コラム2022年9月26日

体験から学ぶ②

前回、記述しております「体験から学ぶ①」より、

より体験学習について知って頂きたいと思い、
今回は「体験学習サイクル」について
ご説明させていただきます。

 

この記事の監修者
株式会社NEQLIAS
コラム編集部

 

【経験学習(体験学習)サイクルとは】

経験学習サイクルとは、
コルブ(D.A Kolb)によって提唱された、
経験学習理論をもとに、
経験から学びを得るプロセスを理論化したものです。

人が経験を通して学習するプロセスには、
次の4つの要素があります。

1)具体的経験(日々の仕事に取り組む中での具体的な経験を重ねること)

2)省察(自分の経験を多様な観点から振り返って気づきを引き出すこと)

3)概念化(自分なりの『自論』を形成すること)


4)試行(自論を新しい状況下で実践してみること)

コルブの主張によれば、
これら四つの要素を順に辿りながら、
かつ1→2→3→4→1→2→ …
というように、継続的にサイクルを
回していくことで、人は成長することができるというモデルです。

「経験学習モデル」で重要な「省察」

この四つの要素の中でも注目したいのが、「省察」です。日々の出来事や経験を振り返り、自分にとってのレッスンを引き出すことは、人の持続的な成長に欠かせないことです。
そのためにも、自分と向き合い自己対話する時間を設けることが必要になりますし、また他者からの問いかけやフィードバックがあれば、多様な観点からの振り返りができ、視野の拡大につながることでしょう。

「省察」がリーダーに特に必要な理由

「省察」は、組織を率いるリーダーにとっては、とりわけ重要です。
昨今の上司は、部下に対して高い要求をすることもないし、言うべきことがあってもソフトな言い方で取り繕うなど、優しいリーダーシップを発揮する方が多いようです。
なぜ、部下に対して厳しく毅然とした態度を取れないのでしょうか。
それは、リーダーとしての持論が充分に練られていないことが原因と思われます。

リーダーに求められる持論とは、
「我々の組織の使命は何か」
「事業を通じて誰にどのような価値を提供しているのか」
「なぜ、事業を発展させなければいけないのか」
といった仕事観から、
「人はどうすれば成長するのか」
「どのような生き方をすることが幸せなのか」
という人生観に至るまで、広範囲に及びます。

リーダーがこのような持論をもてば、
「何が正しいか」「何をするべきか」という判断の基軸が明らかになり、
行動することへの勇気も出てきて、厳しいリーダーシップを発揮できるようになるきっかけとなります。

「経験学習モデル」を実践するには?

私たちは日々、さまざまな経験を重ね、たくさんの知識・情報にふれています。
しかし、それらが自分の内側に取り込まれることは少なく、
右から左へ流れてしまうことが多いのではないでしょうか。

先述の「経験学習モデル」では、
経験を省察する(≒振り返る)ことで、さまざまな気づきが得られ、
持論形成が促進するとされています。また、松下幸之助が長年実践していた
自己観照(じこかんしょう)も、省察に近い行為と言えます。

このように、心理学の分野で導き出された理論も、経営者が実践を通じて紡ぎ出した実践知も、同じように振り返りの重要性を指摘しています。したがって、組織を預かるリーダーの方がたには、忙しい日々の中であっても振りかえりの時間を確保していただきたいものです。

  • 今日一日、何があったか
  • 自分のあり方はどうであったか
  • 今日の学び、気づきは何か
  • 明日に向けて、自分はどうあるべきか

こうした地道な取り組みによって持論が形成・強化されると、言うべきことを言える毅然としたリーダーシップを発揮できるようになります。そのことが、今日とは違う明日を迎えることになり、「日に新た」な自分へと向上する、そして成果を生み出す組織をつくる第一歩となるでしょう。


弊社NEQLIASでは、総合学習(体験学習)を通じて学校や企業への研修に取り組んでおります。

優秀なファシリテーターが在籍しておりますので、総合学習(体験学習)をご希望の方や、この体験から何が得れるのか、何が変わるのかと気になった方は、お気軽にお問合せください。

 

コラム2022年9月20日

体験から学ぶ①

小学生の頃に体験活動や読書、手伝いを多くすると、その後の成長に良い影響が見られる――。

文部科学省がこういった調査について,
結果を公表しております。

この記事の監修者
株式会社NEQLIAS
コラム編集部

 

