コラム2024年7月12日

OODAサイクルについて

ビジネスシーンにおいて「いかに早くPDCAを回せるか」という考えのもと重視されてきました。
※PDCAについてはこちらの記事をご参照ください。https://neqlias.net/pdca%e3%81%ae%e6%88%90%e3%82%8a%e7%ab%8b%e3%81%a1/

ですが、PDCAに変わるフレームワークが近年では注目を集めております。

それは「OODAループ(ウーダループ)」です。耳にされた方も増えてきているのではないでしょうか。今回はOODAループについての詳細や特徴、PDCAとの違いなどもわかりやすくお伝えできればと思います。ぜひご参考にしてください。

 

OODAループとは】

OODA(ウーダ)とは、以下の4つの頭文字をからなるフレームワークとなります。

 

Observe:観察

Orient:状況判断・方針決定

Decide:意思決定

Act:行動

 

観察からスタートすることで、現状を分析します。ビジネスなどにおいての意思決定の際に活用されるフレームワークで、OODAループとも呼ばれます。

スピード感のある意思決定をする際に有効なフレームワークとされており、変化の早いビジネス環境においてより効果的なフレームワークだとされております。

 

OODAループが必要だと言われる背景】

OODAループが注目されており、取り入れる企業が増えてきている背景は何があったのでしょうか。それは「VUCA時代」というワードが関連していると言われております。変動的(Volatility)で、不確実(Uncertainty)で、複雑(Complexity)で曖昧(Ambiguity)な時代とされている今、OODAループはVUCAという不安定な情勢を生き抜くために必要な思考法として、より一層注目されるようになったとされています。

 

PDCAサイクルとOODAループの違い】

一般的にPDCAサイクルは、PlanDoCheckActの“順番通り”にサイクルを回します。サイクルであるため、一定方向で進み基本的には逆に進むことはありません。そのため、途中で変化がイレギュラーなどが発生しても柔軟に対応できない場合もあります。

 

OODAループは、Observe(観察)を軸にしてフィードバックを行う“ループ構造”となっているため、一定方向に進まなくても良いのが大きな特徴です。必ずしもObserveから始まる必要はなく、戻ることや、リスタートも可能です。常に状況に応じて情報やデータを収集し、観察を行う構造と言えるため自由度が高いことが特徴です。

 

OODAを取り入れるためのポイント】

OODAを取り入れることで自発的に動けるようになることがメリットとなります。

これは、OODAループが思考として個人が持ち合わせることができるためです。実はもともとアメリカ軍が開発した思考法とされており、現場ですぐに動ける人になるための技術が詰め込まれています。そのため重要なポイントとして、主体性が必要になります。

個人の力に依存するという特徴もあるため、“指示待ち”や“優柔不断”な人には難しい場合もあります。もともとの価値観を変えていき、気持ちの持ち方やマインドセットから改善していく必要がある場合があります。

 

【まとめ】

今回はOODAループについて、その詳細や注目される背景、PDCAサイクルとの違いや取り入れるためのポイントなどについて書かせて頂きました。

VUCA時代とされる現代において、変化に対応しやすく、柔軟性や即応性に優れたOODAループの活用が効果的な場面が増えてきております。ですがOODAループは、中長期的な計画に不向きなことや、個人の主体性を育む必要があるなど万能ではないです。こうした場合には、綿密な計画を立ててから運用するPDCAサイクルが効果的な場面も多くあります。

今回重要なこととしてお伝えしたいのは、ご自身が置かれた状況に合わせて手法を使い分け活用するということです。


弊社、株式会社NEQLIASには優秀なファシリテーターが多数在籍しております。

OODAループをもとに研修プログラムを構築することや、個の主体性を高めるための研修プログラムなど幅広く対応が可能です。ご興味がある方はお気軽にお問い合わせください。

 

 

