!
ブレンディッドラーニングの活用
皆様は「ブレンディッドラーニング」や「ブレンドラーニング」という言葉をご存知でしょうか。
現在、企業研修の効果を高めるためのアプローチとして、このブレンディッドラーニングという手法に注目が集まっています。今回は、ブレンディッドラーニングの特徴から、実施するためのポイント等を紹介したいと思います。
【ブレンディッド・ラーニングとは】
ブレンディッドラーニング (Blended Learning) は、集合研修やeラーニング、動画コンテンツなど、さまざまな学習方法を組み合わせた (ブレンドした) 教育手法です。それぞれの学習方法の利点を活かしつつ、欠点を他の方法でカバーすることで、効率的で効果の高い学習を実現できます。教育学の理論を背景に、テクノロジーを活用して学習効果の高いコンテンツを提供することで、柔軟かつ効果的、効率的な新しい時代の学び方へと繋がります。
【ブレンディッドラーニングの4つの要素】
一般的にブレンディッドラーニングは、集合研修とオンライン研修の組み合わせという認識の方が多くいます。
さらに、オンライン研修=eラーニングということでイメージは固定されている印象でした。
しかし実際はもっと複雑で、多様で、豊かな学びの手法であると考えております。4つの要素を含めてお伝えいたします。
・メディアミックス(学びの素材をブレンド)
動画、スライド、音声付きスライド、音声、写真、イラスト、資料、本、ブログ 、SNS
・アクティビティミックス(学習活動をブレンド)
講義、対話、チャット、投票、擬似体験(VR)、シミュレーション 、アンケート、テスト
・ラーナーミックス(学び手をブレンド)
グループワークやブレイクアウトの時のコミュニティ形成における学び手の組み合わせ。
それぞれのバックグラウンド、傾向、性格、能力などを考慮してブレンドする。
セオリーミックス(学びの理論をブレンド)
・認知科学、行動科学、脳神経科学、心理学、マーケティング論などをブレンドする。これにプラスアルファして文学や芸術学などもブレンドし、情操面からのアプローチとして感覚や感情に訴える。
このように詳細を見てみると、ブレンドされる詳細には多くの要素があります。そして、学び手を惹きつけ飽きさせないための、学びのデザインすることは重要となります。
【ブレンディッドラーニングの効果を高めるポイント】
ブレンディッドラーニングの効果を高めるための手法については、教育工学の領域で長い研究がされています。
・研修のデザインの重要性
ブレンディッドラーニングは、単にありあわせの動画コンテンツを視聴させ、それについて従業員に議論させるというものではありません。研修全体として、何を習得させたいのか、そのための知識やスキルをどのように分解し、習得するためにどのような単元が必要か、また、どのような課題に取り組ませるか、といった研修のデザインをしっかりと組み、オンライン学習の最初のトピックから集合研修の最後のプレゼンテーションまでを綿密に計画する必要があります。
・フィードバックを重視すること
コンテンツを与え続けるだけではなく、随所に双方向性を取り入れ、個々が発信した意見に対して他者の介入も含めることで学びの精度を上げていくことが望めます。
コルブの経験学習モデルという知られた理論がありますが、これはまさに「具体的経験→省察的観察(内省/振り返り)→抽象的概念化(理論化)→能動的実験(試行)」を1サイクルとしたもので、ブレンディッドラーニングではこの“省察的観察”の部分をオープンにし、多声的に内省/振り返りをするということも可能にしています。
コルブの経験学習モデルについて→https://neqlias.net/elc①体験と振り返り/
【まとめ】
ブレンディッドラーニングは「いいとこ取り」が成功のカギとなります。
それぞれの要素を理解し、オンラインとオフラインを含めた「いいとこ取り」をしながらデザインし組み合わせることが、「学び」にとって重要です。
例えば、事前にオンライン学習で知識を得て、研修当日はオンラインやオフラインでディスカッションをし、事後に再びオンライン学習で定着を図る。さらに、学んだことを職場で実践し、結果や気づきをシェアすることで、職場内でも知識を共有できます。
目的や効果を考え、オンラインとオフライン、そしてあらゆる要素の「いいとこ取り」をすることが、ブレンディッド・ラーニングの基本です。
弊社NEQLIASには学校研修や企業研修においてブレンディッドラーニングを熟知し経験豊富かつ優秀なファシリテーターが多数在籍しております。プログラムのデザイン設計から、ファシリテーションまで一貫してお任せいただくことも可能でございます。
高校や大学、企業様の実績を踏まえ、今抱えている課題に対してオーダーメイドのプログラムデザインができることも強みとなりますので、まずはご相談からお気軽にお問い合わせいただけますと幸いです。
「アダプティブラーニング」を聞いたことはありますか?
皆様は「アダプティブラーニング」という言葉を耳にしたことありますでしょうか?