2001年生まれの子どもたち、またその保護者を
約18年間追跡し、分析した結果です。

以下のようなものが体験学習と呼ばれております。

・農業体験、職業体験、ボランティアなど社会体験

・キャンプ、登山、川遊び、
ウインタースポーツなど自然体験

・動植物園/博物館/美術館見学、
音楽/演劇鑑賞、スポーツ観戦など文化的体験

このような体験を多く積んだ子どもたちが高校生になると、自分に対して肯定的であったり、
自己満足しているといった自尊感情が高くなります。

また、体験活動をよくしていると、家庭の経済状況に関わらず良い影響を与えるとも言われています。

さらに、子どものころに多くの本を読んでいるほど、新しいことに興味を持ったり、
感情調整が上手だったりと、将来に対して前向きだったりという割合が高くなります。

子どものころに手伝いをよくすると、
自尊感情や外向性、精神的な回復力などで、
良い影響が見られます。

年齢の異なる人や家族以外の大人など、
多様な相手と遊ぶ機会が多いのも、
後の成長に良い影響を与えると言われております。

調査概要は文部科学省のHPに掲載されているので、
お子さんがいる方は一度ご覧になってみて下さい。

 

[ニューノーマル時代のコミュニケーション]

・ニューノーマル時代とは

ニューノーマル(New Normal)を直訳すると
「新しい日常」です。

考えてもなかったことが、知らず知らずのうちに
当たり前になってしまう現象を指します。

 

この言葉は2000年代初めにITバブル崩壊した際、
米国で登場したと言われています。

リーマン・ショック(2008年)の後にも使われており、今回のコロナを含め、
世界的な景気悪化を招く出来事と関係が深いです。

重要なのは「変化の前には戻らない」という
ニュアンスを含んでいることです。

リーマン・ショックの後、
GAFAが台頭し、スマホが普及しました。

SNSやネット通販が手軽になる一方、
店舗での対面販売を重視してきた家電やアパレルなどの小売業は、顧客離れに直面しています。

最近の「ニューノーマル」の使われ方には、
変化に対応できない人は時代に取り残されてしまう、
という警告の意を含んでいます。

 

・ニューノーマル時代のコミュニケーション

SNSやチャットでのやり取りは、
発言者の何気ないひと言で、
意図せず相手を傷つけてしまうことがあります。

匿名および顔もわからないからこそ、
自由な発言をしてしまう。

SNSやネット上だからこそ、
人には言えない自身の想いを打ち明けることができる。

以前テレビやネットでも話題にもなりました誹謗中傷による自殺がありました。
意図せず発言した内容が、数の暴力となり相手の命を落とすところまで至ってしまうことも…。

近年のITの進化は目覚ましく、
今後も更に発達していくことは間違いないと言えます。

このような時代の中で、どう子どもたちに「伝えてあげる」ことで、
このニューノーマル時代でもコミュニケーションが、
取れるようになるのかを考えることが重要です。

 

弊社、株式会社NEQLIASでは
様々な体験学習のアクティビティを用いて、

これまでも多くの学校や企業と連携をし、
体験学習を取り組んでおります。

我々の考える体験活動は,自分自身との対話,実社会との関わり等を考える契機となります。
自然の中で,これまで触れたことのない物に触れながら,その存在を認める経験を積むことで,
大人になり思いどおりにならない状況に直面した際、
状況に応じた対応ができる力が身に付くと期待しております。

人間関係をうまく作れない
規範意識が欠けている
ささいなことでも感情を抑えられないなど、
子どもたちが抱える様々な課題解決への一つのアプローチとして、体験活動は有効とされています。
楽しみながら様々な世界の入り口を見せることができる体験活動や、
学校から離れた自然の中で人や自然とつながる経験などを通じて,
日常の生活を客観的に見つめ直すことができます。
子どもたちの状況と発達段階を慎重に見極めた上で,こうした教育の機会を提供することにより,
基本的なコミュニケーション能力や生活習慣を身に付け,子どもの社会性や「思いやり」など豊かな人間性を育み,人間関係形成力を育成することが重要です。

 

[体験学習における注意点]
ファシリテーター(学習促進者)の力量によって結果や効果が大きく変わります。
また、ニーズに合わせたアクティビティができないと効果を発揮しません。
しっかりと見極めることのできるファシリテーターを招いて体験学習をすることをお勧めいたします。
弊社、株式会社NEQLIASでは関西圏において、優秀なファシリテーターを在籍させております。
ぜひ、体験学習にご興味がありましたら、お気軽にお問い合わせください。