コラム2024年7月1日

デジタル・シティズンシップ教育について

 現代の生活において、インターネットやスマホ、パソコンは必須となってきております。このようなデジタル環境に生まれた時から触れることの多い世代を「デジタル・ネイティブ世代」と呼ぶこともあります。しかし、このようなデジタル環境においては多くのトラブルや危険性があるため、今では学校において「情報モラル教育」が行われていることもあります。そこで、皆様は「デジタル・シティズンシップ」を聞いたことがあるでしょうか。今回の記事ではこの「デジタル・シティズンシップ」について触れていきたいと思います。

 【デジタル・シティズンシップとは】


デジタル・シティズンシップとは、直訳すると“デジタル社会における市民権”となりますが、UNESCOが掲げる定義では「情報を効果的に見つけ、アクセスし、利用し、創造することができ、他のユーザーやコンテンツと積極的に、批判的に、繊細に、そして倫理的に関わり、自らの権利を認識しながら、オンラインとICT環境を安全かつ責任を持ってナビゲートできること」とされています。

これは、デジタル社会において積極的かつ責任を持って行動することを表しています。

 

【デジタル・シティズンシップ教育と情報モラル教育との違い】

デジタル・シティズンシップ教育は、学校で行う「情報モラル教育」と同じとされることもありますが、実際は本質的な部分が違っていると考えます。

情報モラル教育はどちらかというと“抑制“要素が強く、ネット上での大きなトラブルや問題から事前知識を得て危険回避し、ネット依存にならないような利用方法などの教育が行われております。これは現代のデジタル社会をある程度”怖いものだ“という前提で捉えており、子どもたちを守るために、「やってはいけないこと」を教えるという立場からの考え方だと思います。それに対し、デジタル・シティズンシップ教育は、デジタル社会において”どのように“することで、今のデジタル社会でよりうまく生きていけるかを考えるポジティブな捉え方だと思います。そのため、必要な能力を育て、自分たちで何が良くて何が悪いのかを考えさせる立場として教育を行います。つまり”自立的“にデジタル社会で過ごせるようにすることを目的としていると言えます。

 

GIGAスクール構想とデジタル・シティズンシップ教育】

GIGAスクール構想は、生徒1人に対し1台の端末を活用します。これは生徒の情報端末が、これまで当たり前だった「複数人で使う借りもの」から「占有して使う自分のためのもの」に変化したと言えます。従来のICT環境としては、学校が管理していたためルールを提示し守らせる「抑制・他律」が主だったと言えます。しかし、これからは自立型として子どもたち自分で管理をしていくための「活用・自律」の教育が求められています。つまり、この考え方こそが“デジタル・シティズンシップ”そのものなのです。

 

GIGAスクール構想の推進やデジタル庁の設立をもあり、私たちの社会では今後もデジタルの進化が止まることはないでしょう。実際、デジタル化やICT活用にはマイナス面もありますが、マイナス面ばかりに目がいき抑制的になってしまっては結局前に進むことはできません。まずはマイナス面をしっかりと認識し、正しく活用するためにはどのようなことが求められているのか、どのように活用すれば私たちが幸せになれるのかとプラス面でどう考えるかが重要です。プラス面を意識し、ポジティブな行動変容を目指す学びこそが、デジタル・シティズンシップ教育の本質といえます。

 

【まとめ】

 今回はこのデジタル・シティズンシップ教育について取り上げさせていただきました。確かに抑制をし、未然にトラブルや危険から子どもたちを守ると言う考え方も重要です。しかし、今後の生まれてくるデジタル・ネイティブ世代はより進化したネット社会へと飛び込んでいきます。そうした社会の中で、子どもたち自身で自立し自ら考え、どのように向き合って過ごしていくのか、ネットを活用するのかを理解する必要があると考えます。

弊社NEQLIASには優秀なファシリテーターが多数在籍しております。デジタル・シティズンシップ教育の考え方である「どのように考え、どのように活用するのか」を自ら考え行動へ移すと言う視点を持って研修を行っております。インプット型からアウトプット型の独自体験プログラム『VAPIONSプログラム』を行っておりますので、ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。