最近は少しずつではありますがご存じの方もいらっしゃるようです。
しかし、この言葉が意味する内容を理解している人はまだまだ多くないのかもしれません。
そこで今回の記事では、この「アダプティブラーニング」がどのような学習法であるのかや、
メリット・デメリットについてを書いていきたいと思います。
【アダプティブラーニングとは】
アダプティプラーニングとは、
“一人ひとりに最適な学習内容を提供して、より効率的に学習を進める方法”とされております。
このアダプティブラーニングは、教育業界でIT技術の活用進み注目されるようになった学習方法です。
文部科学省では以下の点からアダプティブラーニングの推進を唱えています。
・一人ひとりの状況に応じた、きめ細かな教育指導を促進する
・学習者一人ひとりの理解度や興味などを考慮した、学習活動の充実
・学習以外の指導を含めた、きめ細かな配慮
【注目される背景】
現在、AIといったICTをはじめとするさまざまな技術の高度化が急速に進んでいることはご存知の方が多いでしょう。
教育業界においても、教室に集まった学生に対して教員が一方的に講義を行う、従来の「一斉・一律」の形態から、教育ICTによって学生の一人ひとりの学習経過や成果がデータとして蓄積することができ、可視化され、このデータに基づき一人ひとりに最適化された形態への変化が求められています。
新型コロナウイルス感染症拡大による影響もあり、学生の通学が制限され授業のオンライン化が急速に進んだことをご存知の方も多いでしょう。コロナ以前のように教員やクラスメイトと直接会えないことによって、学生が感じる孤独感増幅や学習意欲低下、中途退学につながってしまうなどの課題が浮き彫りとなりました。
一方、学習管理システム(LMS)などの教育ICTツールの活用機会が増え、学習・教育データの蓄積が自然と進んだ一面もあります。つまり、これらのデータを学生個人の状況において客観的な把握ができ、最適なタイミングでより良い内容をフォローするために役立てることが可能となり、まさにアダプティブラーニングを実践しやすい環境になった、とも言えます。
実践できれば、学生の孤独感軽減、学習意欲維持向上、中途退学の予防などの効果を期待できます。
これまでよりきめ細かい学生フォローが求められる状況と、教育ICTツールへのデータ蓄積が進んだ状況との2つが合わさり、アダプティブラーニングの効果に注目と期待が集まっています。
【アダプティブラーニングを使う場面とは?】
実は、アクティブラーニングは教育の現場だけではなく、人事の領域でも活用されています。
・新人教育
新たに入社した社員のスキルや能力は、それぞれに異なります。新人教育といっても、新卒採用、異動、中途入社など、対象者に合わせた内容で研修計画を立てなければなりません。
アダプティブラーニングを導入すれば、対象者に合わせて教育プロセスを最適化することが可能です。対象者の経歴やスキル、知識に合わせたプログラミングが可能であり、従業員にとっては、自身に必要な学びが提供されるため、より主体的に取り組むことができます。
・タレントマネジメント
タレントマネジメントとは、社員それぞれの経歴・スキル・知識などを一元管理し、会社の人材配置、育成や教育に活用する方法をいいます。アダプティブラーニングを組み合わせることで、育成や教育といった部分で、社員それぞれに最適な学びを提供できます。自律的にキャリアを広げてもらう際にも効果的です。
【アダプティブラーニングのメリット・デメリット】
ここでは、アダプティブラーニングのメリット、デメリットを紹介します。導入を検討する際のご参考にしてみてください。
・学習者のメリット
アダプティブラーニングは、学習者の習熟度に合わせて内容が調整されるため、より効率的に学べる点がメリットとして挙げられます。
また、内容についていけない、同じ研修を受けたものの受講者によって理解度や身に付いたスキルにばらつきがある、といった事態を避けることができ、指導者の力量や相性に左右されることなく、一定の学習効果を得られることが学習者にとってのメリットです。
・学習者のデメリット
アダプティブラーニングは、分析データに基づいた学習プログラムのため、知識の習得や座学で効果を発揮するものの、実践的な内容には向いていない点がデメリットです。営業やディスカッションなどの対人スキルやコミュニケーション力の向上、ものづくりなどの技術習得には向いていません。
【まとめ】
多様性がより尊重されつつあるこの時代においては、一人ひとりの学習者の性質に目を向けた学習法が、非常に重要な取り組みとなりつつあります。
また、今後、アダプティブラーニングの活用は日本中、そして世界中で広がっていくことが予想されており、政府もそのために取り組みを進めています。
学習者の個性や特質を活かし、さらなる成長を促していくためにも、アダプティブラーニングへの理解を一層深めていきましょう。
弊社、株式会社NEQLIASには優秀なファシリテーターが数多く在籍しております。アダプティブラーニングを導入するための“体制”を整える研修プログラムや、より効果的な成果へと繋げるための独自のプログラムを展開しておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。